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試験前日

もうすぐハロウィンですね!『ほくそ笑む俺は、ゲームキャラの姿で異世界を駆けていく 』をお読みいただき、心から感謝しています。ハロウィンの準備やお菓子作りで忙しい時期かもしれませんが、ぜひ私の物語もお楽しみいただけると嬉しいです。


実は「カボチャプリンの誘惑」に負けそうな今日この頃です(笑)


1日早いですが、トリック・オア・トリート!ハッピーハロウィン!!

俺はギルド長との面談を終え、サラと一緒にギルドの廊下を歩いていた。試験を受ける準備を整え、試験の内容について考えを巡らせる俺の隣で、サラは心配する様子もなく、むしろ元気いっぱいの表情をしていた。


「アダス兄、明日ある試験の準備はバッチリかにゃ?」


サラは笑顔で問いかけた。


「ああ、大丈夫だな。」


と俺は自信満々に答える。


「アダス兄が強いのはウチが知ってるから、心配しないにゃ!それよりも、試験が終わったら一緒にご飯に行こうにゃあ。」


とサラは楽しそうに提案した。


「そうだな、サラ。明日は美味しいやつを食おうな。」


俺とサラはギルドの外に出た。今日は何かしら依頼を受けようと思ってギルドに来たのに、盗賊の討伐の報酬や冒険者の先輩(笑)に絡まれたり、ギルド長と話をして明日昇格試験を受けることになったりと、うやむやになって結局何もしないで出てきた形になってしまった……まぁ、いいか。


「アダス兄、明日のお祝いご飯が楽しみだにゃあ。」


とサラは期待に満ちた目で言った。


「ははは、もう試験合格確定か。まぁ、俺も合格する気満々だからな。」


と俺はサラの食いしん坊ぶりに苦笑いしながら答える。


俺とサラはギルドを出た後、村の広場へと向かった。太陽は真上に昇り、真昼の村は賑やかで、人々が行き交い、活気に満ちている。


村って言うけど、規模的に小さな町に匹敵するよなぁエルダ村って。


俺は普段通りのリラックスした表情で歩きながら、サラは猫耳をぴこぴこさせたり、鼻をヒクヒクさせながら村の出店を見回している。


「アダス兄、あそこのお肉屋さん、すごく美味しそうなお肉の匂いがするにゃ!」


ヨダレを垂らすサラが指差す方向に、ソーセージや何か大きな獣肉を吊るす肉屋が見える。店前に炭火で肉を焼いている匂いがサラを釣ったのだろう。


「ああ、いい匂いだ。ちょっと行ってみようか。」


急な空腹を覚えた俺はにこやかに答えた。


俺とサラは肉屋に立ち寄り、焼いている肉、串焼きを購入した。俺は買った串焼きを食べてその濃厚な肉の味に満足する。明日の試験より、この肉の方が気になるな。何の肉だろう?


「それにしても、今日もいい天気だな。」


俺は空を見上げる。お日様がサンサンしてやがるぜ。


「ほんとにゃあ。今日の天気がいいと明日の試験もきっと晴れだにゃあ。」


サラも空を見上げてにへらと笑う。


帰りの道中、色々な屋台を見て回っていた俺たちは、宿へと戻った。宿の部屋に着くと、サラはベッドにダイブしてゴロゴロと転がる。俺は道中にあった屋台で買ったリンゴを手に取り椅子に座る。サラは俺の手にあるリンゴを眺めながら、何気ない話題を持ちかけた。


「アダス兄、明日のCランク昇格試験にどんな魔物が出てくると思うにゃ?」


サラが興味津々で質問する。


「さぁな。まぁ、Cランクって言えばオークとかそこらの魔物だろうな。すげぇ余裕で倒せると思うけど慢心はしないかな。」


俺はそう答えて手に持ってたリンゴを齧る。みずみずしくて美味しいな。


「そうだにゃあ。アダス兄の相手がオークだったらいいにゃあ。アイツらのお肉ってめっちゃ美味しいにゃ。さっき行ったお肉屋のオッチャンに焼いてほしいにゃあ。」


サラは串焼きの味を思い出したのか唾を飲み込んでいる。


「オークかぁ、それはいいな。別に試験の後にオークを狩りに行ってもいいな。」


俺はサラの食いしん坊ぶりに笑いながら、試験前日なのにリラックスした時間を過ごした。

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