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奇談 ー黒髪ー

作者: type0

高校を卒業して数年が経った頃、久し振りに仲の良いのが4人集まって盆休みに海へ泳ぎに行くことになりました。

最近は昔と違い気候もだいぶ変わっていますが、昔はお盆を過ぎると海にはクラゲが出て危なかったり、お盆の最中はあの世からのお迎えが来るときがあるから泳いではいけないとか、迷信がありました。


遊びに行く当日、天気は快晴、気温も暑く海水浴日和。

友人の車にみんな乗り込んで朝早くから海へ向かいました。

朝早くから家を出たものですから、まだお昼になっていませんがお腹が空いたので途中で定食屋さんへ入りました。


店に入って大きめのテーブル席に座り、メニューを見ながらどれを食べようか選びながら海に着いたら何をするかで話は盛り上がりました。

席に座ってしばらくすると、店の女の子がお水を持って来てくれました。

「いらっしゃいませ、御注文はお決まりでしょうか。」

そういいながらお水を一人一人目の前に置いてくれました。

お水を置いてくれると、女の子は注文を受け付けてくれました。

「ざる蕎麦5人分ですね」

私らみんな同じ物を注文すると女の子は確認してくれました。

しかし、私らは4人なので4人分の注文で訂正してもらいました。

するとテーブルにお水を5人分置いていたらしく、女の子が厨房へ戻る際にお水をテーブルから一つ持って行きました。

4人なのに5人と見間違えるのはおっちょこちょいな子、などといいながらざる蕎麦が来るのを待っていました。

でも、女の子がテーブルへ持って来てくれたざる蕎麦は5人分。

謝りながら1人分は厨房へ戻してましたが、ちょっと不思議でした。

よく怪談話とかは、1人多めに持って来てくれたりすることはよくある話でしたし。

車で移動中もそういった怪談話をしてました。


腹ごしらえを済ませてお盆休みということもあり道路は少し混んでいましたが、昼前には目的地の海水浴場へ到着しました。

まず、今晩泊まる旅館に車を停めて荷物を部屋に持って行き、海パンに早々に着替えて海水浴場へ行きました。

日本海の海に来たからか、人は少なく、海は澄んで綺麗で波は少し高めでした。

みんなで海の中ではしゃぎ周れば、陸よりかは早く疲れるもの。

一旦休憩しようとなり、岸に上がろうとしました。

しかしいつの間にやら波は結構高く、友人達はなんとか岸に上がることができましたが、私は波に飲み込まれて海岸に叩きつけられたり引潮とともに沖へ流されそうになったりしてました。

もともと泳ぎは得意で水泳で大学の推薦も取ったこともあったので、溺れることは微塵も考えていませんでした。

友人達も私が泳ぎが得意なのは知っていましたので笑いながら浜辺で見てました。


どれくらい時間が経ったのか、四つん這いになりながらなんとか岸に上がると友人達は笑うのを止めました。

「おい、お前の足に髪の毛ついてるで」

友人が指差す私の左足を見てみると、気持ち悪いくらいに髪の毛が絡まっていました。

私は波に足を浸けて髪の毛を取り友人達の方へ歩きました。

そして友人の肩を借りてみんなで海の家で休みました。

海の家で私が寝転がっている間に1人が飲み物を買いに行きました。

待っている間、起き上がり足を見てみると、左足はなんともなってはいませんでしたが、右足のふくらはぎには赤い手形がくっきりと付いていました。

その後、泳ぐのはちょっと気持ち悪かったので中止にして旅館に戻りました。


翌朝、広間の方へ朝食を食べに行ったら旅館の人から、昨日海水浴場近くの浜で溺れて亡くなった人がいるから注意するようにいわれました。


その日は午前中だけ泳いで、何事もなく無事に帰ってこれました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすい文章で、終りまでストレスなく読みとおせた。夏休みの雰囲気も出ていた。 [気になる点] 主人公が海でおぼれかけたさいに体験した怪異の話なのに、海に行く前に、食堂で一人分多く水や蕎麦…
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