*第1章* 出会い
まだ自分の事しか考えられなくて
まだまだ1人では何も出来ない私の
ちょうど6歳の誕生日…
「じゃあ、真美ちゃんちゃんと留守番しててね?」
「はーい、お母さん…今日もお仕事?」
「そうよ、ちゃんと賢くしててね。真美はも う小学校なんだからね。」
「…はーい。」
そうしてこの日もお母さんは
朝早くから出て行った。
お母さんが家に帰って時の時間は
よくわからなかったけど、
外がもう暗くて静かだったから
まだ小さい私はだいぶ遅いと判断した。
「ただいまー!真美…もう寝てる?」
「…お母…さん??おかえ…りなさい。」
「あ、やっぱりねてたのね。ケーキと誕生日 プレゼント買って来たから明日開けなさい ね。」
「…あ、ありがとう。おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
私は寝ぼけていたけど、嬉しかったのは覚えてる。
同時に安心したのかもしれない。
…お母さんは今年も私の誕生日を
覚えててくれたんだね。って…。
時々お母さんは、あたしの事より
仕事の方が大事なのかなって思う。
…でもそれは絶対お母さんには
言えなかった。
「あたしと仕事、お母さんはどっちが、大切 ??」
私がもっと素直ならきっと今頃そう聞けてた
。
でも、私はそんなに素直じゃないから
そんな言葉は心の中で消えてった。
そして、その次の日の事だった、
私の毎日が変わったのは…
「真美、起きて、お母さん今日も仕事だから 適当にご飯食べてね。春休みだからっていつまでも寝てちゃダメよ??」
「はーい…いってらっしゃい…。」
私は、布団からでて
用意された卵焼きと、
昨日の残りのお味噌汁を温めて、
炊飯器の中のご飯をよそって食べた。
今日も、お母さんは仕事か…
でも、今日はいつも程さみさしく
なかった…
私は急いでご飯をたべて、
服を着替えた。
…そう、昨日お母さんが買ってきてくれた誕生日プレゼントがあるから。
私は赤いリボンを外し、
袋の中からプレゼントを取り出した…。
「あー!これ、あたしが欲しかったやつだぁー」
なかには、ずっと欲しかった
クマとウサギのぬいぐるみが
入っていた。
私はプレゼントを貰ったのも嬉しかったけど、
なにより、お母さんが私の欲しいものを知っててくれたのが
すごく嬉しかった。
私は急いで外にでて、
さっそく人形であそんだ。
「クマくん、鬼ごっこしよー
よ?いーよー、じゃあウサギさ
んが鬼ねー?えー?そこはジャンケンしよ…」
コロコロ…
「ん…、ボール…??」
道からサッカーボールが
転がってきた。
「おーい、ごめんなさいー。
僕のサッカーボール入って…
あ!それだっ!ありがとう♪」
「え…?あ、これ…家に入ってき
たんだぁ…。遊んでたの??」
「うん、練習してたんだー。」
「そっか、一人で?」
「うん、僕引っ越してきたとこ
で、まだ友達いないんだぁ。」
「じゃあ、友達になろうよ!」
「えっ、いーの??」
「うんっ!!いーよ♪よろしくね」
初めてできた、友達だった。
私の家の近くにはあんまり子供は住んでなかったから。
「私ね、真美っていうんだぁ、
君はなんてゆうの??」
「僕は……」
…これが、私とあいつの出会いだったんだ…