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ビセア  作者: クルッポー
準備編
27/48

25話 2年前の(1)

「——寝てた」


目覚めの第一声がそれなのは置いといて、目覚めたルゥはすぐさま火球を作りだし…!?


うおっ!!あっぶねぇっ!!


汚れも気にせず靴下のままその場から緊急回避する。


「あはは、リュウカ。大丈夫」


20センチ台のそれをポッと消すと、ケラケラと笑う。


「何が大丈夫じゃい!!危ないでしょうが!!」


「こんぐらいじゃ人は死なない」


やだっ、この子…イカれてる…!?


まぁ…感覚を忘れないようにとかそこら辺だろう。


「ま、寛大なこの私が許してやらんこともないでしょう。」


「…」


あれ?なんか用意してるぞ?あれは…火球?


「!?ちょっと待って?まさか私に打つとか…ないよ…ね?」


「大丈夫。こんぐらいじゃ人は死なない」


「わっ!、ちょっほんとごめんなさい!!ほんの出来心で…勘弁してえぇぇ!!」


死がそこまで迫ってるのを感じる。


あたしゃこんなことで死にとうない!!


「…まぁ許してやらんこともないでしょう」


「まじでありがとうございます…」


うぅ…死ぬかと思った…


…ん?なにか立場が逆転している気がするが…まぁ生き延びれたんだ。大したことじゃない。


「あ、そういえば」


思い出したかのようにルゥは天を仰ぐ


なんの為にかって?


それは時間の為だ

どうやらこの世界、意思を持って天を仰ぐと時間が分かるのだ


前世でもこんな能力があればなぁ…


…変わらんか


「…帰らなくちゃ…リュウカ、今日ありがと。また明日」


「あぁうん。また明日」


何か予定でもあるのだろうか、時間を確認すると仕切りに焦り出し、駆け足で帰っていった。


ポツリと取り残されポカーンとしていたが、ずっとそうしている訳にもいかないので片付け始めた。


トートバックに全てしまい終わり、立ち上がると豪邸の庭の池ぐらいの大きさの池が見えた。

なんの意味もないけど行きたくなったため、池目掛けてぶらりぶらりと歩き始めた。


池に着いた。が…なんで来ようとしたんだろうぐらいしか感想がなかった。

やることもないため、そこに設置された椅子に座りこんで、池をただぼけーっと眺めることにした。



どれぐらい時間が過ぎただろうか


気がつくと隣に少女が座っており、こちらをじっ…と見つめていた。


なんだ?


わけもわからず恐怖を感じる。


「あの…」


「わっ起きてた」


俺の声に少女はびくっと肩を振るわす


「えと…いつから…」


いつからこちらを見てるんだと言いたかったが、初対面と恐怖が相まりこれぐらいの言葉しか発せられなかった。

かなり絞って出した方だと思う。


全く…この2年間で陰キャ度が増しまくってんなぁ〜


「ずっとまえから、声もかけてたのだけれど…」


「ごめんなさい。ところで要件は?」


「あぁ、要件…要件ね…」


何か言い出しづらいのかごにょごにょと口ごもってよく聞こえない。


「その……私のこと…覚えてるかしら…」


………


全く身に覚えがないぞ


ぼっちだったし


もしかして詐欺?俺今詐欺に遭ってる!?


「いいの!全然気にしなくて!サ年前だから覚えてないのも当然よね…」


俺が全く分からないことを悟ったのかそう切り出す。


サ年前とは2年前のことなんだが…おそらくこいつは転生する前に接点があった系の人だ。


「サ年前のいつごろですかね…」


単純に俺が忘れてる可能性も捨てきれないため、時期を探ることにした。


「入学式のギ週間前ぐらいよ」


ギ週間とは1週間なのだが…この人即答してきやがった


…あっれぇ?おかしいなぁ


俺が転生した後のことじゃないすか


待てよ?なら覚えてなくちゃいけないことじゃん。どれだ〜?


少女の顔面を過去に見知った人と重ね始める…

そんなに人と会ってないからすぐに重なるはずだ


………


「あっ!!」


「思い出したかしら!?」


思い出したは思い出したんだが


近いって!


思い出した瞬間ずいっと寄ってきて恋人の距離まで近付いてきた。


そんなに大切だったかなぁ?あれ。


「校門で喧嘩してた少女で合ってます?」


そう、彼女は2年前にトロ爺の後ろで泣いてたオシャレ少女だったのだ。


やっぱり子供って小さな事でも覚えてるんだなぁ

あの1週間が濃過ぎてド忘れしてたよ。


「うっそんなイメージだったのね…」


針に刺されたようにもろにダメージを喰らっている…


「い…いいわそんなことは…そう!私あなたにお礼がしたくて!」


「いやいや!私お礼されるほどのことはやってませんよ!」


本当の本当にやってない。


だってキチガイ少女殴っただけだし


「私…あの時あなたのことが怖くって怯えていたの」


うん知ってた。無視されたことは突っ込まないどこう。


「でも、でも、あの後あなたの「親は子供のために生きてるわけじゃない」って言葉ではっとして…親がいるってことをもっと大切にしなきゃって思って」


大変素晴らしいことなのだけれど…別にそうゆうつもりで言ってないんだよぁ。

親不孝者を叱咤しただけで。


「それでお父さんとお母さんにいつもありがとうって言ったの!そしたら抱きしめてこちらこそ生まれてきてありがとうって言われて嬉しくて、嬉しくて」


あぁ、それは確かに覚えていてもおかしくないな。子供にとって親から存在を認められるなんて1番の幸福だ。


「だからお礼がしたくって…本当にありがとう!」


「それはよかったですね。これからも親を大切にしていきましょう」


この場合俺だいぶブーメラン刺さってるけどな!


いや!?あれ別に俺の親じゃないし!?


「それじゃあ私行くね。ばいばい」


少女は実に晴れがましい顔つきで帰って行った。


そういや名前教えてねぇし聞いてねぇじゃん。

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