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幼馴染みが……

さらに月日は流れ、俺は1歳になった。1歳を迎えて数ヶ月が過ぎたある日、俺は家の庭で母親に抱かれながら父親アダムスの稽古を見学していた。


筋肉ムキムキの父親が豪快に素振りしているのは見ごたえがあるなぁ。


「そう言えば、王都で膨大な神聖力を持った子供が産まれたそうだな。」


「聞いたわ。あと、エルフの国でも凄まじい魔力を持った若いエルフが産まれたらしいわよ。」


「アダスと同世代に大物が現れつつあるな。これからも増えるかもしれん。」


「きっと私たちのアダスちゃんも大物になるわね。」


「ハハッ! そうに違いないな!」


両親がそんな話をしながら笑っている。


へぇ、そんなやつがタメで産まれてるんだなぁと母親の腕の中でまどろみながら俺は聞きながら寝た。


月日は流れ、数年が過ぎて俺は5歳になった。

両親の寝室にある母ルミナスの姿見鏡に映るのは、青い髪の幼児。

そう、前世の俺がヒロオンで作った最初のキャラクターであるアダスを幼児にした姿、俺だ。


「アダスちゃん、お誕生日おめでとう。」


「ありがとう! 母さん!」


俺はそう感謝の言葉を述べながら、母ルミナスからプレゼントの本を受け取った。


「わぁ、何だろうなぁ。」


ふ、ただに5歳になってないぜ。あどけない幼児の演技は完璧だ。キラリ


内心で歯を煌めかせながら俺は貰った本の表紙を見る。


「は、じ、め、て、の魔法! わぁ、魔術本だぁ!」


5歳になった俺は、文字を覚えたので両親に頼み込み魔法書も読ませてもらえるよう約束したのだ。ちなみに、5歳で覚えたとは言ったが実際は2歳ぐらいでマスターしたが、流石に赤ん坊が文字を習得したら気味が悪いだろうと思って5歳まで読めないふりをしたのだ。


そして、今日は待ちに待った魔法書を読める日だ。


「母さん! ありがとう!」


俺はプレゼントしてくれた母に感謝の言葉を述べながら、さっそく本を読む。


そして、1時間後。


「アダスちゃん、その本はどうだったかしら?」


「おもしろかったよぉー」


母ルミナスの問いにそう答えながら、俺は考えた。


ヒロオンの魔法とは似ているところはあるが、まったくの別系統のものだ。

この世界の住人は必ずしも火、水、風、雷、土と自然基礎5系統の属性と、稀な属性である光と闇の2系統を合わせた7つの属性のいずれか1つを持っており、それに準じた魔法を使えるらしい。

たまに2つや3つ属性を持つ者もいるらしいがレアだとか。

ヒロオンにも魔法に属性はあったが、キャラクター自身が持ってはいなかった。

装備する武器や防具の力で魔法に属性を持たせていたのだ。


あと、呪文の種類はこっちの方が断然に多い。

ヒロオンは術の数が13個しかない。

まぁ、特殊なスキルによるものも合わせればもう少しあるかもしれないが、こっちの世界の方が多い。


まぁ、魔法なんて使えても使えなくても俺には問題ない。

魔法書を誕生日プレゼントに頼んだのは一応のためだしな。


「ごめんくださーい。」


あら?どうやら客人が来たみたいだ。


「はーい、あら?マーサいらっしゃい。」


客人、マーサはうちのご近所で母ルミナスのママ友だ。


「娘連れて遊びに来たわよー。アダスちゃん、こんにちはー。」


マーサは母ルミナスに笑顔で挨拶した後、俺に視線を向けて声をかけてきた。


「マーサおばさん、こんにちはー!」


俺は元気に挨拶を返した。


家族ぐるみで仲が良く、頻繁にお互いの家に遊びに行く間柄だ。

そして、今日はマーサの娘、ケイトもうちに来たようだ。


「ケイトちゃんも、こんにちは!」


「………こんにちは」


ケイトはマーサおばさんの後ろで隠れながらも返事をしてくれた。


「あらあら、恥ずかしがっちゃってこの娘は」


と苦笑するマーサおばさん。

だが、ケイトは恥ずかしがっていないことを俺は知っている。


何故ならケイトは


(ふひぃーーーー!!!アダス様!お兄様!0(ゼロ)様が挨拶してくださったぁぁぁ!!!嬉しすぎるぅぅ!!!そして、ショタの姿も尊ぃいおぉぉぉぉほっ!!!!)


ヒロオンで俺が作成したキャラクターの1人、サブキャラなのだから。


しかし、あいつ鼻息荒いな。

何考えてんだ?

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