第三十六話
朝の続きとなります。二回に分けて投稿してみましたが、どうですか? もう少し検討してみますね!
戦艦レッド・レクイエムが後の事を考えていないような全力で砲撃を行っている。全主砲と方向的に使える副砲をすべて使って撃ちまくっていた。
「艦長はん、あの勢いやと、急がんとレッド・レクイエムが息切れ起こすで」
オオサカが戦艦レッド・レクイエムの魔力限界を気にした時、重巡二の方が先に魔力限界に達した。重巡二の後方に展開していた防御シールドを突破して何本かの砲撃が、光の矢となって、重巡の艦体に突き刺さる。
更には、爆散した重巡二の先にいた駆逐艦三にまで、直美たちが連射していた砲撃が流れ弾となって突き刺さる。
辺り一面に爆発の衝撃波が乱れた。一気に重巡と駆逐艦が爆散したので、そのエネルギーは大きく、巨大な炎と衝撃波を生み出した。
「艦長、戦艦二、三の旋回が終わりそうです。まもなく、こちらの背後に回り込んで来ますよ」
「了解! じゃ、このまま突っ切ってしまうよ。防御シールドで防げない障害物は頑張って避けるしか無いか……」
直美も、これほどの衝撃が発生するとは想定していなかったが、防御シールドを前方にしたまま、まだ炎上している火の玉に向かって突き進む。
目の前の火の玉を回避しようとすると、旋回の終わった戦艦二か三に横っ腹を見せることになってしまう。グリムリーパーは直美の防御シールドで耐えれても、後続のグレムリンとアビスは厳しい。今から隊列を組みなおすよりも、火の玉を突っ切った方が早かったのだ。
「ふゎー。危ない危ない。戦艦の後ろを取られたくなかったから逃げきれて良かったよ。戦艦に比べて足は早いから良かったけど、何か嫌な感じがするなぁ。シノ、レーダーで前方の様子分からないかな?」
直美は、そう言いながらも、更に操縦桿は右に倒していた。その方向には、元々戦っていた戦艦四と重巡三、四、駆逐艦六、七がいる居るはずだ。
ただ、アンヌたちを助けに行く前に対艦ミサイルと砲撃を戦艦四に撃ちこんだ上にチャフまで投げ込んだので、状況を確認出来ていなかった。
「いえ、まだ真っ白のままですね……ちょっと長すぎますね。先ほどの重巡と駆逐艦の爆発で出た衝撃波が、チャフも吹き飛ばして良いはずですが……」
シノが不思議そうに、レーダーのレンジを調整している。
「……自ら……チャフを……撒いている……見えなくなるだけ」
リム=ザップのボソボソと独り言を言いながら考え事をしている。その様子を艦長席から直美は眺めていた。
「うーん。もし、自分で撒いているんなら……見えなくなって困るのは、帝国軍のはずだけど、何がしたいのかな」
リム=ザップの独り言を引き継いで考えてみる。
「あの、戦いは分かりませんが、隠れて何かしたいって事ですわよね。あれ? 帝国軍は見えているのでは無いのですか?」
セレナが首を傾げながら、直美の方を方を振り返って言った。
「え? だってチャフの中に居たら、外の様子なんてわからなくなるよ?」
「いえ、だって先ほどの私たちの背後を取ろうとしていた戦艦たちなどからは、しっかりと見えているのですから、そこから情報を貰うだけで分かるのでは?」
「あっ! そうか! 私がやったシミュレーションはグリムリーパーだけだったから、思いつかなかった。艦隊戦だから、情報は共有しているのか。だとすると、戦艦四たちがチャフを使っている理由は……私たちの挟撃を狙っている!?」
今まさに、直美の機動は戦艦三の再び背後に回り込み、手負となっていると思われる戦艦四に向けて攻撃を行おうとしていた。
「マズイ! 正面に戦艦四が居るとすると、背後の戦艦三と四が旋回を途中で止めてこっちに向かってくると、戦艦三隻に囲まれる! シノ戦艦三と四は何処を向いている?」
「えっと、旋回を……やめているみたいです。戦艦三は左舷を戦艦四は右舷を我々の方に向けていま――真正面に戦艦四が出てきました! さらに左舷九十に駆逐艦六、同じく左舷十に重巡四、右舷四十五に駆逐艦七……ど、どうしましょう。囲まれてしまいました!!」
「うゎゎ。完全に囲まれてる。シノ、レッド・レクイエムとブラッディ・ローレライはどんな状況?」
「はい、私たちが離脱したあと、重巡一と駆逐艦二が撃沈しました。残るは駆逐艦一と戦艦二、三と相対していますが、今は戦わずに距離を取ってにらみ合いのようです。えっと、我々から離れた位置に居るので、救援は難しいかと……」
シノがレーダーで感知した結果をモニターに反映していく。グリムリーパーは三方向を戦艦に抑えられ、左舷側に重巡一隻と駆逐艦一隻、右舷側にも駆逐艦一隻によって囲まれていた。
「こ、これは、やばいね」
さすがの直美も思わず顔色を失った。
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