21話 生意気な少女
今年こそっ!
その思いで新調した制服に身を通す。
親という後ろ盾が無いために、ギッチギチで学校生活を送るものかとヒヤヒヤしたがどうやらそれは無問題だった。
俺はフユナ先生と度々会っており、その話をした所、なんと無料で頂いたのだ!
なんという気前の良さ!
やっぱ持つべきものは先生だね。間違いない
初めて着用した時はぶかぶかであった制服も今や少しきついぐらいになり無事タンスの肥やしとなった。
使い道があるだろうと思いまだ捨ててない
…あるかもしれないじゃん!使い道!
革仕立てのトートバッグを左肩で支え持ち、家を出る。
鞄の中には水筒、弁当、教材が入っている。
そうそう、一年生の半分を超えた頃から俺は自炊している。
朝食べて余ったものを弁当に入れて持って行ってる。
やはり自炊は最強のようだ。
朝昼でギルドの朝メニューと同じ値段。
安い!安すぎる!
例えば豚、あいつ丸々一個買うと安いんだよなぁ。
まぁ部屋には熟成されて日持ちする豚が宙吊りになっているわけですが
今日は…毎日食ってるものは同じなんだけど…
今日は米、謎のレタスみたいな葉っぱ、豚肉の炙りに塩ひとまぶしを丸底の弁当に下から順で入れている。
毎日それとか飽きるだろと言われるかもしれない。
俺は食事を生命維持と楽しみで分けており、これは生命維持だから苦とかではない。空気何年も吸って飽きないの?と言われるのと同じ感覚だ。
てか言われたら今の俺喜んじゃう
俺の周りの大人2人は俺と同じ思考なので、知り合いが1人以上増えているわけだからだ!
あ、米で思い出した。
どうやらこの街の近郊に湿地地帯があり、米作りに非常に適しているらしい
ま、どうでもいいね
いつも同じ時間に出るため周りを歩いてる学生は顔馴染み(一方的)なのだが…
今日はいつもより学生が多い
俺はいつも早めに学校に来てるのだが…
みんなも気になって早く出たのかな?
あるあるって感じが凄い。
学校に着くと…
やはり看板には人だかりができていた。
看板は全部で8つあり、俺が見ていた入学時見ていたのは八年生の看板だったらしい。
…どおりで身長高い人しかいないなぁと思ったよ!
伝え忘れていたがこの学校は八年生まで学年があり、看板は門の入り口から右に年齢が若いほど遠くにある。
つまり俺がみるべきは最奥から3つ手前
俺はそこの看板を余裕綽綽と眺める。
知っていたのだ
ちゃらちゃら金髪が魔法科を選択してないことをな!!!
もう最高だ〜!!!!
俺は解放された!!!!
…あいつ名前なんだったんだろ
まぁどうでもいいやー
三年生は門を潜り抜けてから直進して1分の右側に見える校舎を使用する。
この学校、校舎が大学みたく複数あり学年ごとに分かれている。
のくせしてクラスは6しかない。
これは、科によって複数の教室を必要とする場合があるためで、一・二年生は同じ校舎にあった。
他にも生徒の自由を尊重するために会議室や勉強室などが各校舎あり、会議室は教室管理長に申請すれば借りることができる。
もちろん学校内にあるものはそれだけでなく、食堂が1つの校舎をほぼ独占しており、おまけ程度にその上の階に図書室がある。
生徒が多く、生徒の食事観念も自由にさせてるので学食もあれば自炊してくる人もいるし食事を取る場所も自由だ。家に帰ってもいいし学校内にある野原の上で食べてもいい。
しかし、教室と図書室で食べることだけは禁止されてる。
理由は単純で臭うからだ。
まぁ…至極当然といえよう。
さて、自分の教室の前まで来た。
教室は校舎の1階にあり、この教室は門から1番離れた所にある。
俺は教室に入り、前から5個目…後ろから2個目の右から2番目の席に腰掛ける。
去年一昨年とずっと端っこだったんだよなぁ
もうそれだけで感動してしまう
1番右もとい俺の左の席には濃い青色の髪の少女が机に突っ伏していた。
ただまぁ…起きてるな
「おはよーう…」
「………はよ…」
女性にしてはだいぶ声が低く、しかし女性らしく透き通った声をしている。
だいぶ間が空いてから返されたがクラスの人と話すだけでもう感動
うっ…涙出てきた
「あなたの名前はなんていうの?あ、いや趣味でもいい。あ、今日いい天気だね。あ…」
「もううるさ……なんで泣いてんのよ」
呆れと驚きが混じった声で返される
「だって学校で友達と話すの憧れてて…」
「勝手に友達扱いすんな。って友達いなかったのか…距離感終わってる人だし仕方ないか。終わってないと寝てる人に話しかけないし」
距離感終わってるのは俺も薄々気づいてるが仕方ない!もう仕方ないんだよ!
