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8-14:疼く心

真っ暗だ。

真っ暗な空間の中で、ぼんやりと浮かんでいる。


前にも似たような光景を見た気がする。

まるで自分だけしか存在しないような、真っ暗な世界。



ふと、光が現れる。

人の形のようにも見える光が、真樹の前に現れた。


だが、その光は徐々に姿を変え、獣を思わせる形状へとなっていく。



…どくん!



妙な胸の高鳴りを感じる。

自分の中で、何かが叫んでいるかのような。


光の獣は、目の前でどんどんと巨大化していっている。

それに合わせて、ドクンドクンと鼓動が早くなる。

何かに突き動かされるかのように、真樹は光へと手を伸ばし……






「んぁ…………?」

「うふふ、ようやくお目覚めね♡」


目を覚ました真樹は、カグヤに膝枕をした格好になっていた。

カグヤの膝の上で、猫よろしく髪を撫でられていたのだった。


「可愛い猫ちゃんは、撫で回したくなるものよね~♡」

「はれ……私は……?」


まだ目覚めたばかりで、頭がぼんやりとする。

だが、頭が徐々に覚醒するにつれ、自分が今どんな状況か把握する。


「そうだ、試合は……っ!」


がばっと飛び起きる。

…が、身体の節々が痛み、すぐにカグヤの膝に顔面ダイブで倒れ込んでしまった。


顔だけでも動かしてカグヤの顔を見ると、妖艶な巫女さんはニコニコと微笑むのみ。


「そっか……私、負けちゃったんだ……」

「うふふ、そこはちゃんと覚えているのね」


がくりと項垂れる真樹を、カグヤは優しく撫でる。


「神氣、すっごいことになってたけど思い出せるかしら?」

「はい……うっすらとですが」


カグヤの膝を枕にしたまま寝返りを打ち、仰向けになってカグヤのことを見上げた。

微笑む彼女からは、試合中に感じた殺気や圧力は全く感じない。

強者としての気配をここまで自在にコントロール出来るものなのかと、真樹は感心してしまう。



ふぅっと息をついた真樹は、試合の出来事を反芻する。

やや朧げながらも、自分が試合中に何をやったかは思い出せる。



カグヤにトドメを刺されそうになったあの時、自分の中から凄まじい衝動が生まれたのだ。



負けたくない、死にたくない。

恐怖と焦燥がピークに達した時、自分の内から力が溢れるような感覚がした。

それを止めることなく、衝動の赴くままに力を解放した。



その結果、理性を失い、獣のごとく暴れ回ったのだ。



幼い頃に初めて覇氣を成功させた時も、内から込み上げてくる力に振り回されたものだが、その時とはまた格段に違う。

自らの力を制御することも出来ず、本能のままに暴れまわるなど、武術家として未熟極まりない。


正直、相手がカグヤでよかったと思っている。

並の格闘家では、暴走する自分のことを止めてもらえなかっただろう。


だが、自分の覇氣がどうして暴走してしまったのか、あそこまでの力を引き出せたのかは、いまいち理由がはっきりしない。

まさか本気で殺されると感じたから?

だとしても、自分の中にあんな力が眠っていたなんて知らなかった。


「私は……私の身体は、一体……」

「そうねぇ、覇氣の進化系……貴女が神氣と呼んでた力を引き出せるだけの器は出来てたってことかしら」


ニコニコとしたままカグヤは答える。


「くすくす、正直驚いたわ。

これほどまでの力……いや、欲望を隠してたなんて。

身一つで裏社会に飛び込んでくるわけだわ。

その衝動の赴くままに、ってことかしら。

嫌いじゃないわよ、そういうの♡」

「へ……?」


カグヤの言葉の意味を測りかねて、真樹はきょとんとしてしまう。

その様子がおかしかったのか、くすくすと笑うと『そうねぇ…』と一言ついてカグヤは言葉を紡ぐ。


「覇氣とは、命の力。

命とは、夢・希望・野望・衝動……すなわち欲望によって膨らんでいく。

私は、欲望なき者に命は宿らないって思ってるわ」

「命は宿らない…?」

「うふふ、それ以上は宿題としましょう。

貴女はこれからもうひと頑張りしてもらわないと♡」


…そうだった。

自分は負けたのだ。

このゲームの敗者には、もうひと仕事待っている。


どうやらカグヤは満足のいく説明をする気は無いらしい。

まずは敗者の義務を果たしてから、ということか。


「いやはや、凄まじい試合だったぜぇ!

