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命懸け

 突然の声に少々驚いたが彼は冷静に皮肉を言った。


「お前がいたって俺の『無』に変わりはないぞ」


自覚があったとはいえ自分の一生を『無』だと言われた男は

彼女に腹を立てていた。


「にしてもどうして前世の記憶なんか残してんだ。せめてそ

れくらいは消しておいてくれよ」


「あら?要らなかった?ごめんなさい。あはは。でもいいじゃ

ない。それがあるからこそこの世界で人生の価値を見い出せ

るってものだよ。あ、そうだ。また自殺なんかしたら『もう

一周』だからね。私だってあなたの人生プロデュースなんて

ごめんなんだから、死ぬならせめて命を賭けて死んでよね」


「そりゃなにかに命賭けられるようになったらいい人生だろ

うよ。ま、俺には縁がないかな」


「それでも賭けなきゃいけないよ、ここではみんなそうして

生きてるの。もう前みたいに勝つか負けるかじゃないの。生

きるか死ぬかなんだから。素敵でしょ」


 目の前で起こっている出来事に関しては今目の前を飛んで

いるやつのおかげで疑いようななかったが、目の前の仮にも

天使と名乗った者の発言はにわかには信じがたかった。


「今なんと言った?負けたら死ぬってことか?それならギャ

ンブルなんてしないぞ。そんなことで死にたくない」


「そうもいかないんだって。あなたどうやってご飯食べるの

よ。ここはね、この国でも1番貧しい地域なの。お金が欲しけ

れば勝つしかないのよ。で、あなたかけられるものといえば

命しかないってわけ、ほら、ちょうど1時間後にあるゲームに

参加義務が発生してるよ」


手首の時計の文字盤が変化し、地図が表示された。


「行かなかったら死ぬよ。酷いよね。救済と称して、無理や

り命賭けさせるなんて、ま、これも国の政策のひとつ、体の

いい人口削減ってことね」


 体すらよくないじゃないか、というセ台詞は出てこなかっ

た。ただ黙って会場へ向かう。そうしなければ死んでしまう

のだ。どうやって死ぬのかは想像もつかない。道中天使がそ

の説明をしていたようだが聞く気もなかった。


 会場に到着し、男の凍りついた口が開く。肝はまだ冷えき

っていた。


「お前、名前は?」


「私はセラ、あと言い忘れてたけどあなたの名前、この世界

では『シン』ね。私が決めたの。素敵でしょ。よろしくね!」


「ああよろしく。そんでどっか行っててくれ。」


「......分かったわよ。でもずっと見てるからね」


 会場では、ゲームマスターを名乗る男がゲームの説明を始

めた。


「今宵、皆様の命運を決定致しますは、『五人一脚ポーカ

ー』です!!!』

2話です。感想、評価待ってます。

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