讃えよローソンを
我は思う。
讃えよローソン。
午後三時なのに『帰っていいよ』あなたが神か。日給も全額支給らしい。
ウッキウキで帰る週末のお供はローソンが開発した刺身シリーズ。
こいつはローソンが生み出した独自技術により、新鮮極まりない刺身を流水だけで食べられるようにしたマジで環境に優しく、電子レンジなどの文明の利器をまだ買えない新社会人に優しい逸品である。
もちろんスイーツも忘れてはいけない。以前に出ましたまんまサツマイモやん! なのもよかったし、最近ではセブンイレブンに負けてない。いやいやファミリーマートだってだ。
でも酒はセブンイレブンの100円のやつ。
これは基本だ。とりあえず酒と一緒に防水と保温の弁当入れに。
電車内で飲食は昨今のコロナ禍では忌避されるが、やったらいけないことほど面白いとは不良のすることというか、人はやる。人がやっても俺は我慢するの精神で行きたい。
「うっせーんだよ!」
なんか子供泣いている。
半泣きであやすまだ幼げなお母さん。
ちょっと片言のおにーさんがキレてる。
山陽電鉄は自社で新しい車体を作っていない。
阪神電車と阪急電車との連携がいいが阪神阪急のWi-Fi接続はつかない。
区間定期を買う時は山陽電鉄で買う必要がある。
そんなローカル線でキレてるにーちゃんと切れてる刺身もったぼくと誰彼問わず謝る相手を求めるような女の子。すわ修羅場。
「だから子供なんていらないって言っただろ!」
黒いぞ君。
半泣きの女の子の前に立つぼくの視線は赤ちゃんに。
「あばばば! めっちゃ赤ちゃんかわいいよね!」
そうしてあやしていると隣の車両に逃げてケータイ弄ってたにいちゃんが「どけ!」と戻ってきた。
「ふん!」
彼が赤ちゃんを抱くと瞬時に赤ちゃん笑い出す。
どうやら父親を求めていたらしい。
こういうことって結構あるよね。
ぼくは席に戻り、酒を開けた。
明石大橋を超えて目指せ大阪。
寝過ごして阪神電車尼崎いって梅田経由で帰ったのはお笑いぐさ。
刺身の存在を忘れていたのは月曜日朝になって弁当箱を詰めようとするときである。
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女の子:「(寝てる……?)」(※村上 リコ『図説 英国貴族の令嬢 (ふくろうの本)』の新旧版を手に持ちながら)