「流石に寝てる人には起こしてまで話しかけないよ〜お…私寝るの好きだからなんかこの人起きてるなって。」
「自分が寝てんだから人が寝てるか分かんないでしょ」
んぐっなんだと!?
……反論の余地が…無い
「どうせ友達いないから寝てるけどそれでも暇だから人を観察してたとかでしょ」
「そんな泣かせたい?私のこと」
「いや、もう泣いてるじゃん」
少女よ俺のライフはもうゼロだ。これ以上俺をメンタルブレイクしないでくれ。
「おはよう〜…あれっ?泣いてるの?大丈夫?」
後ろからザ・女の子って感じの声の挨拶が聞こえてきて振り返った。
すると淡い薄く透き通った桃色の髪の少女2は心配そうな表情を浮かべハンカチで俺の頬を拭ってくれる。
「あっ…えっと…あの…ありがとう…ゴザイマス」
「ぷっ…急に話しかけられてからが典型的な会話できない人すぎる…くく…」
よし少女1よ後でお前をぶちのめす
「うわっ!急にすんってなって驚いちゃった…もう大丈夫?リュウカちゃん」
ん?誰だそいつ
………
俺そんな名前だった気がする
自分を鑑定してちらっと表示された鑑定板を見る
あ、俺だわ
「…なんで私の名前を知ってるの?初対面じゃ…」
「え?去年同じクラスだったじゃない」
「えっ」
「え?」
「あはははっ!だめ!げんかい!腹筋死ぬっ!!クラスの人の名前すら覚えてないじゃんっ!!ってか今の間!なにあれっ!あははっ!学校じゃ出席番号しか書かないから自分の名前忘れて今鑑定してたとか?ひーっひっひ!ちょっ死ぬっ」
よしっ!少女1よ。お前は今から処刑することが決まった
俺は少女1がいるところへ俯いて腕をぷらぷらさせながらゆっくり近づく。
「あー腹痛ぇ〜ってなにっ!キャ!ちょやめっ!きゃははははっっ!!!!」
「おらぁっ!!お前なんかこうしてやる〜!!!!」
少女1にこちょこちょの刑を実行し、少女1が椅子から転げ落ちても構わず追撃した。
「きゃはは!ちょっやめて〜!!」
「お前が倒れ込むまでやめんぞっ!」
「もう倒れてるって!!あはははは!!」
「…うるせぇ!気が済むまでだ!!」
「あはは…仲良いな〜」
少女2は呆れた様子をこちらに向けた。
だが俺は!俺が疲れるまでこちょこちょを続けてやる!
「おいっ!お前らうるさいぞ!鐘鳴ってんだから座れ!」
痛って!
バコッと頭のてっぺんを叩かれた。
なんだぁ?
そう思い後ろを見ると…バインダーを手で抱えている男の教師が立っていた
ひぇ〜
もうチャイムが鳴っていたようで俺らは皆んなが席に座ってても続けてたらしい。
皆がこちらに視線を向けている。
恥ずかしいったらありゃしない
穴があったら入りたいね
ついでに攻撃をやめた瞬間思いっきり少女1に足で腹パンされた。
いって!!
もうすぐ後に来る投稿期間の空きから同い年2人の性格及び喋り方が変化します。具体的にはもう少し子供らしくなります
ルゥはかなり変わるかも
このやり取りは気に入っているので変更は加えません




