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絡まれるのはテンプレ?

受付嬢は俺たちが去った後、少し悩んだ表情でギルド長の部屋に向かった。


「ギルド長、少々お時間をいただけますか?」


ギルド長は受付嬢の話を聞きながら深くうなずいた。


「そうか、Eランクの冒険者がCランクの依頼を解決したか……うむ、その冒険者について調べよう。手が空いている職員に調べさせろ。不正も何もないなら、力量に合わせたランクに変更しないといけないからな。」


ギルドを出た俺とサラが、いったん宿に戻ろうとしたが立ち止まった。理由は、俺たちの向かう先を塞ぐように立つ柄の悪そうな冒険者4人が目に入ったからだ。そのうちの一人が、悪意を含んだ笑みを浮かべながら歩み寄ってきた。


「おい、そこのガキども!特にEランクのお前だ!」


と挑発的に声をかける。


「Eランクのくせに生意気に振る舞っているんじゃねえぞ。Cランクの依頼を解決したからって調子に乗りすぎだ!」


俺は冷静にその冒険者を見つめ返し、面倒くさいことになったなと眉をひそめた。隣のサラは猫耳を後ろへ反らし、怒っている様子だった。サラの手が一瞬、魔法銃に触れたのが見えた。


周囲の村人や旅人たちが興味深く見守る中で、ギルド前に緊迫した空気が漂う。


「このBランク冒険者のオレ様が雑魚Eランクにしつけをしないといけないなぁ!!」


「あんたがBランク冒険者?Cランクのサラより弱く見えるけど?」


俺のそっけない返事に、その冒険者は顔を真っ赤にして激昂した。


「ふざけやがって!そんな態度とるんなら、容赦しねぇぞ!」


その言葉と共に、冒険者は剣を抜き放ち、俺に襲いかかってきた。剣の光が反射し、鋭い刃が直線的に俺に向かってくる。俺は冷静にその動きを見極め対処し、一歩後ろに軽く下がり剣先を躱す。俺が躱したのを見た冒険者は、剣を引き寄せて再び剣を振るうが、俺は左手の甲で剣の軌道を受け止めて流して攻撃を逸らし、右足を素早く振り出して冒険者の脇腹を狙い軽く蹴る。蹴りがヒットすると、冒険者は少しよろめいたが、すぐに体勢を整え、怒りの表情で再び剣を振り上げようとしたが、反撃をさせる気もない俺は素早く間合いを詰め、肘で自称Bランク冒険者の顔面を打撃。冒険者は痛みに呻きながら剣を手放し、地面に倒れ込んだ。


「Bランクっていう割には弱すぎるだろ……んで、まだ続ける気か?」


俺はそう言って残りの3人を見つめた。


「んだとぉぉ!!??」


怒った3人の冒険者が動き出すと、サラがすかさず魔法銃を取り出し、動こうとした3人の足元に弾を放った。


「動くにゃあ!」


残りの3人はその場で凍りついた。


ギルド前の騒ぎに気づいた受付嬢が慌ててギルドの外に出てきた。


「な、何があったのですか?」


受付嬢が見学者たちに話を聞き、ギルド前の騒ぎの状況を把握した。彼女は迅速にギルド内の職員を呼び寄せ、騒ぎを起こした冒険者たちを取り押さえ、処罰するよう手配した。ギルド長も現れ、周囲の状況を確認した。彼は冷静に俺とサラに目を向け、状況を詳しく説明するよう求めた。


「申し訳ないが、君たちには一度、ギルド長室に来てもらわなければならない。」


「わかりました。」


と俺は返事をし、ギルド長と一緒に歩き出した。サラもそれに続いたが、ギルド職員に羽交い締めされている自称Bランク冒険者が口を開いた。


「おい!待てや!Bランクのオレ様に恥をかかせておいてタダで済むと思うなよ!」


「黙れ。」


ギルド長が冷たく言い放ち、その冒険者を睨みつける。


「お前達の処分は後々でしてやる。多少成績がいいから放置していたが、今度という今度は許すわけにはいかない。」


「なんだと!?さんざんギルドに貢献したオレ様を処罰する気か!?」


騒ぎ立てるBランク冒険者の言葉をギルド長が遮った。


「黙れと言ったのが聞こえなかったか?」


その迫力ある声に気圧されたのか、Bランク冒険者は口をつぐんでしまった。ギルド長と共に、俺とサラは冒険者ギルドの2階に上がりギルド長の執務室に向かった。部屋に入りソファに座るよう促した後、受付嬢も同席し、話を始めた。

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