第七十一話
すみません! 9/6に70話の内容をすっ飛ばして71話の内容を投稿してしまったため、混乱を招いてしまいました!
こちらが、正しい順序です!
黒槍艦隊の艦長ジャックから通信が入った。黒槍艦隊が突如ワープアウトして攻撃をしてくれたことで、戦況を変える事が出来たので、直美としてもお礼が言いたかったのだ。
「ほーお、フェルマント侯爵閣下から若いとは聞いたが、これは驚いたな。あ、いや失礼した。私は黒槍艦隊を率いているジャック・フォン・ドゥランと言います。ペルセウス流で伯爵をしておりましたが、この度、連邦に加盟……はあぁ?」
ジャック艦長は自己紹介の途中で突然、変な声を上げた。
直美は通信状態が悪いのかとシノの方を見ると、何故かシノがニヤニヤしている。
何だか事情が分からず、後ろに座っているセレナの方を見ようとすると、いつの間にかバロックが直美の後に立っていた。
通常、バロックの席は直美の前なので、わざわざこっちに来たのだろう。
「親父、ゴタゴタと話が長いよ。戦闘中なんだから、短めにしてくれ。直美艦長も忙しんだからよ」
「な、何でお前が、そこにいるんだ? お前、アビスはどうした?」
「良いんだよ。そんな話は後でよ。とにかく、今は、この直美艦長のグリムリーパーに乗せてもらってる。それとシノやリム=ザップ、エルザもこっちだ。それ以外のメンバーはグレムリンという揚陸艦に乗ってるからよ。そんな事よりも、ここにはセレナ殿下が乗っているんだから、しっかりと護衛してくれよ」
「おう。殿下の事は、さきほどフェルマント侯爵閣下……いや、フェルマント代表から聞いた。ただ、えーっとだな。そうだな。とにかく、直美艦長、よろしくな」
何だか内容があるような、無いような会話となってしまったが、通信は終了してしまった。
とにかく直美にとっては、バロックの父親までもが参戦したという事だけ理解できたし、そもそも味方なら、何も問題は無い。
「バロック、お父さんなら、そうと言っておいてよ。びっくりしたじゃない」
「えぇ、前にセレナ様と初めて会った時に言ったけどな。ペルセウス方面軍の黒ひげのジャックの話」
「あぁ、そう言えば、そんな話してたね。完全に忘れてたわ。そうか、そうか。それじゃ、親子の感動の対面のためにも頑張らないとね」
「へい、へい。感動か分かんねーけど。とにかく、奴らを何とかしないとな。まさか亜空間魚雷四発くらって、ピンピンしてるとは思わなかったぜ」
「オオサカ、何か手はある?」
「そやな、正直言って予想外や。四発も喰らえば、せめて沈まんでも、ある程度ダメージが入るやろうから、後はひたすら撃ち込めばエエと思ってたからな。ほんまに丈夫に出来とるわ」
「もう、ぶつける小惑星は無い?」
「そんな、都合良くあるかいな。かといって、こいつら連れてデブリ帯まで行くのも大変やしな。そもそも同じ手に掛るとは思われへんしな」
直美たちが作戦を考えている間に、皇族軍側も巡洋艦などの装甲の弱い艦を内部に取り込んで、戦艦や重巡など装甲の硬い艦を外側に配置した円陣に組み直して防御を固めてしまったようだ。
黒槍艦隊も果敢に皇族軍に攻め入っていたが、外側を守る戦艦や重巡の火力によって突撃を阻止しているようだった。
「おお、隊形が変わったんか。これは敵さん、ヘタこいたな。大型艦が魚雷で狙い放題やんか! 艦長はん、チャンスや、このまま、いってまえ!」
「うん。亜空間魚雷六発用意。バロックは牽制射撃をしておいて、カシアも同じく牽制でよろしく」
「「おう(はい)」」バロックとカシアの声が揃った。
「オオサカ、皇族軍と公爵軍がややこしいので、ひっくるめて新しく番号にふり直してよー」
「そやな、皇族軍の巡洋艦六と公爵軍の巡洋艦六もおるからな、ややこしいな。よっしゃ、これでエエやろ」
そう言うと、皇族軍と公爵軍を一個艦隊と見なして、新たに番号を振り直してくれた。
「うんうん。見やすくなったよ。えっと、超大型戦艦一隻と戦艦は五隻、重巡が三隻、巡洋艦も五隻か、何だか歪な構成になったね。それも、私たちが周りの巡洋艦とかを狙ったからだろうけどね。まあ良いや、とにかく、突撃!」
直美はグリムリーパーを皇族軍に対して反時計回りに攻撃を仕掛けることにした。目の前には重巡三が居るが、これはバロックたちに任せて、その横に居る戦艦五に亜空間魚雷二発を撃ち込む。
