表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

またいつか一緒に【第一話】

作者: 聖魔光闇

今回は、設定事項を用意しました。以下の内容に添って、執筆お願いいたします。



リレー小説(第二弾)設定・注意事項


 ★全40話

 ★一話2000文字以上

 ★登場人物数制限なし

 ★ファンタジー要素無し

 ★SF要素無し

 ★地の文は主人公視点

 ★重複執筆可

 ★ジャンルはその他

 ★執筆予約制廃止(予約を入れてくださる著者様を拒みはしませんが、ある程度の執筆予約が入ってからの執筆開始はしません。執筆予約を入れられた著者様に関しては、活動報告に掲示させていただきます)

 ★執筆著者様は、執筆前にご連絡ください

 ★執筆投稿後、必ず御一報ください

 ★あらすじは、前話までの要約を明記

 ★全ての物語を聖魔光闇がお気に入り登録します

 ★後書きに執筆著者様募集広告を添付



  よろしくお願いいたします。


 その事件は高校生活最後の旅行。そう卒業旅行の帰りに起こった。

 僕は友達四人と、小学生の頃に修学旅行で行った伊勢まで、卒業旅行に出掛けた。伊勢神宮や鳥羽水族館、志摩スペイン村で有意義に遊んだ僕達は、帰り和気あいあいと電車を乗り継いで、帰宅していた。そうあの時までは、何も変わらない平和な生活だったんだ。


