9話 先輩=兄=オルト
なろうにはブックマークという機能があるみたいですね。
もっと早く知りたかった…
ブックマークしてくれたら幸いです
「…んー…なんかよく寝た気がするなぁ。お、今日は晴れかぁ明るいなぁ。」
んー朝日を見るなんて久しいなぁ…
「…あ“っ!やべぇ会社に遅れちまうっ!くそっ!目覚ましかけ忘れたか!でも俺いつも目覚ましより前に起きて…ええい!今はそんなことどうでもいい!とにかく支度を!」
布団から体を勢いよく起こし、ベットの上で四つん這いになり
「ってあれ?ここどこ———」
どしんっ
っと自分の身長を見誤ったためかベットから転げ落ちた。
「痛ってー転んじまった………あっここ…」
異世界でした!…はずぅ
理由のわからない恥ずかしさに数秒固まってしまったが、気を取り戻し、地べたにあぐらを描きながら今日の行動予定を脳裏に描き始める。
さて、今日は何をしようか。…トイレ行きたくなってきたな。確かトイレはあっち…
あぐらをやめて立ち上がり、部屋の扉を開け———
「っ!!ーーーー〜〜っ!!!!」
足の小指は扉の向こう…ではなく扉の隙間に誘われた。
こう、おもいっきりガンッ!と…
逝った!絶対足死んだ!痛ぁ…
足の小指を両手で押さえ、声にならない叫び声を上げ続けながら地面を這い回った。
少し経つとようやく我慢できるくらいに痛みが引いてきたので、片足立ちでぴょんぴょんとトイレに入ることが出来た。
え?男のお前がなんで女のトイレの仕方が分かるのかって?だめだよ?言わせないよ?
俺の部屋とトイレ、あと多分先輩の部屋は2階にあり、階段の踊り場に何か箱が設置されてあった。
昨日はなかったような…確認しに行くとその箱は二つ重ねで置いておりどちらも横に『リュウカ』『オルト』と上から順に書かれている。その箱には取手があるのでそれを引くと
ジャラッ
——とコインが3枚出てきた。なんかあの母親が言っていたな。「食費はここに置く」って。
…これ、下の『オルト』って先輩の名前なのかな…
オルドの方が言いやすい…あっでもそしたら召使っぽくなるな。夜になると主人から鞭で打たれ興奮するドM召使い匿名Oさん…しかも結構いけてる顔…
なんてへんな妄想を膨らませてにやにやいると——
「おはよう。朝から嬉しそうだね」
「あっおはようございます先輩」
ちょうどにやにやしていた対象の人が来た。
「先輩は浮かない顔をしてますね」
「…うん。まだ転生したっていう事実が受け止められなくてね…でも、君を見てやっぱり夢なんかじゃないんだよなって。受け止めるしかないよねって…そう、思ったよ。」
「…」
先輩は妻子持ちで子供は一人息子だ。やっぱり子供のことが心配で心配で仕方がないのだろう。
変なこと考えてた自分が悪く思えてきた。反省しなきゃね。
「うんっ!悪いムードになったし話を変えよう!」
「そうですね。そういえば今の俺たちの親に当たる人って若くて美人ですけどトゲがあって感じ悪いですよね」
先輩に近づき、部屋に響かないように小さな声で話しかけた。
「うん分かる。子供に興味がなくて、顔にパックをつけてそのまま寝ていそう。」
「それ、先輩の嫁さんじゃないですか」
「うん?なんで知っているんだい?」
心底不思議そうな表情を浮かべている
「この前呑みに行った時に言ってたじゃないですか。俺その時飲んでないんで覚えていますよ。」「確か…夜起きた時に嫁の顔が月光で見えて…そしたらハロウィンのプレゼントだかなんだか分からないけどゾンビメイクが施された顔パックをしていて卒倒しそうになった…って」
「…覚えてないものだね。」
話がだんだんと盛り上がっていき、次第に声のボリュームが上がってしまい
ガララ…
そのせいで、母親が扉を乱雑に開けこっちにやって来た。
なんだろうと思ったら「うるさい」と気怠げに言われ、俺たちは箱から金を取り出して家を出た。
来週から学校があることを先輩に伝え今から学校に向かうことに決めた。
道中ふと、素朴な疑問が浮かんできた。
「先輩って転生してからいまの今までなにしてたんですか?」
「…あはは。お恥ずかしいことにほとんど部屋に閉じこもっていたよ。」
きっとあの様子からして2日間ずっと悩んでいたんだろう。
異世界にきて浮かれている俺と違って、能天気な俺と違って。
「ということはまだ自分のステータスとかも分かってないってことですよね?」
「あぁうん、確かめようとしたけど無理だったね。」
「ならそれ。ギルドで確認できます!なんなら通り道にあるので寄りませんか?」
「そうだね。そうしよう。それで、どこにあるのかい?」
「ここです」
俺はちょうど横にある建物に指を差した。
これも計算のうちよ
「…近いね」




