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吸血鬼×人間  作者: 緑輝
第一章
2/3

(2)

「えーっとね~。」

レルマの部屋からまっすぐ行くと、行き止まり。

「ここのレバーを引くと…」

壁から突き出た木のレバーをリオンが引く。

ガコッという鈍い音が響く。

すると、天井から階段が…

「この食堂ね、高さが高いんだ。

だから地下合わせると四階だてになってるんだ。

ローズさんと僕は三階。

レルマさんは一階のに住んでるんだよ。」

ノエルに説明しながら階段を登って行くリオン。

ノエルは無言でリオンの後に続く。

「二階は物置とかにもなってたり。

一階は食堂になっててね、軍人さんがよく来るんだよ。

食堂の奥に厨房、レルマさんの部屋があって…地下に食料とか置いてあるんだ。

四階は屋根裏部屋になってる。

……ここが僕の部屋。」

赤色の扉を通り過ぎ、青色の扉を指す。

「結構狭いんだ。ごめんね?

僕、床で寝るからゆっくり休んで。」

部屋にはベット、本棚、クローゼット、机が置いてあった。

「……」

無言でノエルは頷く。

やはり、人間であるリオンへの警戒心は強いようだ。

それもそのはず、人間の男に犯されたのだから。

吸血鬼は仲間を大切にする意識が高い。

だから吸血鬼の血が入っているローズには特別警戒心を抱かないのだ。

ローズには助けて貰ったからもあり、仲間の血も入っているというのもあり、信頼しているのだろう。

「じゃあゆっくりしててね。

鍵、かけとくからね。」

ベットに横になるノエルに声をかけ、リオンは下へとおりていった。

そして、ノエルは深い眠りについた……


ノエルは夢をみた

それは一週間前のこと

妹と母親と久々に人間の国のそばの野原に

花を摘みにいった

その帰りに

人間の吸血鬼狩にあったのだ

妹と母親とは離れ離れになり

暗い部屋で犯されて

逃げ出したけれど

路地裏でまた犯されて

そしてやっと

救いの手がーーーー


「……ん!…エ…くん…!…ノエルくん!」

「……ん…(嫌な夢を見た)」

ノエルが起きるといい匂いがしていた。

リオンの手にはスープとパン、赤ワインが。

「はい、お腹空いてるでしょ?

あっ!赤ワインに動物の血を混ぜといたってローズさんいってたよ。

血の代わりになるんだよね。」

「……ぁりがと」

小さな声でお礼を言うと、リオンの手からスープ等を受け取った。

「(確かに…お腹減ってるや…)」

スープを一口飲む。

「美味し…」

体の底から温まるような温もりと、トマトの甘い味が口いっぱいに広がる。

「でしょ?

レルマさんの料理は絶品なんだよ♪」

にこにこ笑いながら言うリオン。

ノエルは今度はパンを口にしてみた。

「…ふわふわ…」

弾力があり、もっちりとしたパンだった。

ーーノエルはあっという間にペロリと平らげた。

「美味しかった?」

皿を片付けながら聞くリオン。

「……ん。」

こくっと頷くノエル。

「よかった……

よしっ。もう寝る?」

「……ん」

またこくっと頷くノエル。

「わかった…じゃあお休み。」

それだけ言うと、部屋から出て下へ降りて行くリオン。

「……」

ノエルはふっとめをとじ、また深い眠りについていった…ー




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