表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/36

俺の名前はアダス

それからさらに数ヶ月が経ち、俺はハイハイで動けるようになり、ようやく自分の状況を確認する余裕ができた。


まず、俺の名前はアダス。 アダス・ラズロ。

父親は、アダムス・ラズロ。

母親は、ルミナス・ラズロ。

そして俺は、この2人の息子らしい。


そして、俺の家だが、どうやら村の中でも裕福の方らしい。 豪族ってやつか?


父親は村一番の力持ちであり冒険者で、母親は主婦をしているが薬草の知識や魔法を使える魔法使い。


「あぅー」


俺はいま揺り籠に寝かされている。

そして、ある試みをしようとしている。


そう、ステータスの確認だ。

ゲームの世界ではないが、俺はヒロオンのキャラクターで転生したんだからゲームと同じステータスのパネルが出てくるかも知れない! ステータスが確認できたら今後どう過ごすか決まってくだろう。


「あうばーぶ!」


俺はそう願いながらステータスがパネル表示されるのを待った。


……だが、何も起こらない。


「あぅー」


ステータスがパネル表示されるのを待ったが、何も起こらない。


「あぅー」


ステータスがパネル表示されるのを待ったが、何も起こらない。


……まぁ、そう都合よくはいかないよな。


(ステータスの確認はまた今度だな)


俺は揺り籠から見える天井を眺めながらそう思った。


……だが!俺はまだ諦めない! いつか必ず確認してみせるぞ! ステータスがダメなら


「ばぶぅあ!」(ウィンドウ!)


俺の目の前に、半透明のパネルが現れる。 やった!出た! こっちじゃウィンドウなのか!


俺は興奮しながらも自分のウィンドウを確認した。


名 前:アダス・ラズロ

年 齢:1歳

レベル:0

性 別:男

種 族:人間族(異世界人)

職 業:なし

体 力 :30/30(4386)

魔 力:5/5(1246)

物理攻撃力:6(679)

魔法攻撃力:3(230)

物理防御力:5(338)

魔法防御力:3(344)

命中率:4(230)

敏捷力:10(888)

攻撃速度:20(6485)

魔法速度:8(612)


お、おう。 どういうことってばよ。 カッコのステータスがゲームと同じなのは良いとして、赤ん坊の能力こんな高くてヤバくない?


(まぁ、考えてもわからないし、とりあえず放置で良いかぁ。 俺、赤ちゃんだし)


俺はそう結論付け、ウィンドウを閉じた。


……さてと! そろそろおむつ替えの時間だな! おむつを替えられるのはもう慣れたぜ! バチ来いママん!!


「あぶぅー!」


俺はそう叫びつつ、揺り篭から見える天井を眺めていた。


それからさらに数ヶ月経った。


「あらぁ、アダスちゃん。私の魔法書なんてどこから持ち出したのかしら?」


おむつを替えようと俺を揺り篭から持ち上げた母親は、俺が持っていた魔法書を見てそう言った。


「あぶぅー」(なんだそのことか)


俺は赤ん坊である自分の現状に慣れてきたので、行動範囲を広げることにした。 ハイハイで家の色んな場所を探索していたのだが、ある部屋に入った時、本棚に並べられていた魔法書に興味を持ったのだ。 そして、この魔法書は母親の物らしい。 だから、ちょっと借りて読んでみたのだが……全くもって解らなかった。


だって、文字が読めなかったんだもん。 よし、今後の方針として喋れることと文字を覚えることを優先しよう。


「アダスちゃんには魔法書はまだ早いわね。 でも、魔法書に興味を持ったなら将来有望ね♪」


「あぶぅー!」


ふふ、ママんよ。 魔法書を手に取ったのは俺の気まぐれなのさ。 俺の将来はもう決まってるぞ! 俺は素早さ特化の冒険者になるのだ!


「あぶぅー!」


俺はそう叫びつつ、揺り篭から見える天井を眺めていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