5
そう、俺の両親は”竜”と呼ばれている存在だ。
母親は長生きの種だが、父は比較的短命の種族で 俺が産まれてしばらくした後に亡くなったそうだ。
俺はその母竜一匹に育てられた。
母は竜の中でも聡明で、まだあまりキメラの存在が何かわかっていない時代の世界(今もだが)で
俺を知るため、キメラについて調べるために、この施設を作った。
施設には様々なキメラやその親たちが集まり、助け合って巨大化していった。
今では、キメラに関する総合施設になっている。
自分で言うのもなんだが、母竜は偉大な存在だ、
様々な言語を理解し、唯一魔法を使える者。
なので、様々な権力者や、種族の長たちが母に意見を求めに来る。
俺はそんな母にある手伝いを任されている。
手伝いといっても、いろいろな所へ偵察しに行くことだけだったりする。
やはり竜でも息子には甘いのか?と笑われることがたまにあるが、
「キメラであることを一番巧く隠せることができるのはコウ、お前しかいないよ」
と母に言われたのだから、むしろこの手伝いを俺は誇りに思っている。
キメラであることを隠しながら、各地のキメラ、その周りの住民の様子を調べるのが俺の役目だ。
今日は、キメラハンターを見つけたこと、ロウという珍しいオオカミに出会えたこと を母に伝えに来たが
少し、施設の雰囲気がおかしいような気がした。
施設に入ると、やはり、皆の様子がおかしい。
「なんか、みんな不安そうだねー、心配事でもあるのかなー?」
とロウがつぶやく。
「・・・」俺は黙っていた。
すると、施設で働いているキメラが俺に気がついて、急ぎ足でこっちに来た。
そして、こう言ったのだ。
「大変だ!母竜が居なくなったんだ!、コウは何か知っているか?」




