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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ハットトリック・ハートトリック・ハットリくん

作者: 田池 多季

「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」9月24日放送分(https://www.youtube.com/watch?v=WPK978kAKIg)を聴いたら、ハットリくんネタ以外は思い浮かびませんでした。


BL要素が苦手な方はご注意ください。


本作は、「第3回『下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ』大賞」応募作品です。


服部ハットリ君は、恋のキューピッドだ。これまで何人もの男子の恋を成就させてきた。


彼はサッカー部に入っていて、試合でハットトリックを決めるほど優秀な選手だ。だから、全校女子の憧れの的で、彼の名を知らない子はいない。


意中の女子のことを伝えると、服部君は、依頼主の良い噂が女子の間で流れるように仕向ける。依頼主の顔立ちや性格などを褒める話を、女子の前でチームメイトとする。しかも、他の女子と仲良くしているような素振りもする。そうすると、ターゲットの女子は、高嶺の花である服部君を諦めかけて、依頼主のことが気になり始める。ここで依頼主が告白すれば、女子のほうも悪い気はしないので、恋が成就しやすくなる、という寸法だ。


けれど、そんな服部君にも、苦戦する依頼主がいた。


「玉砕だったよ、服部君」


「またかよ。相手をコロコロ変えるのがいけねぇんじゃねーの」


野球部の三葉ミツバ君だ。何人もの女子に告白しては振られて、服部君に泣きついてくる。


でも、私はこの二人、どこか怪しいと思う。


この前、女子から三葉君について聞かれたことがあった。ところが彼女は、振られた、と三葉君が以前言っていた相手だった。


告白されて断ったものの、後になって気になり始めたということかもしない。私は思いきって、告白されたかどうか尋ねた。


するとどうだろう。彼女は、三葉君をグランドで見かけたことはあっても、直接話したことはないという。


気になって、三葉君に好意がある振りをして、周囲の女子に彼のことを尋ねてみた。どこにも、彼の噂は流れていなかった。


つまり、三葉君は女子に告白しておらず、服部君も三葉君の噂を流していない。


服部君も不思議だ。彼自身、女子にモテモテなのに、誰かと付き合っている様子はない。たまに噂は聞くけれど、いつも相手の名前が違う。


だからこそチャンスがあると思った女子が集まるわけだが、彼は、女子と男子を次々とくっつけてさばいていく。


「やっぱり、おれの魅力が伝わってないと思うんだよ」


三葉君は、服部君に文句をつける。


「そんなことねーよ。いつも元気で明るいし……。こうなると、もっと三葉のこと、知らないとダメなのかな」


「じゃあ、今度の日曜に遊びに行こうよ。部活休みだろ?」


三葉君は、急に明るい顔になって服部君を誘った。


これってつまり、そういうことよね?

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