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冒険者ギルド

辺境にある草原の果てに広がる大きな村、ノルグリム。成人式は町の中央広場にある大きな教会で執り行われる。教会の中庭の中心に位置する大きな祭壇で、今日は特別な日の訪れを迎えていた。空は晴れ渡り、陽光が村を包み込む中、多くの村人が祭壇の周りに集まっていた。


俺、アダスは一生に一度(前世を含めて二度目)の成人式を迎える前に、祭壇の前で足を止めた。白いローブに身を包み、腰には母ルミナスがくれた御守りのスカーフが結びつけられている。


「アダス!頑張ってこいよ!」


「いってらっしゃい、アダス。」


「変なことをしないでくださいね、アダス兄様。」


家族や友人たちが俺の周りに集まり、祝福の言葉をかける中、内心で感謝の念を抱いていたが、何か恥ずかしくて悶えていた。


特に、ケイト。俺が変なことをすると思ってるのかな?思ってるんだなぁ!?


町の中央にある教会は、前世で言えばローマにあるコロッセオのような建物だ。そして、中央の祭壇には女神像が安置されている。


祭司が祭壇の女神像前に立ち、厳かなる言葉で儀式を始めた。


「我らの祖先よ、この若き者に知恵と勇気を与え、彼を導きたまえ。彼が進む道に光を与え、神々の加護を願います。成人としての新たな旅路が平穏でありますように。」


俺は祭司の導きに従い、祖先たちへの感謝と共に成人としてこれから何をしたいかを心に誓った、、、うん誓ったことにしてくれ。

祭司の言葉が荘厳に響き渡る中、正直言って、俺はかなり眠かった。


(ふぁー、眠い!)


長い儀式を終え、無事に成人式を迎えた俺は家に帰り、両親の話を聞いた。


「アダス、あなたが成人した今、私たちは何か大切なことを話したいの。私たちは若い頃、世界を旅していたわ。様々な場所で様々な冒険を経験し、大変なこともたくさんあったけれど、そのすべてが素晴らしい経験だったわ。」


そう言いながらルミナスは俺の手を握った。


「そうだな、アダス。冒険ってのはお前に色々な体験や可能性を示してくれるはずだ。迷ったらお前自身の心が導いてくれる。そして、俺たちもいつでも息子であるお前を支えてやる。」


父アダムスが俺の肩を軽く叩いた。


「ありがとう、母さん、父さん。俺はもう大人だから、自分の道を進むよ。やりたいこともあるしね。」


俺がそう言うと、二人は安心したように微笑んだ。


「そうね!あなたはもう大人よ。これからの人生が素晴らしいものになることを願っているわ。」


「ああ、俺も応援するぞ!何か困ったことがあったらいつでも連絡してくれよ!」


二人の言葉を受けて、俺は力強く頷いた。


「ありがとう!」


翌日から、アダスは冒険者になるための準備を始めた。アダスは早速、冒険者になるためにギルドへと足を向けた。各地へ旅をするなら簡単に身分証明ができる冒険者が一番である。冒険者として登録するには、まずは村にある小さなギルドへの登録が必要だからだ。


「冒険者ギルドへようこそ。冒険者登録ですね?こちらの書類に必要事項をご記入ください。」


俺は渡された用紙に名前と特技を書き、命の保証は自己責任と書かれたところをサインして受付嬢に渡した。


「はい、承ります。アダス・ラズロ様……あぁ、アダムスさんところの息子さんですね!いつも、お世話になっております。」


そう、俺の父親であるアダムスは冒険者だ。ランクもA級でそこそこ有名らしい。

ランクというのは、冒険者たちの階級を示すものでF(見習い)、E(新人)、D(駆け出し)、C(ベテラン)、B(精鋭)、A(エリート)、S(伝説)となっている。普通はランクはE級から冒険者としてデビューをするそうだが、成人未満からだとF級から始まるらしい。

と、ギルドの受付嬢が言ってた。つまり、俺の父親はギルドでも二番目に強いってことだ。なぜこんな辺境な田舎村にいるかは知らないけど。


「アダス様は成人を迎えたばかりですので、ランクはE級からスタートとなります。ギルド加入には実力を測る試験がありますが、アダムスさんの息子さんなら問題ないでしょう。」

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