マスタークラス相手にここまでやれるたぁ、みんなも驚いたことだろうよ!

さぁて、猫耳ルーキーも無事に目を覚ましたわけだし、そろそろ進行させてもらうぜ!」


リング外の実況席にいる男が、マイクを通して宣言する。


「まずは賞金の発表だな!

勝者カグヤに送られる賞金は、3204万(エン)

マスターにしちゃ、ちょい少ないか?」

「うふふ、今日は仕方ないわね。

なんたって、この子が相手だもの」


カグヤはまた真樹の頭を撫でる。

今回の注目選手が真樹の方であるのはよく理解している。

マスタークラス相手に挑むルーキー。

ほぼ敗北が約束されているとなれば、真樹の方に賭ける者が多いであろうことは想像に容易い。


「はっはっはー、その肝心な真樹ちゃんに賭けられた金額だがなぁ…」


実況はそこで一度、言葉を切った。




「なんとっ、5106万5100(エン)!!

聞いて驚け!

真樹ちゃんは今日から5000万の女子校生だ!!」

「「「うおおおおおおおおおおおおっ!!!!」」」


1試合で動いた金額としては、真樹の試合の中では最高額。

それでなくとも、いち女子校生のためにそれだけの賞金が賭けられたのは異常だ。


「残念ながら賞金は没収だが、一年目の新人が叩き出せる額じゃねぇ!

これでより一層注目が集まるってもんだぜ!

そんだけでも、この無謀な挑戦をした甲斐があったんじゃねぇか?」


実況の言葉と共に、観客席からの雄叫びのような声援がコロシアムに響く。

今回の試合を以て、更に注目度が高まることになるだろう。

もっとも、その期待は今、真樹のカラダに注がれているのだが。




そして、これだけの超高額商品にもなれば、イレギュラーな出来事だって起こる。





「それじゃあ、せっかくだからその5000万のオンナノコのカラダ。

私が味見しちゃおうかしら♡」

「へっ……?」


何やら不穏な言葉がカグヤから出てきて、真樹は思わず目を丸くする。

にやりと笑ったカグヤは実況席に向かって、手を上げて宣言した。


「運営!

『参加権』の使用を要請するわ!

資金は、今日の私の賞金全部!

たぶん、足りるでしょ!!」


聞き慣れない単語を放つカグヤに、またしてもきょとんとなってしまう真樹。


「おぉ、やっぱそう来ると思ったぞ?

安心しろ、足りてるぜぇ!

ちょっと危なかったけどな!

