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第十五節

 だいぶ空が暗くなってきた。

太陽が見えないので、携帯の電源を入れて時間を逆算してみる。

どうやら、ここの一日は24時間らしい。

本当は若干違うのかもしれないが、

一日一度だけ電源を入れる携帯の時計とズレは感じない。

まぁ余計な計算をしなくて良いのは、とても助かってはいるのだが……

逆算すると、今は夕方の4時頃だろう。

雨のお陰で、夜は相当に冷え込む。

火を絶やせば、凍死するかもしれないレベルだ。

これほどまでに気温差があると、本当に困る。

夜中から朝方に掛けては、危なくて寝ていられない現状である。

今のうちに寝ておこう……




 何か聞こえた……

すでに外は暗いが、火は順調に燃えている。

雨は、まだ降り続いている。

しかし私が聞いたのは、それ等の音では無い。

まさか、何か居るのか?

身体を動かさずに、静かに辺りの様子を伺う。

その時、左の方で何かが動いた。

あれは、何だ?

洞窟の奥に居るようで、暗くて良く判らないが高さは無さそうだ。

いや、むしろ低すぎる……

ゆっくりと火の付いた薪を手に取り、奥を照らす。

居た……あれは蛇だ。それも、かなりデカイぞ……

どうやら、ここが暖かいと思って紛れ込んだのだろう。

基本的に出入り自由なので文句も言えないが、少なくとも歓迎は出来ない。

これは、参ったな……

本当に蛇が侵入して来るとは思わなかった……

幸いな事に、まだ私には気付いていないようだ。

しかし、いつ威嚇体制に入るか判らない。

本気になった蛇の動きは、驚くほどに速いのだ。

少なくとも、コイツと真っ向勝負はしたくない。

静かなうちに捕獲しなければ、私の身が危ない。

コイツが毒蛇だとしたら、それこそ死亡コースだ。

竹で作った道具を手に持ち、静かに後ろに回りこむ。

気付かれないように、先の輪を首にかけた瞬間に

紐を思い切り引っ張った。

蛇が強烈に暴れだし、竹に纏わり付いてくる。

うぉ~、気持ち悪~……そして重い……

左手で紐を維持しながら、右手に石斧を構えた。

恨みは無い! すまん……

一気に首を切り落とすと、胴体がビタンビタンと暴れている。

さらに、気持ち悪~……

すでに即死状態のはずなのだが、体が自然に反応しているようだ。

その姿は、相当におぞましい……

やがて静かになった胴体を外にぶら下げて、首は見えない所に置いた。

一日も置けば、血も抜けるだろう。

蛇は気持ち悪いが、意外に美味いと聞いている。

これで、数日は食料に困る事は無いだろう。

この雨の中、おもわぬ食料が手に入ったものだ。













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