蝋燭
揺らめく度に、
姿を変える
細密に描かれた
何かが
山の上のお社で
肩を並べながら
愛おしい
ものだろう
当たり前な
ものだろう
揺らめく度に、
伝えている
風だけでははかれない
何かを
海を眺めながら
灯っている
愚かしき
ものだろう
身勝手な
ものだろう
視えない何かを
映しているのに
気づかない
気づけない
揺らめく度に、
小さく嗤う
いつになったら
気づくのか
山の上のお社で
海を眺めながら
いつまでも
解らないのか
そうして
またひとつ、灯って嗤う
またひとつ、揺れて嗤う