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ビセア  作者: クルッポー
魔気統合編
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42話 オレ、オマエ、キライ

「安心しろ!安心しろよ剣技学科の者たち!お前らには人剣を操る才能がある!」


魔剣!!!!


あぁもう興奮するなぁ!!


…人剣?


「説明しようではないかっ!この世の剣には種類が存在するっ!主な種類といえば人剣、魔剣、聖剣、精霊剣だ。」


「人剣!人剣は名工や古工が作り上げた至高の一品!剣の中で最も多く存在するのがこれだっ!」


「魔剣!魔剣は人生をかけて魔力を鋼へと変えた者の作った剣だ!その殆どは昔に作られたもので今も各地に埋まっている!」


「聖剣!聖剣は剣技学科にいる人間の方が使いこなす才能がある奴が多いだろう!人剣の上位剣と言ってもいいだろう!この剣は魔を穿つ能力を持つ!」


「精霊剣!こいつは噂好きなら誰でも使える場合が殆どだ!」


「他の種類の剣もあるが…ほぼ全ての人間には無縁のものだ。知る必要はない」


こんなに興奮することはない


異世界に来ていちにを争うほどの興奮だ


どんなものなんだ?


持ったらどんな感覚になるんだ?


どんな特殊能力があるんだ?


「リュウカちゃん楽しそう」


シイナがクスッと笑う


「こんなに楽しいことはないよ…!早く持ってみたい見てみたい…!」


俺と同じ感想を持った生徒はそれなりにいるらしく、周りからも似たような言葉が聞こえてくる


「まぁ焦るな。今すぐに握らせてやろう。お前ら。整列しろ。等間隔に全体的に広がれ」


ぐちゃぐちゃに立っていた生徒たちは剣に興味深々なのか、異様なほど統率をとって迅速に列を成した


「優秀じゃないか。感心感心。しかしお前ら。悪い知らせだ。流石に本物を握らせてやることは出来ねぇ。今から握るのは適性を確かめるレプリカだ。一列ずつ前に出てこい」


レプリカか………


少しショックだが仕方がない…し、そもそも現実的に考えて無理か

恐らく希少なものだろうし、そう何本もぽんぽん出したらそれこそ幻滅というものだ


よし。目と耳閉じよ


…塞いだ手をルゥに取られた


「どうしたの?」


「私ネタバレ嫌いなの。順番来たら教えて」


「そう…」


俺は再度耳を閉じた



…ら、また塞いだ手を取られた


目の前にカカカ教師がいた


「うわっ!!!びびったぁ!!」


「ネタバレが嫌いなのだろう?いいだろう。お前には特別に1番初めに掴ませてやろう」


周り結構うるさかったよ!?

なんで聞こえてるのかなぁ!!


「あのー…せめてこの3人でなんかは……私1人はちょっと……」


「ふむ。臆病な奴だ。子供はもっと無鉄砲な怖いもの知らずであるべきとは思わんかね?」


「あんたが恐怖で黙らせたんじゃん…」


「カカカ!憎まれ口を叩く余裕があれば十分ではないかっ!いいだろう。3人で来い」


こいつに聞こえないように喋ったつもりだったんだが…聞き取れない訳ないか。こいつだし


待てよ…一列目を止めてまでわざわざ俺に構ったのは何か俺に秘めた力があるからということか!?


「もしかしてあなたは私の秘めた力に気づいて…?」


「ふむ?何を言っているんだ。大それた力があると自覚しているということか?君、自惚れか絶対的な自身かどちらかはっきりしたまえ」


なんだよ。ただの気分かよ


「冗談です。流してください」


「ふむ?…私がこの中で興味が湧いたのはただ1人。君の隣にいる少女だよ。名はなんというのかね」


「ルゥ」


「家系名は?それともそれが君の家系名なのかい?」


「家系名は捨てた」


捨てた…!?

いつの間にだ?


