アンプのお話
アンプって何？ と言う方がおられたら、アンプとは音を増幅する機械のことです。で、これがないとスピーカーやイヤホンから音は出ません。スマホにももちろん小さなアンプがはいっています。１0円～何千万もする機械も売ってます。
今回は人によっては、「面白くないお話」になるかも。人を選びます。まあ、いつものことなのかな（笑）
500年ほど前、地球は丸くなく平らであるという考えが主流でした。実は今でもそれを信じていて、中学校でもそう教えている地域もあったりするんだよね。それはどこかというと、アマゾンの未開の部族とかではなくアメリカ合衆国の一地方。そこでは宗教が強く、地域としてそう教えているとのこと。あと日本にも信じてる人が少しいるみたい。
うーん、まあ何を信じるかは自由なんだけどね。
中世よりはるか昔、今から2000年ほど前のギリシャ時代にはすでに「地球は丸い」ということを知識人は知っていて、地球の直径なども、太陽の影からほぼ正確に計測されていた。
しかし中世ヨーロッパではそういうことは無視された。「それは理論的でない」と。
中世ヨーロッパで「地球が丸い」ということを言う人がいたら、「ではなぜ海の水がこぼれないのか？」とか「何が支えているのか」とかいろいろと理屈を交えて言われただろうなあ。重力なんてことは当時の人は知らなかったのだから、それに対する答えはなかったはず。ま、ガリレオがでるまでは。
実際にマゼラン（の部下）が地球を一周しても、地球は平らだと主張し、信じなかった人もけっこういたみたい。当時は「丸い」ということも多くの人に知られていたんだけどね。
さて別に何を信じるかは個人の自由だし、どうでもいいといえばいいことなんだけど……しかし今現在において、自分に対し面と向かって「地球は平らなんだよ」と言われたぐらいなら「そうですか」と苦笑いで済ませられるけど、「地球は丸いなんて、なにを馬鹿なことを言ってるんだ」と言われたら、うーん、と唸って、ついつい真実を教えたくなってしまう。
おせっかいなことなんだけどね。
証明するのは難しくはない。たとえば東に向かってどんどん歩いていき、海にぶつかっても船でさらにどんどん東に渡っていけば、最終的に元いた場所に戻ってくる。まあ大変だけど現代なら不可能ではないはず。実際にしてみれば地球は丸いってことが誰にでもわかると思うんだけどね。……無理か（笑）
でもそういうことをしたとしても、信じたい人は、いろいろ理屈をつけて反論するのだろう。マゼランの時のように。
マゼランも「なぜ水はこぼれない？」とかいろいろ言われたんだろうな。「理論的に間違っている。だから地球は丸くない」とか。当時は重力のことを知らなかったからなんだけどね。そして地球一周を信じない人もいた。自分で一周してみればわかるのに（笑）
ところでアンプのお話です。
まず第一にアンプを変えると音が変わるということから、お話したいと思う。
なにをあたりまえのことを、と言うなかれ、実は「アンプを変えても音は変わらない」と信じている人もいるのです。それもけっこうな数。
中にはユーチューブでいろいろな計測器具を使ってそれを証明（？）したりしてる人もいる。
「ほら周波数も、出力も変わらないでしょ？ アンプで音は変わらないんです」
などと、だいたいはオシロスコープで波形を取って、比較することで調べる方法。一見すると科学的のようにも見えるんだけどね。
まあ、これを信じちゃう人も結構いるんだろうなあ。毎回だいたい２～３万の人が見てるみたいだし。
ブラインドチェック（音だけ変える）とかも動画にいれて「違いわからないでしょ？」と主張する。
……いやyoutubeの音をスマホのイヤホンで聞いても、そりゃわからんって。
そもそも周波数特性とか、出力調べたって何もわからないよ。同じ音源使ってるんだから、そこでオシログラフのグラフ見たってそんなに違い出るわけないでしょ？ むしろ見てわかるぐらい違いが出てたらたいへんだよ？ そのアンプ壊れてるから。
たとえばウィーンフィルハーモニーと普通の大学のオケ、まあ失礼かもしれないけど音の違いはあるよね。でも周波数特性そんなに違う？ 出力は？ グラフにして見てわかるほど違ってはないよね？
他にもアンプの違いはないと主張する人があげる証拠としては、有名なところでは、いわゆるオーディオ専門家と呼ばれる人達が、某有名オーディオ雑誌でアンプのブラインドテストをしたところ、皆はずれて安いアンプが一位を取ったという例をあげる人もいる。
いや、その一度だけでしょ？ そのあともその前にも何度も同様のチェックしてるでしょ。その時の結果は全部無視？ しかも、その件に関してもアンプの音に違いはあるってことは否定されてないよね？
でもいろいろと理屈をつけて「アンプの音は同じ」ということを主張してくる人たちがいるんですよ。
「理論的にアンプの音は変わらない」って。
で、自分としてはそういう人たちには、もう明確に言いたいと思う。
「実際に聞いてみて」と。
youtubeじゃなく、イヤホン・ヘッドホンじゃなく、ちゃんとしたスピーカーで聞いてみて。
違いが判るはずだから。自分にとって「いい音」がするアンプが必ずあるはずだから。
もちろん高いのがすべてすばらしいわけじゃない。安いのだっていいものはたくさんある。高いものの中には外側だけごっつい金属製のもので造って中身はパナの安い機械をそのまま入れて何百万で売ってるメーカーもある。
そういうものにごまかされないようにするのは大切だけど、でもアンプを変えたら音は変わる。これは真実なんだよ。どう理屈をもてあそぼうとも「実際に聞いてみれば」わかること。動画とかではなく本物を。
まあ人は信じたいものを信じる。それでいいんだけど……ね。
でも「アンプはどれを使っても同じ。なにをメーカーや雑誌にごまかされてるんだ」と言われたら、うーん、と唸って、ついつい真実を教えたくなってしまう。
おせっかいなことなんだけどね。
でも近所のヨドバシとかに行くだけだから地球を一周するよりは簡単だよ(笑)
蛇足
ちなみに自分はアンプをいくつか持ってるけど、全部ブラインドチェックできます。ただyoutubeの動画のブラインドチェックははずれることも多いけどね。 困ったものだ（笑）
配信者が実際には音をいじってわからないようにしているんじゃないか、なんて疑ってしまうよｗ
蛇足の蛇足
「変わらない」と主張する方のお話だと、ショップでは店員がわざと音量のボリュームを変えて、お客さんに違ってるように思わせ、高いものを買わせるそうです。
いや自分、ショップで試聴の際、自分で音量調節したりイコライザーいじるの禁止されたことないんですけど。オーディオフェアとかで、たくさんお客さんがいて混んでるとき以外では。
なんか平気でうそと言うか誤情報を流してる人って……まあYouTuberとしてお金儲けのためなんだろうけど、でもそういう人に騙されないように「自分で」確かめることが大切だと思います。特に若い方は。
ヨドバシに行くだけなんだからさ。
