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第六十九話

三日間、お休み頂きありがとうございます!

本日から連載を再開します。


直美はモニターに映し出された皇族軍の艦隊を睨みつけるように見つめていた。


「ふむむ、三列縦隊か。先頭列は重巡を真ん中に巡洋艦二隻が左右を固めて、二列目は戦艦を中心に左右を巡洋艦、三列目はデカブツを中心に左右に戦艦、殿は巡洋艦を中心に重巡が左右か……」


皇族軍は重厚な艦隊構成のままグリムリーパーを目掛けて向かって来ている。奇抜さも無ければ、陣としても攻撃型とも言えず、かといって防御に特化しているわけでも無い。それだけに攻めづらさを感じていた。


「このままにらみ合いしてもしゃーないから、とにかく周りを削るしかないで」


「そうだね。それじゃ巡洋艦から剥がしていこう。ところでオオサカ、魚雷はまだ有るの?」


「おう、いっぱい作っておいたから大丈夫やけど、そやな、人手もあることやし、今のうちに、工房から弾薬庫まで運んでもろとこかな。艦長はん、リム=ザップはん借りてもエエか?」


「うん、良いよ。リム=ザップお願いね」


直美はリム=ザップに運搬作業をお願いすると、再びモニターに目を戻した。


「バロック、巡洋艦から削って行くよ。敵の左舷側を通り抜けて行くから、主砲の連射でお願いね」


直美はそう言うと皇族軍の射程距離内に入って行った。


「防御シールド、前面に展開」


直美が言い終わるや否や、前衛を務めている重巡一、巡洋艦九の主砲が届きだした。


「気の早いやっちゃな。そんなに焦らんでも逃げへんのになー」


直美が操縦桿を倒し、反時計回りに皇族軍に近づいていくと、敵からの砲撃は激しさを増した。

防御シールドと直美の操縦テクニックで砲撃を受け流しながら近づくが、相対角が九十度に近づくと戦艦からの砲撃も届くようになった。


「シールドを左舷に。うわわ、ちょっと巡洋艦二隻と戦艦一隻、更に重巡も撃って来たか。ちょっと面倒だな」


皇族軍も一斉射撃では無く各主砲の交互撃ちで撃ち込んでくる。そのため、シールドに到達するタイミングもバラバラになり、直美としても、受け流すタイミングが取れなくなってきた。


「うわー、いやらしい戦い方をするね。しかも密集したままだから魚雷の射線も取れないし、うーむ。これは、しんどい」


「艦長! 公爵軍もこっちに向かって来るみたいですよ」


シノの声を聞いて、直美もモニターを広域で見ると確かに、公爵軍の生き残りたちも皇族軍に合流するのか向かって来ているのが分かる。


「げぇ、マジかよ。せっかく減らしたのに、また増えやがった」


バロックがゲンナリした声をあげる。公爵軍は旗艦こそ失ってはいるが、それでも戦艦四隻、重巡五隻、巡洋四隻、駆逐一隻の合計十四隻もいるのだ。数だけで言えば皇族軍の大差無い。


「まあ、やることは変わらないよ。ただ後ろを取られないように動き回るしかないかな。とにかく、前の皇族を叩くよ。バロック、左舷側の巡洋艦二隻を狙ってね。オオサカ、チャフミサイル二発用意と亜空間魚雷を二発用意。チャフはデカブツを狙って。魚雷は戦艦三だよ。それじゃ、突撃開始!」


そう言うと、直美は宣言通り皇族軍の左側に突撃するように艦を進めて行く。そして速度に緩急を付けて、敵の照準を出来るだけズラしにかかるが、皇族軍はそれでも、グリムリーパーを正確に狙ってくる。