あ、俺の家に移住した時か


「カカカ!面白い!ルゥよ。成人したら王都に来たまえ。お前を弟子にしてやろう」


「結構です」


即答だ


「カカカ!考えておいてくれたまえ!」


冷淡な返答を気にすることなくツカツカと歩いていく


人で見えなかったが、最前列には中ぐらいの石が何個も設置されており、その石一個ごとに一本の剣が刺さっていた


その全ての剣は共通してひたすらに白く、どれも同じ形をしていた


「この適性剣レプリカは握る対象の扱える剣の種類に応じて色を変える。さぁ!握ってみたまえ!」


なんて安直な名前の剣なんだ……


まぁいいや。握ってみよっと


俺が握ると剣が消えた


こう…フッと…


抜ける気がしないから多分透明になっていると思われる


いや、柄は残ってるからギリ透明じゃない(?)


「虹彩とはなんとも美しい!!」


声の方に振り向くと目をハートマークにしてルゥにメロメロなカカカ教師と岩から抜いた刀身を虹色に光らせたルゥがいた


「虹色だ…」


流石のルゥも困惑している


「堪らないな!お前は説明した全ての剣を握ることができるっ!神器さえも届きうるやも知れん…!」


「神器…治療室の人も言ってた」


「なに…?一般人が知り得る情報ではないはず…只者ではないな。その人も」


カカカ教師は次にシイナの方を振り向く


「なんとなんと!?これは…まさかまさかまさかまさかまさか!!魔剣と聖剣を両立出来るだと!?」


シイナの抜いた剣は灰色に濁った色をしていた


「あんまりこうゆう事言いたくないんだけどね…なんか汚いね…」


よっぽど嫌だったのか、シイナはルゥに愚痴る


「何を言っているんだ!これほどまでに純粋で綺麗な色は見たことがない…!仮に魔剣と聖剣をどちらも持つことが出来てもこうまで混ざり合うことなど無かったのだよ!君は魔剣と聖剣を同時に持てる人類史唯一の奇跡の子だ!名はなんと言うのかね!?弟子にしてやろう!」


カカカ教師は興奮の余り体をくるくると回転させながら叫ぶように解説をする


友人ガチャSSSSSSSSSSRな件


「ラルシィ・シイナです。えと…考えときます!」


「あぁ!ぜひそうしてくれたまえ!」


あ、斜めに引いたら抜けた


包丁かな?


「おっと、君の事を忘れていたよ。まぁどちらにせよ変わらない、剣を握る才能のない無色透明だよ。全く、興醒めも良いところだよ」


そんな言う事なくない?泣いちゃうよ?俺


カカカ教師は視界にあることも煩わしいのか透明な剣を手で払いのける


透明なのに…見えないのに…


というか今かなりこたえているんだよな


剣を握る才能がない

それ即ち剣と魔法の世界の半分を失うことと同義だ


風が吹いたら倒れてしまいそうなほど絶望しているのにこの冷たい態度


…半年は立ち直れないだろうな


「…?待て。もう一度触らせろ」


カカカ教師が俺の握った剣の刀身を確かめ出した


「形が違う…?変形したのか…?」


お?俺の秘めた力が暴走した?


「確認したいことがある。絶対にそこから手を離すなよ」


「オレ、オマエ、キライ」


まさかこのタイミングで嫌い発言が来るとは思っていなかったのか、目を見開いてギョッとしている


「そうか」


ギョッとした顔から瞬間的に微笑みに変わったと思ったら手の甲全体に鈍い衝撃が走る


なんだっ!?と思い手を覗くと手は黄色く発光した何かに包まれて見ることはかなわなかった


「拘束魔法で拘束させてもらった。おとなしくしていろ」


「強引!!絶対モテないだろあんた!」


「それはすまなかったな。妻子持ちだ」


「…オレ、オマエ、キライ」


「知ってる」


こいつマジでっ!!!


あぁ!!ムカつくなぁっ!!!


