*第二章* 近所の友達
最近近くに引っ越してきた男の子。
名前は、山岡 夏希(やまおか なつき)
話していると、同い年だと分かった。
「じゃあ、今日もお母さん仕事だ
から、賢くまっててね。」
「はーいっ!」
いつもなら、さみしいはずの
お母さんとのこの会話も、
今日は何だかさみしくない気がした。
お母さんはいつも通り仕事に行き、私は食べ終わった食器を片付けた。
そのときだった…
♪ピンポーン…ピンポーン…♪
「はぁーいっ!」
インターホンが鳴った。
私は急いでドアを開けた。
「お、おはよう!…今日も、一緒
に遊ばない…??」
目の前には昨日の男の子がいた。
「うん、いーよっ!」
わたしはとても嬉しかった。
ずっとずっと一人で遊ぶしかなかったのに、
やっと友達と遊ぶ事が出来たから。
私たちは近くの公園に向かった。
「ねぇ、何てよんだらいい?」
「んーっとねー、真美でいいよ
っ?」
「真美…ちゃんでいい??
僕は夏希でいーよ。」
「いーよー!夏希かぁ…じゃあ
夏くんだねっ♪」
「夏くん…??」
「そう、夏くん!」
「…そんな呼び方初めて…、
よろしくね」
「うん!!」
私と夏くんはその日から毎日
日がくれるまで遊んだ。
家を抜け出して公園に行くのは
お母さんには内緒にしてた。
心配かけたくなかったから。
公園にいかない、って選択肢も
あったんだけど…
それは、まだまだ子供だった
私には無理で、
楽しい事を我慢できる程大人では無かった。
それから、夏くんと遊んで一週間が経った頃、私は夏くんといる時間が何よりも楽しいと思っていた。
そして、ある日、いつもの様に
公園で遊んで、
帰ろうとした時、夏くんが私を呼び止めた。
「ねぇ、真美ちゃん…明日話した
い事があるんだけど…」
「うん、いーよ!」
「ありがと、じゃあまた明日ね!」
「うん。またね」
私は夏くんが何を言いたかったのか少し気にしたけど、
そこまで深く考えはしなかった。
まさかあんなことになるなんて思って無かったから…。