イケ男君を誘惑しちゃえ
「あっ、くぅ、うっうぅ」
肌寒さすら感じる夜の森の中で圧し殺したようなロザリアさんの泣き声が響く。
「く……そ……。貴様……貴様ぁ!!」
そんなロザリアさんの姿を見ていたイケ男君が木に縛り付けられた体を滅茶苦茶に揺すって叫びを上げる。
「殺すっ!絶対にぶっ殺す!よくも……よくもロザリアをっ!」
破裂するんじゃないかと思うほど血管を浮き出してイケ男君が唾を飛ばしなら叫びまくっている。
「ちょっと、ファーレン。見張っといてって言ったよね?」
イケ男を縛り付けていた木の側にいる角を生やした悪魔の女、ファーレンに冷たい視線を向ける。
途端にビクッと体を震わせるファーレン。
「ひっ!ご、御主人様!申し訳……ありません。すぐに黙らせますので……その……」
ファーレンがモジモジと内股で体を動かしながら頭を下げてくる。
「お、お仕置きは勘弁して……くだ……さい」
よっぽど、最初の暴行が効いたのかファーレンは驚くほど従順な態度でぼくに媚びてくる。
「……んー。まあ、いいや。イケ男君もリアクション取ってくれた方が面白いし。あっ、そうだファーレン。昼間、ロザリアさんに蹴られてたよね?仕返し、したい?」
ニッコリと笑って提案すると、ファーレンが目をパアッと輝かせて身を乗り出した。
矛先が自分から外れたのがそんなに嬉しいのかな?
「は、はい!是非!是非ともっ!」
「じゃあ、こっちおいで」
手招きするとブルンブルン揺れる大きな胸を揺らしながらファーレンが寄ってきた。
ちなみに木に縛ったときからファーレンは、裸にされている。
そう言えばーー。
「お利口なファーレンは、裸なのに悪い娘のロザリアさんは服着てるね?これは、不公平だ」
いかんいかん、ぼくとしたことがうっかりしていた。
そう言ってぼくは、ロザリアさんの上半身を包む白い肌着とお漏らしで濡れちゃったスカートを破るように剥いでいく。
さすがハーフオーク。獣寄りの種族だから力が強い強い。
向こうの世界では、非力な文科系だったから、この特権は嬉しい。
「くうぅ……」
服と下着を全て剥ぎ取られたロザリアさんは、その大きな胸と尿で濡れた下半身を手で隠しながら横たわって泣き続けてきた。
「さあ、ファーレン。やっちゃいな」
「はいっ!では、遠慮なくーー」
ぼくの許可を得たファーレンは、ロザリアさんに向き直ると、さっきまでの媚びた表情を一変させて獰猛な笑みを浮かべると足を振り上げて勢いよくロザリアさんに叩き付けた。
「ははっ!どうよっ、メス豚っ!さっきは、よくもやってくれたわねっ!ああっイライラする!わたしの胸を……よくも!よくも!」
ドスドスと大きな音を立ててファーレンの足がロザリアさんの色白の胸を踏み潰していく。
陶磁器のように白かったロザリアさんの胸は、いたるところが赤く晴れ上がっていて場所によっては、青く痣になっている部分もあった。
「もう……もう、やめてくれ。頼む……これ以上、ロザリアを……」
木に縛られて黙って見ていたイケ男君が赤くなった目で涙を流してぼくに懇願してきた。
しかしーー。
「っ、ううぅ。ルミオ……わ、わたしは……大丈夫……だから。……な?泣かな……いで……くれ」
ファーレンに胸を踏まれて激痛に喘いでいたロザリアさんが弱々しく笑みを浮かべてイケ男君に微笑みかけていた。
「ろ、ロザリア……」
「あぁ?なに、余裕ぶっこいてんのよ、この豚がっ!」
ロザリアさんの微笑みに呆然とした表情を浮かべていたイケ男君など見向きもせずにファーレンは、さらに激しくロザリアさんを蹴り始めた。
だがーー。
「ほお?」
ぼくは、正直感心していた。
あんなに痛め付けられても、まだイケ男君を気遣うなんて。
やはり、愛の力は偉大だ。
ぼくは、愛と言うものを大きく評価している。
ぼくも皐月との強い愛の絆を求めたからだ。
…………でも、ぼくの想いは届かなかった。なのに、このイケ男君とロザリアさんは通じ合っている。
ぼくと皐月は、出来なかった……のに……。
「ちょっと……許せないなぁ」
だけど、これは暴力なんかじゃ壊せない。
愛は、暴力なんかに負けたりはしないのだ。
ぼくだって、何度もクラスの男子から調子に乗るなとか、皐月さんに近づくなとか言われて殴り回されたものだ。
そんな、ぼくだから言える。
暴力なんかじゃ愛は倒れない、と。
「おらっ!おらぁ!!」
「ガッ!?グッ、グボッ」
滅茶苦茶に蹴り回されたロザリアさんは、口から泡を吐き出して白目を剥いて意識を失ってしまった。
「なに、寝てんのよっ!」
そう言って再びロザリアさんを蹴ろうとするファーレンにぼくは、ストップをかける。
「ちょっと、ファーレン。ロザリアさんは、もういいからこっち来て」
「は、はい!御主人様っ!」
途端に狂暴な笑みを引っ込めて媚びるように近寄ってくるファーレン。
そんな、ファーレンのお尻を無遠慮に掴む。
「ひゃんっ!?ご、御主人様っ!?」
「ファーレンっていいスタイルしてるよね?」
ぼくは、ファーレンの柔らかいお尻を右手で揉みながら言う。
すると、ファーレンは顔を朱に染めてうつむいた。
「あ、ありがとう……ございます」
そんな、ファーレンにぼくは次の指示を出してやる。
「ねえ、ファーレン。あのイケ男君のことを誘惑してみてよ。イケ男君が喜ぶことを一杯してあげて?」
「えっ?あ、あの男にですか?」
どうやら、ぼくが何かすると思っていたみたいだ。
ーーまあ、ぼくは今も昔も皐月一筋だからあり得ないけどね。
「うん。あのイケ男君をファーレン無しじゃ生きていけない位に気持ちよくしてあげて。……ロザリアさんが起きるまでに」
すると、ファーレンは納得したように頷いた。
「ああ。そういうことですね。それなら、お任せください」
そう言って妖艶な笑みを浮かべてイケ男君に近寄っていくファーレン。
「よ、よせ!来るなっ!この……悪魔めっ!」
「あらあら、そんなツレないこと言わないでぇ?」
柔らかな胸と尻の肉を揺らしながら足を投げ出した状態で座っているイケ男君の下半身に股がるファーレン。
ファーレンの下半身は、クチュクチュと音を立てていて扇情的だ。
……現にイケ男君のズボンには立派なテントが張られている。やっぱり体は正直だね。
「さて、次目が覚めるときが楽しみだね……ロザリアさん」
全身を痛々しく赤く腫れ上がらせて横たわるロザリアさんを一瞥してから、再びファーレンとイケ男君の方に視線を戻す。
そこは、すでに濡れ場と化していてイケ男が弱々しくも抵抗しながらもファーレンの愛撫に悶えている姿があった。