金曜日はジャガジャカ
庭はスケートボードローラースケート自由(※『自己責任! 要保険! 隣のビルの保険屋さんおすすめ!』)と書いたスケートボードパークで連日子供たちが騒がしいし、晴れの日は屋台スペースにカフェなどが出店している。
一階はコインランドリーとコンビニ。
二階は24時間ジム。その天井は三階と一部共有している。
三階はライブハウス。二階から伸びるボルタリング壁がナイスビジュアル。
そんなビルの四階に僕は住んでいる。あ、ビル北側はプロ用ボルタリング壁になっているから地元では目立つよ。
五階と六階はトイレ風呂洗濯機干し場共用のシェアハウス、寮としての利用はお一人様から可能。
基本、このビルはジャカジャカジャカとする音楽と外の子供の声さえ我慢できればいいビルだ。お袋が芸能人かなんかやってた時のお金で買ったものらしい。おかげで服飾科行きたいといったとき断られたが、今では僕の暮らしの基盤になっているので評価しがたい。
ちなみにこのビルの屋上には犬や猫を放して遊ぶ庭があり、やや本格的なトランポリンとスラックラインの設備がある。
冷静に考えたらおふくろ、めっちゃ金持ちかもだが、自分で稼いだものではないので興味がない。親父はクソがつくほど真面目な、どこにでもいそうなサラリーマンなのにどうしてこうなったのか。
補足。スラックラインってのは綱渡りとトランポリン競技とスケボーを足したようなもので、数々のキメポーズやアクションをやるものだ。
今日はバイトもなく、あちこち出歩く用もないので部屋にいる。
金曜日にしては珍しい。とりあえず昼間からビールだ。
黄桜の米ビール、『悪魔のビール』を開け、ぼんち揚げを咥えて寝転がる。
クソ暑き。クソだりい。タンクトップにボクサーパンツの半裸といっていいカッコでだらけていると。
「……」
全身布で覆ったモコモコが扉を開けて立っていた。
僕は彼女の連れに急かされて服を着る。この暑い中黒スーツとかお前こそ脱げ。
彼は何度もノックをしたことを説明し、彼女が辛抱出来ずに扉を開けて入ってしまったことを謝した。
そして彼女がしでかした先日の凶行の謝罪に来たこと、怪我はないかと問われるのだが、さっきから彼女は一言も話さず。
「我々の国では未婚女性は夫や家族以外の異性とは話しません……のですが」
ややこしい風習だこと。
僕は黒服さんに薦めたものの拒否られたホームランバーの、今では棒だけになったままのものをカリカリ齧っている。
あらためて彼女は深々とお辞儀をする。
「あ、あの……」
「黙って」
あらためて声聞いたらかわいい声だな。
しかし黒服に何か言われて黙り込むと、彼女は去っていった。
もうちょい聞かせても良いだろうに。
彼女らが去ってから、僕は自宅であることもありぺた胸メーカー・ライトをつけてなかったことに気づいた。
「まあ、過ぎたことは仕方ない」
僕はロングウィッグとボンテージルックに身を包んでから、大正琴にアンプをつけ、少し喉の調子を整えて、軽く歌いに行くことにした。
歌うなら酒なんて呑まなきゃいいのだけど、まあいいや。
主人公「ちなみにEある」
女の子「……」(←Cカップ)