俺が暴れ出したら今度は全身に拘束魔法をかけてきた


顔以外が黄色く発光した俺はもはや魚のように跳ねることしか出来なくなった


「やりすぎ」


看過しきれなうなったルゥとシイナが俺に近づいてくる


「2人とも。大丈夫。なんてことないから。それとお前。逃げねぇから外せ」


「そうかい」


カカカ教師はツカツカと歩いていく


「外せや」


「はいはい」


二度の威嚇でやっと外れた拘束魔法があんありに一瞬で外れてしまったために俺は剣を落としそうになったが、なんとか堪えた


正直落としても良かった


少し席を外したカカカ教師は布を持って帰ってきては、布をビリビリと引き裂いて剣に巻きつけていく


刀身いっぱいに巻き付いた布が顕現させた剣は細長く、刃渡は片方のみ鋭利になっていた


…どうみても刀じゃねぇか


刀身は刀、柄は剣というなんとも歪な形をしているけどな


「なんだこれは…なんとも前衛的なデザインだ。だが、興味は湧かんな」


興味が失せたのかカカカ教師は俺の前から立ち去っていった


「お前ら!レプリカの適性検査を私が見たのを確認したら剣を元に戻して後ろで待機しておいてくれたまえ」


せめて布ぐらい外してもいいじゃんかさぁ


俺たちは今訓練場の後ろの壁に寄りかかって生徒たちを茫然と眺めて待機している


「さっきは機嫌悪そうだったけど…今は少しいい?」


ルゥはこちらを覗いた顔を横に少しカクンと曲げて問いかけてくる


かんわいっ


「うん…私もなにか秘めた力があるって分かったから。燃えてきたかな。…ところでさ…そんな機嫌悪そうに見えた?私」


「リュウカは怒ると口調が荒い」


「分かる!男の子っぽくなるよね!」


「お、オホホ。きっと気のせいでしてよ?それよりほら。いい色をした生徒さんがいっぱい……」


なんとか誤魔化しを入れる


「リュウカちゃんが怒ってる時にいつも思うんだけどね?」


話題ずらし失敗…


「なんで自分のこと俺って言うの?もしかしていつも無理して私って言ってるの?」


俺は今、死より危険な話題の渦中にいる


逃げたい!逃げれればだけど……


まるで予め逃げることが分かっていたのか、ルゥが俺の腕をがっちりホールドしている


…しょうがない。何か言い訳を考えよう


「……私には兄がいるって前に言っていたの覚えてる?」


2人ともこくりと頷く


「兄は私がピンチになったときにいつも私を助けてくれて…私はそんな兄の事を慕ってて、逆境に立たされた時は兄のように、兄になりきって突き進めるように兄の真似をして自分を奮い立たせるのよ。別に、どうってことないでしょ?」


嘘を突き通すには真実を混ぜよ


大学の学友がそんなこと言ってたっけ

そいつは確かFXでボロボロになって俺に金を借りにせがんできたんだよなぁ


懐かしい


ちなみに返してもらった記憶はない


もしかしたら大負けしたのは嘘かもな


「…いいことだよ!教えてくれてありがとうね!」


「姉妹の絆……」


しばらく言葉を発していなかった2人は各々違う反応をとる


俺がそれぞれに言葉を返そうとしたその瞬間ーー


「全員終わったようだ!それではこれからクラス編成を取り決める。もう気づいている奴もいるとは思うが、校門付近に毎年見る名簿が無かっただろう!今年からは完全実力順でクラスを編成する!」


カカカ教師によるけっこう大事な話が展開される…が、いまだ拗ねているため話半分で若干聞き流している


「まずは最上位クラスから名を呼んでいく。呼ばれたら前に来い!」


「ルゥ。ラルシィ・シイナ。ガトガノム・ドドルド。・・・・・」


等速に無機質に。まるで興味がないかのような素振りで淡々と名前を読み上げていく

最初の2人は表情豊かだったのに


クラスもどんどん移り変わり、最後のクラス。いわゆる落ちこぼれゾーンにまで来た


まだ俺の名前は呼ばれていない


「…ん?なんか1人多いな…まぁどうでもよかろう。ぺヌト・カカルト。・・・・マオス・アスフォルド。実は今名前を呼び上げた順は魔力量などを含めた総合評価の順になっていてな。お前が最果ての落ちこぼれという訳だ。ランドウ・クタンセア・リュウカ」


ナゼダカヨクワカラナイガ随分と嫌われたな。こいつに


……うん


オレ、オマエ、キライ

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