「わ、わんす。うぽん、あ、たいむ」で英語が嫌いになりました。
中学生って多感でいろんな珍事件を起こしますよね。その度に傷つき一生モノの傷を負うことになります。私はあることがキッカケで、英語が一時期大キライになりました。
理由はいたってシンプル。筆記も聴きとりも両方苦手だったからです。というか、一日中ずっとゲームをしていました。勉強も塾も無関心。成績も低い落ちこぼれさん。
何の根拠もなく、好きなことをして生きていく! 何かようわからんが「声いいね」って言われたから声優になる! くらいのドーナッツ脳で生きていました。阿呆ですね。はっはっは。
しかし、英語の演説テストだけは避けられません。ペーパーテストは、おバカがまだ隠せます。成績を他人や友達に見せなければ(多分大勢が気づいていたと思うけれど……)。
しかし、英語の演説テスト。お前は駄目だ。
教科書の本文を身振り手振り付けて暗唱し、拍手を貰う同級生。私の番になる前に(早く授業終われ!)と何度祈った事か。その念も虚しく私の番に。
「――それでは、いくとさん、はじめて」
ちょっと気の強めな先生が急かしてきます。大勢の人がこちらを見ている。今から苦手な英語の演説が始まる。ドキドキ。
(私めっちゃ注目されてる!)
ついには、頭の中が空っぽに。きっと顔はまっかっかだったと思います。驚くほど静かで、みんな真剣なまなざしを向けてきて、とてもじゃないけれど「てへへ~忘れちゃったー」とは言えない雰囲気でした。
……ごくり。
ついに決心して、覚えている言葉をたどたどしく口にします。
「……わ、わんす。うぽん、あ、たいむ……」
(⁇⁇⁇)
しばらく沈黙が続きます。泳ぐクラスメートの目。先生が冷静に「ワンスアポンアタイムね」と流暢に正して一人だけスッカスカな拍手してくれました。周囲はクスクス笑っている状態。どうせなら大爆笑してほしかった。
そう、
ト ラ ウ マ ! なのです‼‼
そこで悔しがれたら良かったのですが、へし曲がっちゃって、英語そのものを嫌いになってしまいました。それは大学生まで続きます。ホント、何度も落単しました。
そんな私の対海外の人への対応は、
「あいきゃんとすぴーくいんぐりっしゅ。そり」
です。この撥音だけは綺麗に言える。自信ある。
でも、ふとした時に、大人になって『スカボローフェア』という小か中学校で習った曲を再度聴くと、ドハマりしたのです。『パフザマジックドラゴン』や『トップオブザワールド』など、スローテンポでメロディアスな洋楽もたくさん聴くようになりました。
時々、曲に合わせて英語の歌詞を口ずさみます。好きなミュージシャンが英語の歌や、英語のコンサートのタイトルを使用しているのも大きいです。
人って興味が湧けば、人並みの英語が出来る(読める)ようになるのですね。でもやっぱり、英語の発音は苦手です。歌うのは好きですが……。
最後までお読みいただきありがとうございます!
脱字報告ありがとうございます!