皇族軍巡洋艦三、九の横に並んだところで、バロックが主砲の交互撃ちを開始する。


バロックの放つ主砲が巡洋艦九に命中すると、巡洋艦の防御シールドが真っ赤に染まりながら、赤い糸を引くように粒子砲を散らしていく。

しかし、それも一発なら耐える事が出来たが、続けざまに二発目が命中すると、防御シールドは防ぎきれずに艦体に赤い光が突き刺さる。


「次、巡洋艦三!」バロックは巡洋艦九に突き刺さった主砲が有効打を与えたと判断して、すぐさま次の艦へと標準を切り替えて行く。


「オオサカ! チャフ発射! 続けて戦艦三に亜空間魚雷二発、発射!」


直美も負けずと戦艦に攻撃を加える。


「後方より対艦ミサイル十発!? 公爵軍からです!」


「バロック、一旦逃げるよ! 防御シールド天上に展開! 皇族軍の腹下を通る! オオサカ、どさくさ紛れに撃てたら対艦ミサイルを皇族軍に向けて打ちあげておいて」


直美は、操縦桿を前に倒し、速度を上げながら皇族軍の腹下を目指す。その後ろからは対艦ミサイルの群れがグリムリーパー目掛けて追って来る。

皇族軍の艦隊は密集隊形を取っているので、隙間を通り抜ける事も出来ない。


「ええい! 付いて来るなぁぁ!」


直美は叫びながらも皇族軍の腹下に潜り込んでいく。皇族軍からも腹下に向けて主砲が放たれる。上下反対に構えている艦からの砲撃だ。

戦艦一、重巡五、六からの砲撃がグリムリーパーを天上方向から叩き落とすよう降り注ぐ。

グリムリーパーの天上方向に展開した防御シールドが赤く染まる。

直美も、敵の砲撃を受け流す余裕も無く、速度優先で駆け抜ける。出来る事なら、皇族軍にミサイル群をバトンタッチしたいところだが、こうも密集されていては、迂闊に近づくだけで集中砲火を浴びてしまう。


「バロック、第四主砲でなるべくミサイルを撃ち落として!」


「やっちゃいるけど、数が多いし、奴ら、ちょこまかと避けやがる!!」


バロックが叫び替えしながらも手は必死に動かしている。


「艦長はん、アカンわ、ミサイルは発射せん方がエエ。この状態やと打ちあげた途端、敵の主砲で誘爆するわ」


オオサカから、どさくさ紛れのミサイル攻撃は出来ないと言われてしまった。


「誘爆か…オオサカ、亜空間魚雷を後ろに置き魚雷! 出来るならやって。グリムリーパーと敵ミサイルの間ぐらい」


「なるほど、それで後ろの対艦ミサイルを誘爆させるんやな。よっしゃ、二発置いたるわ。亜空間からは、ちょっとだけで出るようにセットして。これなら、対艦ミサイルと違って発射した途端、砲撃に晒されへんから何とかなるわ。ほな、暫く真っすぐ飛んでミサイルたちを行儀よく並ばしてなー」


直美はオオサカに言われた通り、グリムリーパーを真っすぐに飛ばす。しかし、それはそれで、皇族軍からすると、格好の的となる。

直美は防御シールドに魔力を多く回して砲撃に耐える。


亜空間魚雷を発射した軽い振動が直美に安心感を与える。今の直美にとっては、全幅の信頼を寄せている、この亜空間魚雷が切り札でもあり、お守りでもあった。


「命中してよー!」


「艦長! ミサイル群、全てレーダーから消えました!!」


シノから弾んだ声が聞こえてきたので、直美もホッと胸をなでおろした。何とか挟撃も免れた。


皇族軍の艦隊から抜け出すと、改めて戦況の確認を行った。その結果、先ほどバロックが命中させた巡洋艦九は撃沈していた。そして、亜空間魚雷で攻撃した戦艦三も撃沈していた。

皇族軍と公爵軍が合流して、合計二十四隻が依然としてグリムリーパーを狙ってくる。


「うわー合流したら益々デカブツまで遠くなった! さっきまでは後ろからの攻撃が通り易そうだったのに、後ろにも戦艦が入って来ちゃった。また振り出しに戻った感じだよ。これ、どうすりゃ良いのよ」


と、直美は艦長席で頭を抱えた。

元々、皇族軍は十六隻駆逐艦を入れて、三十七隻の艦隊だったが、それがここに来て、駆逐艦は一隻だけで、それ以外は巡洋艦以上が揃っている。

総数は二十四隻。しかも戦艦四隻も追加されているので火力だけ言えば、元よりも増強された形となった。


「あれ? 空間異常! 皇族軍の傍に出ます!! でもこれって……」


シノが不穏な言葉を発した。それでなくても、既に勝てる可能性が下がっているのに、これ以上追加されると勝てる望みは完全に無くなる。


休んでいる間にランキングも下がってしまいましたね。

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