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プロローグ

いやぁ、どうしましょうかねぇ…………


少し長めの金髪を三つ編みにした美少女が目の前に映し出された半透明な板を美しい黄金色の瞳でジト目をしながら見ていた。


一刻も早く適正者を見つけて戦争を止めないとこの世界の生きとし生きるもの全てが悲しい思いをしてしまう。

私はそんなの嫌だ、みんなが幸せに笑って暮らせる世界が良い。

その為には誰でも平等に接してくれて優しい人じゃないと駄目だ。


美少女は半透明な板とにらめっこし、偶に指で板に書いてある内容をスライドし動かすと口を開いた。


「でもあの世界なら、あの惑星なら、あの国ならそんな人がいる筈。あの国は心が優しい人が多くてどんな生き物にも愛を注げる人が…………」


一人呟きながら手元の半透明な板を弄りピントを()()に合わせ()()へとズームしていく。


するとズームした先には何やら古めかしい建物の前で拝んでいる青年がいるのに気付いた。


確かあの建物は向こうの神様を祀る建物…………どうしようか、あの人を呼んでも多分大丈夫だよね?『▒▒▒▅▂▅▂▂▅▒▅▒▅▅▒』


背中に翼を生やした美少女が何かを口にした瞬間辺りは強い光に包まれた。

その光は来るものを祝福するように、そしてこれから起こる数々の事に挫ける事が決してないように強く強く光り輝く。


そして、その光が収まるとそこには特に特徴も無く存在感も無い一人の青年が立っていた。


「ん…………んだこれ?!」

「は、初めまして!私は堕天使のルシファーです!!」


その言葉に青年は眉を寄せ、口を開くと


「よし、密かな願いがひとつ叶った」

「え?え?」


ルシファーと名乗る美少女が戸惑いを隠せずにいると青年が口を開く。


「あぁ、人外と会ってみたいって思いが今になって届いたか。あぁもうこれは死んでもいいかも……」

「え?!ちょっと、死んでもらったら困ります!」


死んでもいいかも、という青年の台詞に焦ったルシファーの言葉に青年はポン、と手を叩くと


「分かった、つまりあれか。これから俺は異世界転生もしくは転移をさせられるわけだな」


その青年はルシファーが言おうとしている事をいとも容易く読み取り結論を出す。

それに内心驚きつつもルシファーは表情を変えず話を進めて行く。


「その通りです、取り敢えず転移の準備をしながら話します」

「よろしくお願いしますよ」

「あ、あとこの時にあんまり邪魔はしちゃ駄目ですよ?場合によっては記憶が欠落します、度合いは分かりませんがとにかく記憶がどうにかなるので大人しくしといてください」


青年はその話を聞き額に青筋を浮かべると、極力邪魔をしないようにする。


「あっ、そう言えばあなたは私を見ても驚かないのですね」

「勿論だとも、だって大好きな人外だもの。好きなものが目の前に現れたら驚く前にありがとうございますでしょ」


青年の熱弁にルシファーは苦笑いをしながら転移の準備を始める。


「では、まず名前を教えてください」

「青木勇也だよ」

「では勇也さん、あなたは異世界を救うK…………」

「んにゃっほう!!ルーちゃん元気してたぁ?!ローちゃんことロキちゃんひっさびさに来たよー……………」


ロキの登場で驚いたルシファーは転移魔法の完成前に離れてしまう、それにより魔法陣が不十分な状態で発動する事になった。


「あ!!」

「「え??」」

「ローちゃん!!なんてタイミングで来たの!!あわあわあわ、どうしよう!!このまま転送されちゃう!!」


この時、ロキはここまでルシファーが慌てているのが気になった。


「ねぇルーちゃん、このまま行っちゃったらどうなるの?」

「えっと、記憶が欠落、最悪何も記憶がなくなります」


それを聞きワナワナし始めたロキと勇也は何か方法はないか考え、最終的にルシファーとロキの力によりこの空間にいた記憶が消えるという程度まで抑えることが恐らく出来る、という方法に辿り着いた。


「ごめんなさい、勇也さんあなたにこんなことをさせてしまって」

「気にしないで、記憶は無くなるけどこの空間の事だけだし可愛い人外っ子のお願いだもの。ここで引いたら男がすたるってね!」

「あの、あっちに行ってしばらくしたらまた会えると思うのでその時にまた説明します。また、初めましてからですが今度会ったらよろしくお願いしますね?」


ルシファーはそう言うと淡く光る手を勇也の胸元に当て


「あなたにはこの力を授けます、この力はあなたにこそ相応しいものです」


━━━プツン


そこで勇也の意識は途切れた。

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