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盗賊狩りは美味しいです!

数週間が経ったある時、村にとある噂が流れた。


この地域にいる盗賊と強力な魔物が減ったと言われた。何かの前兆か、都会の冒険者が狩り尽くしたなどの噂だ。


「はぁっ!はぁっ!た、助けてくれぇぇぇっ!!!」


1人の盗賊が木々の間をジグザグに走りながら悲鳴を上げる。


「盗賊は逃げ出した、しかし韋駄天からは逃げられない」(なんちゃって(・ω<) テヘペロ)


盗賊の後ろを小さな影がものすごい速さで接近し、


「『震脚』」


大地を踏みつけると同時に激震が発生。


「うわぁぁぁぁっ!?」


激しい揺れに足を取られた盗賊が転げ、慌てて起き上がろうとするが何故か動けない。


「フフフフ、『震脚』の効果で対象を確率で停止にするのさぁ。」


盗賊が声の方に顔を向けるとそこには黒い狐の被り物をした背の低い人物が立っていた。


(こ、子供?)


「いやぁ、最近ヤり過ぎちゃったせいか盗賊が減ってさ。探すのに苦労してたところなんだよね。」


「て、てめぇがここ最近ここらの盗賊を狩っている」


盗賊の上に影が落ちる。


「ア、お兄様やっと追い付きましたよ!」


「ぐはぁっ!?」


猫の仮面をした少女が盗賊の上に降ってきたのだ。


「おー、見事にトドメを指したな。」


「あら、失礼しました。」


猫仮面の少女が盗賊から降りる。


「しかし、アダス兄様。こんな仮面なんかしなくてもいいじゃないですか?」


「こらこら、猫仮面よ。兄様まだ許しても名前まで言っちゃダメだぞ。韋駄天と呼びなさい!」


黒狐の被り物のことアダスは背中を反ってポーズを決める。


「これは正体を隠すために決まってるじゃないか!村の人や家族に知られると後々で怒られるなどで、面倒臭いだろ?」


「それは、まぁ?」


「それにぃぃ!!カッコいいじゃないか!」


「あ、はい。」

(アダス兄様の感性は正直理解はしてませんが、はしゃいでる姿はとても可愛らしいぃぃ!!!)


そう、このおかしな被り物をしている二人はアダスのケイトである。


ヒロイックオンラインのスキルを使えると知った二人はどうにか生かせないかと話し合い、将来的に金銭も必要だ。

なら、スキルを使ってお金を稼ごう。

都会には冒険者がいるから冒険者になろう。

でもまだ子供の自分達が冒険者になるのはむりがあるのではないか。

なら、正体を隠して盗賊を狩って、盗賊の手持ちを頂戴しよう。

なんでそうなる?

カッコいいじゃないか。


と、最終的に俺のことアダスのテンションで盗賊狩りになったのであった。

被り物はアダスの『ボックス』にある仮装装備、『黒狐』と『猫仮面』を使った。

どちらも認識阻害という便利な機能もあり、なお見た目も格好いいからだ。


そして、ノリに乗って盗賊や魔物を狩りまくった。

盗賊は身ぐるみを全て剥ぎ、全裸にして自警団に突き出した。

もちろん、用心のため各村や町で突き出しているので足はつかないハズだ。

魔物はそのままケイトの『分解』で素材にした。


おかげで、両親に内緒のヘソクリがハンパない額になっている。

この世界の通貨を地球、日本に当てはめると、銅貨が10円、銀貨が100円、金貨ぎ5万円、白金貨が10万円、聖貨が1億円らしい。

わかりやすくて助かった。


盗賊達から奪った俺達の手持ちは、聖貨が1枚と白金貨1枚、金貨が5万枚に銀貨がだいたい10万枚、銅貨2万枚。

日本円で換算すると約26億1千30万円ぐらいになるのかな?

白金貨と聖貨を持っていた盗賊団はここらで一番大きな組織だったらしいが、俺たちの敵じゃなかった。


かなりの大金になったなぁ。

うちの村、村人1人が一生生きていくための金額は金貨1枚ですんでしまうらしい。


盗賊達め、かなり溜め込んでたみたいだな。

ありがとよ!


さて、一気にお金を使ったら両親にも怪しまれるだろうし少しずつ使おうか。

親孝行として何か買ってあげるのもいいかもしれない。


この作品を読んでくれてありがとうございます!

一応、11月まで貯めてた文を小出しにして更新するようにしてます!

よろしければ、アドバイスなどのコメントを頂けたらと思います_(-ω-`_)⌒)_

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