見覚えのあるような耳としっぽ
今回はかなり短めです。
匹夫どもが蜘蛛の子を散らすように逃げていくのを冷たい目で見ていると隣からファルがジト目で見てくる。
「えっと?なんです?」
「ルアン、嘘はいけないよ」
「何でだ?今の正直に話してたら俺捕まってたぞ?それでも良かったのか?」
俺がそう言うとファルはムスッとしながら引き下がった。
その後は何事もなく冒険者ギルドへとつくことが出来た。
万が一顔バレでもしてていきなり襲われるなんてことがあると嫌だからローブを深く被って顔が見えないようにしていて近寄りずらいってのもあったんだろうけど。
ギルドに入るとまっ先に俺の話が耳に入ってくる。
どうやら顔を出して移動しなくてよかったみたいだな……。
少し安堵しながらギルド内を見回っていると耳としっぽの付いた見覚えのあるような人影を見つける。
もしかして!ネスかルスか?!
気になってその人影に迫ると俺の動きに合わせてその人影も移動する。
「ルアン?どうしたの?」
「今は黙って付いてきてくれ」
俺のその言葉にファル達は少し戸惑いながらも付いてきてくれる。しかしその顔には不安の色が混じっていることを俺は見逃さなかった。