「なぁ、智哉。タバコないか?」

 僕に話掛けてきたのは、北口きたぐち まさる僕の一番の親友だ。

「お前、今日の旅行できっぱりタバコは止めるって断言してただろ!」

「そんな事言うなよ。禁断症状で気が狂いそうなんだよ」

「おいおい、優。そんな事言ってたら、一生禁煙なんてできねぇぞ」

 優に説教じみた事を言って呆れているのが、クラスの秀才、山中やまなか 勝俊かつとし

「そんな事言ったってよぉ! 勝俊、テメェタバコを知らねぇから、そんな悠長なこと言えんだよ! なぁ智哉、タバコ分けてくれよ」

 僕の名は霧島きりしま 智哉ともや。こいつらのまとめ役みたいなものだ。

「悪ぃな、優。俺は本当に今回の旅行でタバコとはおさらばしたんだよ! その証拠に、ほら! タバコ、全て旅館に置いてきた」

 僕は、かばんの中身とポケットの中身を隅々まで優に見せてやった。

「くそぉ! 裏切り者がぁ!」

 今にもキレそうな優の肩に、ポンと手を置き、

「まあ、諦めろや。良い機会じゃねぇか」

 そう言って、澄ました顔で電車を待つのは、クールでポーカーフェイス。ニックネームが【能面】の異名をもつ只野ただの 三日月みかづき

「三日月。お前タバコ持ってないか?」

 優も相当諦めがわるい。周りの友達に掴み掛かっては、タバコを要求している。

「優! うるさい!」

 タバコタバコとうるさい優に突然キレたのが、口梨くちなし 来栖くるす。コイツは、状況判断及び、旅行プランの発案者で、僕達のある意味引率者だ。

「タバコぉ……。タバコねぇのかよ!」

 優が悲痛な声で訴えを続けていると、電車がやってきた。

「よし! 帰るか!」

 優の悲痛な叫びを余所に、来栖の掛け声と同時に、僕達はプラットフォームで電車の到着を待つ。

 そんな時だった。一人の酔っ払いのオッサンが、僕達の背後に立ち、フラフラした足取りで電車を待っているようだった。

 僕達は、話に夢中でそんなオッサンの事など気にしていなかったのだが、突然オッサンがよろけたと思うと、僕の背中に倒れ込んできた。

「オッサン何すんだよ!」

 と振り向き様に叫んだが、その刹那、僕はプラットフォームに入ってきた電車に右半身がぶつかり、燃えるような痛みが全身を駆け巡った。

「智哉大丈夫か!?」

 駆け寄ってきた優が突然足を止めた。

「なんだよ優!」

 右半身の激痛に耐えながら、優に近付くと

「ひぃ!」

 と声をあげて、優は尻餅をついたと思うと、そのまま後退りした。

 周りを見渡すと、勝俊も能面も青ざめた顔で僕の方を見詰め微動だにしない。

 激痛の走る右半身に手をやると、僕自身気を失いそうになった。

『無い! ぼ、僕の……。無いぃぃ!!』

 僕の右腕は、電車との衝突により、粉砕し無くなっていたのだった。

「うわぁぁぁぁ!」

 僕は半狂乱の中、友人に助けを求めた。しかし、恐怖におののき、理性を失った友人達は、微動だにしなかった。そして僕は、そのまま出血多量の為か意識を失った。


 気が付いたのは、真っ白な壁と天井に囲まれた窓もない個室の中だった。

 何が起こったのか把握出来ないでいると、白衣をまとった医師らしき人物と、その傍らには、これまた白衣に身を包んだ看護師が立っていた。

「ようやく気が付いたようだね。君は、自殺未遂で走ってくる電車に身を投げ出し、運が良かったのか悪かったのか、一命を取り留めたのだよ」

『自殺未遂?』

 話の内容に違和感を覚えたが、そこまで聞いて、あのプラットフォームでの出来事を思いだした。酔っ払いのオッサンが僕に体当たりをしてきて、僕は電車に接触したのだ。

「ぼ、僕は何故ここに……」

 やっとの思いで口にした言葉はそれ以外になかった。

「君は、君の友人と名乗る少年達にかつがれてここにきたのだよ」

「優・来栖・勝俊・能面。ありがとう。……いや、自殺未遂って何だ?」

 そう思ってベッドから降りようとしたが、上手く力が入らない。何とかベッドの端に辿り着き、立ち上がろうとした瞬間だった。

『ひ、膝に力が入らない……』

 僕は、ベッドから滑り落ちると、そのまま床に倒れ込んだ。

「あぁ。言い忘れていたが、君は両下肢の不随状態を引き起こしていてね、立つ事どころか、歩く事すら今後出来ないよ」

 医師は、僕の精神状態など知らないかの如く、淡々と説明をしていく。

 言葉の意味を理解するのに、数分の時間を要したが、避けようのない現実に直面し、僕は大声で叫び続けていた。

「うわぁぁぁぁ!! どうなってしまうんだよ僕の人生! こんな事なら一層の事殺してくれ!」

 涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにして、叫び続けた。声が枯れ、喉が張り裂けそうになっても、僕は叫ばずにはいられなかった。立つ事も歩く事も出来ず、右腕を失った僕に、もう生きる希望など存在しなかった。

 そして、平和な日常から切り離された僕は、絶望感に支配された生活を送る事を余儀なくされたのだった。


 数日後、優と来栖・勝俊・三日月が見舞にやってきた。アイツ等は

「ごめん」

「あの時は、気が動転してて」

「早く治して、卒業式にでろよ」

 と勝手な事を言って、一輪の薔薇を花瓶にさしていった。

 僕は、友人達が帰ると、さしたばかりの薔薇をごみ箱にほうり込むと、電車に突き出したオッサンよりも、友達甲斐のない友人達に理不尽な恨みを感じていた。

『あの時、誰一人として助けてくれようとしなかった。アイツ等をいつか見返してやる!』

 僕の頭の中には、酔っ払いのオッサンへの恨みではなく、自分を見捨てた友人への恨みで溢れかえっていた。

『必ず復讐してやる! 必ず見返してやるんだ!』

 怒りの矛先が間違いである事も気付かずに、長い時間を経過した後、僕は車椅子で移動する手段を覚え、卒業旅行で一緒だった四人への復讐に心を燃やしていた。

『絶対殺してやる! 俺と同じ苦しみをあじあわせてやる!』

 そんな思いの中、僕は優・来栖、勝俊、三日月への復讐プランを練り続けていた。

 その時既に、卒業式は終わり、僕の手元には、母の持ってきた卒業証書が一枚と、卒業アルバムが一冊あるだけだった。





これはリレー小説です。


リレー小説とは、複数の著者様による合同執筆(合作)の事をいいます。


前回同様、執筆して頂ける著者様は、事前にご一報、そして投稿後にご一報ください。


よろしくお願いいたします。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] こんばんは、リレー小説言うんですか。頭悪いんで、仕組みが分りませんでした。すんません。リライトやゴースト、遊軍は、聞屋ですから、良くやりましたが、こんなんは、初めてです。楽しみが増えました。…
[一言] 日下部先生の第二話から来ました。どんな一話だったのかと思いまして。 すごいですね。これなら復讐する気持ちも出てくるかもしれません。 皆さんがどのように続くのか楽しみです。
2011/05/13 14:36 退会済み
管理
[一言] なかなかダークにし甲斐のあるオープニングで、腕が鳴りますね☆ じゃ、今回は暗黒ドロドロ裏社会系で行きましょう。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