重巡三はグリムリーパーの一斉射撃を受けて撃沈し、更にその後ろにいた巡洋艦三はグレムリンからの一斉射撃を受けて撃沈していった。そして、亜空間魚雷二発を受けた戦艦五も撃沈する。
「艦長、黒槍艦隊が戦艦四を撃沈しました!」
「強いね。重巡四隻と戦艦一隻が居ると言っても、戦艦をこんなに早く落とせるなんて」
直美がシノの声に答える。
「まあな。黒槍艦隊は、その名の通りで突破力に優れているんだよ。一点集中で敵陣を突破していく戦術が得意なんだ。だからといっても、デカブツ相手に突撃はしないだろうけどな」
バロックの声は、何処か誇らしげに聞こえた。直美は、それでもバロックが黒槍艦隊を抜けたのは何か理由があるのだろうと思ったが、それを聞くのは、今では無いし、そもそも聞き出すことでも無いかと思った。
「よーし、このまま、重巡一に砲撃! 亜空間魚雷二発用意、目標は戦艦一!」
直美は、グリムリーパー目掛けて飛んでくる砲撃を避けれるものは避けて、防御シールドで防ぐものは防ぎながら進んでいく、現状だと射線的には巡洋艦しか居ないので、飛んでくる砲撃も大したことは無い。
しかし、重巡一、戦艦一の射線に入ると砲撃は激しさを増した。巡洋艦二隻と重巡、戦艦、更にはデカブツからの砲撃まで飛んでくる。
「うわー、周りを削らないと魚雷が当てにくいけど、削るとデカブツからの砲撃が来るようになるから厄介だね」
「敵さんは、せっかく大型艦を円陣の外に置いてくれてるけど、密集しとるからデカブツまで時間差攻撃で突破するっちゅう手は使えんな。やっぱ地道に周り削らんとしゃあないわ」
「だぁぁ、砲撃が厳しい。戦艦と大型戦艦の砲撃を同時に受けたら、耐えきれる自信は無いしな」
「直美艦長! カシアです。砲撃がキツイので、グリムリーパーの陰に入らせてもらいます!」
直美とオオサカが話している間にカシアの方に向かう砲撃も厳しさを増して、揚陸艦の防御力をしても耐えれなくなったようだ。
直美はカシアにグリムリーパーの右舷に回るように指示を出して、グリムリーパーが盾となって砲撃を凌ぐ体制となった。
「今だ! 魚雷発射! バロックとカシアは出来るだけ重巡一に砲撃!」「艦長! 対艦ミサイル六発来ます!」
グリムリーパーの艦体も敵からの砲撃に耐えるが、それに追加する形でシノからミサイルの報告が入る。
「これは耐えきれない。カシア、ミサイル迎撃に集中して! 一旦離脱するよ!」
直美は魚雷は発射したものの、これ以上は耐えきれないと判断して一旦、ミサイルを引き連れながら離脱する。
「けど、そろそろ、敵もミサイルは打ち止めちゃうかな。もともとも公爵軍だった方は、それなりに使ってるから残数も無いはずや。まあ、ウチも対艦ミサイルは残数があまりないけどな」
「艦長! 戦艦一と二が突撃してきます! 魚雷、躱されて、そのままロストします」
「うぉっと! 戦艦二は黒槍艦隊とやり合ってくれてたら良いのに、何でこっちに来るのよ! オオサカ、チャフミサイル用意できる? 出来たら戦艦二に向けて撃ち込んで! カシアはチャフをバラまきながら離脱して」
素早く、オオサカがチャフミサイルを戦艦二に向かって撃つ。
直美は戦艦二に突撃するように操縦桿を捻った。
「ええい! ミサイルはこっちに付いて来てよー。ちゃんとお返ししないとね」
突出してきた戦艦二がチャフミサイルを迎撃すると、爆発と共にチャフが戦艦二を覆う様に展開された。
帝国側も直美がチャフを搭載したミサイルを使う事は分かってはいるが、果たして飛んで来たミサイルが、チャフなのか本物なのか区別がつかない以上は迎撃するしかない。
「バロック、副砲と主砲で戦艦二に攻撃しておいてね。このまま突撃するよ」
戦艦二の突出は、焦りはしたが結果的には良い形となった。デカブツからの射線から隠れる形となり、砲撃が少し弱まったのだ。
それでも戦艦一と二からの砲撃は来るが、気にしている場合では無い。背後からはミサイル群が迫っている。直美は、ミサイル群を引き連れて皇族軍に突撃を開始した。
「オオサカ、近距離魚雷でデカブツに六発用意!」
「おいおい。マジかよ。砲撃の真っただ中に突っ込むのか」
「対艦ミサイルも味方にして突っ込まないと勝てない! 戦艦二は何とか砲撃で潰して! 戦艦一、二を抜ければデカブツだから」




