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第三十八話

今まで三千文程度で一話を書いていたので、分割してみたのですが……切れが悪くて、何だか書きにくいです。明日から戻す予定でーす。


バロックの言った「お前は……絶対に生き残れ」、これはバロックのエゴとも言える微妙な言い方であった。セレナの事を命に代えても守れという意味では無い事だけは確かだった。


「バロック……セレナは必ず、お爺さんたちの所に連れて行くから!」


直美の言葉を聞いた、バロックはモニターの向こうで、一瞬小さく苦笑いを浮かべたが、その後は何も言わずに、笑顔で手を振って通話モニターを消した。

直美は、バロックが映っていたモニターを少し見ていたが、自分たち時間が無いことを思い出す。


グリムリーパーの後ろにはグレムリンだけがついて来ている。


「シノ、アビスは?」


「まだ無事です。ワープは使えなくなっているでしょうから、速度は落ちていますが通常航行のまま、ゆっくりと、この場を離脱しようとしています。しかし、そっちには駆逐艦六が待ち構えているので、このまま突破するのは難しいでしょう」


シノは管制席に座ったまま、直美の方を見ずに答えた。シノにとってもアビスは古巣だし、当然、多くの知り合いも居るだろう。このままでは、その知り合いたちも助からない。でも、シノも分かっているはずだ。艦隊の機動速度をアビスに合わせるわけにはいかない。


「オオサカ、亜空間魚雷の準備は出来ているね? こうなったら、戦艦四と重巡四を沈めて、そのまま駆逐艦六も一気に叩き潰す!」


亜空間魚雷がバレても、バロックたちを助ける決意を固めた――その時。


「多数の空間異常を検知! 右舷四十度、戦艦四、重巡四の後方!!」


異変を知らせるシノの叫び声が艦橋に響いた。


「うぁ、帝国軍の追加かな? もう、ちょっと厳しいかも、これは本気でグレムリンだけでも連れて、短距離ワープして逃げることになりそうね……ベストホロウの人たちも助けたかったけどな」


ベストホロウで商売をやっている人たちは、全てが闇取引と言っても良いぐらいだった。そもそも海賊と分かっている者を相手に商売をしているのだ。帝国としては捕まえ次第、海賊行為の幇助ほうじょと見なして重罰に処する事が当たり前とされていた。


直美は知らなかったが、ベストホロウに帝国軍が到着するまでに、住民たちは自分たちの商船であったり、ジャンクの回収船で逃げ出していた。それでも全員が速やかに脱出できるわけはなく、まだ三割程度の住民がコロニー内に残っていた。


「大きい! 軍艦クラスです。出現数は約二十! ……識別信号は……領軍! フェルマント侯爵家の“銀翼の艦隊”です!! こ、これってセレナ様の!!」


シノの報告は最後には、全く報告になっおらず、シートベルトも外して、管制席から飛び上がっていた。


「えっと……どちら様でしたっけ?? と、とにかく味方ってことでOK?」



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