焼き肉と次目指すこと
秋も深まり、紅葉が美しい季節となりました。勤労感謝の日が近づいてきましたね。この時期に、『ほくそ笑む俺は、ゲームキャラの姿で異世界を駆けていく 』をお読みいただき、心から感謝しています。
寒くなってきましたので、体調には十分気を付けてください。
そう言えば、11月上旬は七五三がありましたね。
皆さんの七五三思い出はありますか?私は子供のころ、千歳飴に夢中だったなぁしか覚えてませ~ん(笑)。よろしければこのナナトルに皆さんの七五三の思い出があれば、ぜひお聞かせください!
これからも楽しんでいただけるような物語をお届けできるよう努めますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。紅葉が美しいこの季節、素敵なひとときをお過ごしください!
「アダス兄、お肉を焼きにいこうにゃ!」
「そうだな。今日は特別な日だから、豪華にいこう。」
二人は夕焼けに染まる村の広場に向かい、賑やかな市場を通り抜けて肉屋にたどり着いた。市場では、果物や野菜の香りが漂い、村人たちの笑顔があふれていた。肉屋の主人は、見事なグリルボアの肉に目を見張った。
「おお、これは見事な肉だな!どこで手に入れたんだ?」
「俺のCランク昇格試験で討伐したんだ。今日はこれで焼き肉パーティーだ。」
「ほぉ、ランク昇格か。めでたい!すぐに準備するから、ちょっと待っていてくれ。」
肉屋の主人が手際よく肉をカットし、焼き台に並べ始めると、ジュウジュウと音を立てながら肉が焼けていった。美味しそうな香りが辺りに広がり、アダスとサラは肉が焼けるのを待ちながら、今日の出来事を振り返った。
「アダス兄、トラブルに巻き込まれたりしなかったかにゃ?」
「変な狼が乱入してきたけど、余裕だったよ。」
「にゃあ、乱入時点でトラブルだにゃ。無事ならいいけどにゃ。」
「はい、お待ち!ここで食べていくかい?それとも持ち帰るかい?」
焼き上がったグリルボアの肉がテーブルに並べられ、二人は食欲をそそられる香りに誘われる。
「どうするサラ?我慢できるか?」
「じゅるるっ!無理にゃあ!!」
「んだな、それじゃあ……」
「「いただきます(にゃあ)!」」
二人は笑顔で焼き肉を頬張り、濃厚かつ肉汁が溢れる美味しさに感動した。
「う、まぁ!!俺の村周辺にはいなくて初めて食べたけど、グリルボアの肉、最高だな!」
「にゃあ、本当に美味しいにゃあ。」(ガツガツガツ)
満腹になり、二人は肉屋の主人に礼を言って店を後にした。夕暮れの街を歩きながら、アダスはふと立ち止まった。
「よし、気づいたらCランクになった。ランクが上がったから、受けられる依頼も増えるし、アイツら探すのも楽になりそうだ。」
「んだにゃあ。それでアダス兄、次はどこに行くにゃ?」
「王国の中心、王都だな。情報が集まる場所だし。」
俺たちがいるバルカチアン王国の首都である王都は、この国一番の大都市であり、王国領土の有りとあらゆる道の終着地でもある。もといた世界で言うと「すべての道はローマに通ず」的な感じと同じで、「すべての道は王都に通ず」と言われるほどだ。
アイツら全員、俺の分身みたいな存在だから、何かしら噂が出てもおかしくない。
それに、一年後はケイトも成人になって王都に来ることになってるしな。
俺とサラは翌朝早く、エルダ村を出発する準備を整えていた。
「アダス兄、準備はできたにゃ?」
「おう、準備万端だ。行こう。」
俺たちは村を後にし、王都に向かう道を歩き始めた。道中は穏やかで、緑豊かな景色が広がっている。小鳥のさえずりや風に揺れる草木の音が心地よい。
「アダス兄、王都には誰がいるかにゃあ?」
「そうだな。アリサとかいそうじゃないか?まぁ、まずはギルドで依頼を確認して、情報を集めることだな。アイツらの手がかりもあるかもしれないし。」
そのとき、前方から旅の商人が馬車を引いてやってきた。商人は疲れた表情を浮かべていた。
「おや、お二人さん。どちらへ向かっているんですか?」
「あれ、オッサンじゃなくてダニエルじゃん久しぶり~。俺たちは王都へ行くとこだよ。ダニエル、何か困っていることがあるの?一応、顔見知り出し手助けしよか?」
商人ダニエルはほっとした表情を見せ、アダスに感謝の意を示した。
「いやぁ~、ありがたい。実は、私も王都へ行く予定なんですけどね。どうやら道中、この先の森で魔物が現れるようになったようで、通行が困難になっているんですよ。護衛がいると助かるんですが…」
「それなら任せろ。行き先が同じなら俺たちが護衛しよう。」
「ありがとうございますぅ~。」
こうして俺とサラは旅の商人、ダニエルを護衛しながら、王都へ向かうことになった。




