独白。あるいは慟哭
誰も、わたしを望んでない。
――彼の者は何も望まない
生まれた時からわたしのそばにいた大人は、みんながわたしを出来損ないと呼んだ。
――欠陥、欠落、欠損、言葉などどうでもいい
『忌み子』。意味はよく分からないけど、みんなから嫌われてることだけはわかった。
――忌まわしきはこの血か、それともこの魂か
友達なんていない。昔は近くにいたはずの歳の近い子供たちはみんな、わたしとは遊ぶなって親に言われたらしい。
――孤独を喰らい、呪いは昏く染まりゆく
それからは、ずっとひとりで、部屋で本を読む毎日だった。
――侵食せしは愚王の遺産
なのに。
――故に
わたしにとっては物語が、本が、唯一の心の拠り所だったのに。
――その記録は、生命を侵し
それさえも、取り上げられた。
――別離と共に胎動を始める
ああ、なんだろう、この気持ちは。
――未知は既知となり
胸の中に、何かが詰まってるような気がする。
――退屈は
吐きそう。
――神をも堕とす毒となる
わたし達の体は、そんなことできるわけがないのに。
――異常が、不可能が脳を狂わせ
これも、わたしが出来損ないって呼ばれる理由なのかな。
――かつていまし、愚かな王を呼び覚ます
悲しい、寂しい、辛い。
――捧げよ、王への供物を
負の感情はわたし達には文字通り毒だけど。
――漆黒に染まりゆく願いを
それを止める方法なんて知らないし、誰も教えてくれない。
――崩れゆく自我を
暗い部屋のなかで、何もせずにただ時間を過ごす。
――虚無に抱かれた欲望を
負の感情からくる痛みがわたしを苦しめる。
――痛みを殺す絶望を
だけど、今はその痛みだけがわたしが生きてる実感を与えている。
――その全てを、彼の者に捧げよ
なんでわたしはこうなんだろう。
――謳え、己が悪意を
なんでわたしはみんなができることが出来ないんだろう。
――嗤え、憎き世界を
なんでわたしはみんなの期待に答えられないんだろう。
――望め、穢れし願いを
ごめんなさい
――讃えよ
出来損ないでごめんなさい。
――愚かな王の再臨を
『忌み子』でごめんなさい。
――強き王の再誕を
生まれてきて、ごめんなさい。
――汚れた世界の、終焉を




