旅に盗賊は付き物?
秋の訪れとともに、皆さんの応援に心から感謝しています。この季節は美味しいものがいっぱいで、ついつい食欲が増してしまいますよね。私も「秋の味覚」と戦っている今日この頃で体重計が怖いです(笑)
秋の夜長、温かい飲み物とともに、ゆっくりと『ほくそ笑む俺は、ゲームキャラの姿で異世界を駆けていく 』をお楽しみいただけたら嬉しいです。これからも皆さんに楽しんでいただけるよう、アダス達と頑張りますのでよろしくお願いいたします。
素敵な秋のひとときをお過ごしください!
俺はいま、ケイトと村の門前で話をしていた。ケイトは俺を見つめながら、少し寂しげな顔をしている。
「アダス兄様、一年後に会いましょう。」
「おう、一年後だな。会うのは王都にしようか。わかりやすいだろ。」
「わかりました兄様。一年の間に色々作っておきます…‥(グフフフフ)」
ケイトの不敵な笑みに、俺は少し不安を覚える。彼女が何を作るつもりなのか、想像もつかない。
「ほ、ほどほどにな。あ、そう言えばケイト。」
「はい?何でしょう?」
「ケイトは知らないと思うけど、最近俺の着ていた下着とか服が数着見当たらないんだよね。村の人たちを疑いたくないけど、ケイトも気をつけてな。」
「は、は、は、は、いぃ。」(; ・`ω・´)
はて?何でケイトはキョドっているんだろうか。まぁ、いいか。そろそろ出発しよう。
俺の両親とケイト、ケイトの両親に村人の何人かが見送るなか、俺は村を出た。
村を出て、周辺の森に入る。小さい頃からこの森でケイトと一緒に散策という名の修行モドキをしたなぁ。今じゃ、この森の獣ほとんどは俺に近づこうともしない。
森を抜けると広い道に出た。母ルミナスから聞いたことがある。この道は大昔の大魔法使いが世界中の村と街を行き来しやすくするために魔法で作った石道らしい。
俺は道に沿って歩き始めた。
目的地は隣の村、エルダ村だ。エルダ村は道の分岐点にあり、他の村や町に行くための重要な場所だ。まずはエルダ村に立ち寄り、そこで次の目的地を決めるつもりだ。
道を進んでいると、遠くから叫び声が聞こえてきた。耳をすませてみると、明らかに助けを求める声だ。俺は足を速めて声の方に向かって走った。
声のする場所にたどり着くと、荷馬車を囲む数人の盗賊が見えた。彼らは商人を取り囲み、脅している。
「おい、全部置いていけ!さもないと…」
「そこまでだ!」
俺は大声で叫び、盗賊たちの前にシュタっと立ちはだかった。
もちろんキメポーズを取りながら。
「誰だ、お前は!」
盗賊の一人が驚いて振り返る。
「俺は………俺は通りすがりの者だが、お前たちの好きにはさせない!」
(何て名乗ればいいか思い付かなかった!)
盗賊たちは俺を見て笑い出した。
「はんっ、一人でこの人数を相手する気か?」
と、その中の一人が嘲笑する。しかし、俺は引かない。
盗賊たちは武器を構え、俺に襲いかかって戦闘が始まった。俺はまず、襲いかかってきた一番近くにいる盗賊に狙いを定める。盗賊、盗賊Aが剣を振り下ろす瞬間、俺は素早く身を翻し、盗賊Aの腕を掴んで投げ飛ばした。
「ぐわっ!」
という叫び声と共に、盗賊は地面に叩きつけられ動かなくなった。
次の盗賊Bは短剣を振りかざして突進してきた。俺はその動きを見切り、一歩後ろに下がって避けると同時に、盗賊Bの腹部に強烈な膝蹴りを食らわせた。盗賊Bは息が詰まって膝をつき、その隙に俺は肘を盗賊Bの後頭部に叩き込んで戦闘不能にさせる。
「次はお前だ!」
残りの盗賊達は動揺しつつも、全員で俺に襲いかかってきた。俺は一人一人の動きを見切り、冷静に対処する。片方の拳で盗賊の顔面を殴り、もう片方の手で次の攻撃を弾く。素早いステップで攻撃を避けながら、確実に反撃を繰り出して倒していく。
「この野郎!」
最後の盗賊一人が大斧を振り回してきた。大斧の刃が迫る瞬間、俺は体を低くし、そのまま盗賊の足元に滑り込み、足を払う。盗賊がバランスを崩した瞬間、顔面と鳩尾に拳と蹴りを叩き込む。
「ぐはぁっ!」
最後の盗賊が地面に沈んだのを確認して、俺は立ち上がった。
商人は安堵の表情を浮かべ、震えながらも感謝の言葉を口にした。
「助かった…ありがとう、命の恩人だ。」
「ふぅ、大丈夫か?ケガはないか?」
「ええ、なんとか。馬も無事です。…でも荷馬車の中の品物が…」
商人の荷馬車を見ると、いくつかの荷物が散らばっていた。俺は商人と一緒に荷物を拾い集め、荷馬車に戻した。
「んで、こんなところで何をしていたんだ?」
「エルダ村を経由して王都へ商売に行く途中だったんです。来た方角から見ると、あなたもそちらに向かっているのですか?」
「ああ、そうだ。エルダ村は道の分岐点にあるからな。次の目的地を決めるために寄るつもりだ。」
「そうですか、それなら一緒に行きましょう。お互いに安全ですし。」
「ははは、主に行商のオッサンが安全だろうけど、わかった。」
こうして、商人と一緒に旅を続けることになった。




