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ビセア  作者: クルッポー
初めの1週間
18/48

16話 不潔だった

ふむ…だんだんと押し出すという感覚が掴めそうな———


「桐生。何か聞こえないか?」


いきなり肩を揺さぶられたもんで肩がぴょいと跳ねたが、先輩のこわばった表情とその音というものが気になり耳を傾けた。


ピギーッ!!フゴッ!プガーッ!


顔の血の気がスー、と引いていく。

豚の魔物?の鳴き声が耳に纏わりついて離れない。


…あーやっぱ熊トラウマかもな。襲われている声だと思うけれど怖くて仕方ない。


「先輩。俺、ここら辺で熊と遭遇したんすよねー」


「…なんで最初に言わない。…逃げるか」


「全力で。」


心なしか音が近づいてきた気がする。

2人とも同じことを思ったようで、お互いの顔を覗き込むとコクリと頷き——


合図も無しに同タイミングで颯爽と走り出した


「ハァ…ハァ…ちょっ先輩もっ…もう良くないっすか!?」


「…いや…もうちょっとかな」


結構走った気がするが、バテまくりの俺と違い、先輩は全く疲れていない様子であった。


…!?なんなら加速してるんだけど!?


「ッハァッハァッ!…あぁもうスカート邪魔ぁ!!」


走るフォームも崩れてぐにゃぐにゃへろへろになりながら走ること数分…


「…よし、こんなものかな。」


ストップの合図がようやく出たため全身に入れていた力が抜け、膝から崩れ落ちて地面にズサァッと倒れ込んだ。


「ひぃ…ひぃ…もう無理…せんぱ…はぁ…はぁ…はや…すぎ…」


その間先輩は涼しい顔をしてもと居た魔樹海の方向を確認していた。


…運動でもしたろかな!ホント。


俺たちは昼食をギルドで済まし…


というか朝食べた食事は今持ってるコイン1枚分の値段で昼食は1番安くて朝の1,5倍ぐらいらしい。


うーん…上手くやりくりしないと足りないなこれ…


その後、図書館で眠りこけた。

先輩は本を読んでたらしいが、俺は本を開いても意味がないので図書館はもはや眠る場所という認識になってしまった。


いやほんとに図書館の落ち着き度合いはすごい。あのアズサさん…だっけ?俺たちが本を借りたお姉さんが眠たくなるのも理解できる。


その後、風呂がないという話をしていて地図に銭湯と書かれていたことを思い出した。

たぶん家の風呂は使っちゃいけないっぽいんだよな〜

というのも、そもそも存在自体が不明だし、あるとしても母親の不可侵領域内だから使えないのだ。


うし、風呂行くか。


…そういえばこっちきてから風呂入ってないなぁ


くさいかな?

とワンピースや肌に鼻を近づけて嗅いでみたが…分からん。



さて、銭湯に着き、靴を入り口の横側の壁に連なっていた段の間に入れ、入場料を渡し中へと入っていった。


…おぉ!めっちゃ広い!


食事スペース、休憩スペース、子供の遊び場、そして遠くに見える浴槽への入り口。

浴槽の入り口には日本らしく暖簾が付いており、一発で分かった。

それにしても広い。それに限る。これぐらい広いのにその広さを感じさせないほど人も多く、街を支える一環なんだなぁ〜と感心しながら財布の寒さに凍えていた。


そう!もう夕食が食べれない!今はコイン1枚あるが、明日からはそうはいかない。

ここの入場料は昼食のお釣りと同じ値段で、つまりこのコインの半分ぐらいがここの入場料というわけだ

…うん。泣いていい?


本気でお金のやりくりしていかないと足りなくなるな。


…この空気感…コーヒー牛乳飲みたくなってきたな…


はっ!だから金ないんだって!


銭湯の内装についてはそこまでにしておいて風呂に入ろう。

ちなみに着替えとタオルは風呂に行く前に家に取りに行ったので今手元にしっかりある。

俺と先輩はたまに旅行をしていたのだが、そのノリで男風呂に足を踏み入れ———


「だめだよ。そうゆうのが好きな人がいるから君ぐらいの幼い容姿は逆に危ういんだ。だから異性の風呂には入らないでね。」


男風呂に入ることは叶わず、風呂場から出てきた男に優しく追い返された。


てことは…まじかー禁断のエリアに行かなくちゃあならないのか…

気が引ける…だって卑怯じゃないか!女風呂は修学旅行で覗くとかそういうのでいいんだよ!


なんて思いつつ、意気揚々と足を踏み入れた。


え?さっきの?君は建前というものを知らないのかい?


暖簾を手で返し…返…か…届かん。


んまぁ…いいか。


入り口を通ってすぐにある曲がり角を曲がった先の壁にはスタッフが待機していた。


「いらっしゃいませ。こちらお洋服の洗濯を受けたまっております。お風呂をご利用の前にこちらをご利用していただくと、お風呂のご利用後あたりには洗濯をし終え返却が可能です。」


へぇ〜洗濯もしてくれるのか!


その場で脱ぐわけにも行かないので、着替えのエリアで服を脱ぎ手に持ってた衣類を棚の空いているカゴにぶち込んできていた服を渡した。


その間裸。いやん


「はい…承り…ふふ…まし…た…」


スタッフのお姉さんは笑いに堪えながら対応してくれた。女性のツボは分からんな。


さて…


着替え場と浴槽の境のドアの前に立ち、ガラララッと勢いよく横開きのそれを開ける。


眼前に繰り広がる光景に俺は興奮…


ではなく無であった。


あれ?


確かにナイスバディの女性はぎょうさんいる。


しかし、無


…ん?まぁ……いっか

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