ちなみに今日、真樹ちゃんに一番賭けてた奴は3000万(エン)出してる。

ルーキー相手に3000万もぽんっと出せる、とんだ御大臣がいたもんだぜ」

「へ……?へ……?」


とんとん拍子に進む謎の権利に、真樹は困惑しっぱなし。

そんな真樹のことを愛おしそうに撫でながら、カグヤは嗤う。


「うふふ、参加権っていうのはね…

文字通り、試合に勝った女戦士ヴァルキリー自身がペナルティに参加できる権利のことよ。

もちろん、襲う側でね♡」

「ふえぇっ!?」


素っ頓狂な声が思わず出てしまう。


「まぁ、勝者特権のひとつよ♡

本来、敗者を弄ぶ権利は、大金を出してるお客様が持つべきものだけどね。

それ以上のお金をその場で支払えば、特別に追加参加させてもらえるのよ。

具体的には、1番高く賭けてたお客さんよりも多い金額。

今日ならば3000万ね」


ニコニコしながら説明するカグヤだが、徐々に邪な気配を醸し出している。


「ヴァルキリーゲームズのお客さんは大半は男性だけど、女性のお客さんが稀にいることも知ってるでしょ?」

「えとえと、つまり…」


出来れば理解したくない状況について困惑する真樹を見て、カグヤはじゅるりと舌なめずり。


「今から私も、貴女を食べる狼さんってコト♡」


ちゅっ。

そのまま、真樹に顔を近づけ、口付けをした。


「むぅっ!?むぅーーっ!?」


いきなりの接吻に驚愕する真樹。

だが、顔はしっかりとホールドされて離してもらえない。

無理やりなキスを止める気配はなく、ぐいぐいと舌をねじ込まれる。


「んふぅーーーっ、んんーっ!?」

「うんんっ……んふっ♡」


いきなりのチュッチュレロレロな展開に、真樹は目を丸くして困惑するのみ。

だが、口は見事に塞がれてしまい、抗議の声を上げることすら許されない。

もう、真樹のことを弄ぶペナルティは始まっているのだ。


「おいおい~、あんまフライングすんなよ~?」


実況からも流石にツッコミが入る。


「おっと、ごめんなさいねぇ。

可愛い女の子を前にするとつい、ね♡」


さすがに実況席からの突っ込みには素直に応じ、カグヤは口を離す。

いきなりの口撃にドキドキしながらも、真樹は率直な疑問をぶつける。


「はぁ、はぁ………わ、私のために、賞金使っちゃうんですか…?」

「貴女を食べる方が価値があるかなって♡」


真樹からすれば、せっかく手に入れた賞金を手放して敗者を弄ぶことをする選手がいるとは思わなかったのだ。

そこまでする価値が自分にあるとも思っていなかった。


だが、カグヤは元より、これを楽しみに女戦士ヴァルキリーを続けているといってもよかった。

『最強の痴女』の異名は伊達ではない、生粋の色欲魔なのだ。


そもそも、マスタークラスの選手ともなれば、1試合で億単位の賞金が動くこともザラである。

このくらいの金額はもはや端金。

可愛い女の子とお楽しみ出来るタイミングがあるなら、むしろ使わなければ勿体ない。


「それに、あやうく忘れるところだったわ。

ここはイズモ・コロシアムだもの。

ちゃーんと拘束しないとねぇ♡」



ニヤつきながらそう言うと、待っていましたとばかりに、天井から枷付きの鎖が降りてきた。

大山や香澄のペナルティでも見た、敗者を捕らえる拘束具だ。

更にカグヤは、懐から黒い布を取り出すと、真樹の目に巻きつけていく。


(暗っ…!)


視界を奪われ、何も見えないことに思わずビビってしまう真樹。

そんな真樹の手を取って手枷を取り付け、腕吊り状態で吊り上げる。


「うっ……んっ……」


やはり恐怖心はあるのだろうか。

思わずうめき声が出てしまった。


拘束状態からの、道具ありありの拷問体験。

それが、イズモ式のペナルティ。


真樹はさっそく、宙吊り女子校生となってしまった。

両手を封じられ、もぞもぞと動くたび、スカートがひらひらと揺れる。

そんな自分に、複数の人物が近づく気配がする。


「いやぁ、まさか金額トップの座を取られちゃうとはねー」

「や、ヤミトさん……まさか……」


聞き覚えのある男の声がする。

顔は見えないが、優しそうな童顔で爽やかな笑顔を振りまいているのが容易に想像できた。


「やぁ、真樹ちゃん。

お察しの通り、僕が3000万出した御大臣だよ☆」

(ま、またこの男はーーっ!!)


どういうわけか自分のことを気に入っているらしいこの青年イケメンは、あり得ないほどの大金を自分に注ぎ込んでくる。

そのせいで、自分はとにかくヴァルキリーゲームズで目立ってしまうのだ。


ある意味、自分が超新星として持ち上げられる元凶と言っていい。

大ファンとして大金はたいて応援してくれている、といえば聞こえはいいが。

実際のところ、自分の手で注目させた選手を、自ら弄ぶ変態でもあるのだ。


彼が自分目当てで動いているならば、ここに出てくるのは予想できた。

だが、ふと気づく。


「…あ、あれ?

そういえば、大山ちゃんの分を使ったんじゃ…?」


確かこの男は、先の対大山戦で大山に賭けてたはずだ。

そこでも賭け金トップだった彼は『お預けの権利』とやらを使ったはず。

実質、この試合のペナルティにはタダで参加できるはずだ。


にも関わらず、なんでまた自分に大金を賭けているのか。


「あぁ、その権利ね。ある人に譲ったんだ。

ちゃんとこの場にも来ているよ。

一緒に真樹ちゃんとお楽しみするためにね♡」


ニコニコと笑っているのだろう、楽しそうに答えるヤミト。


「にひひ、まさか真樹ちゃんをエッチな目に合わせられるのが、こんなに早く来るとはねー」

「か、香澄ちゃん…!?」


また聞き覚えのある声だ。

楽しそうな少女の声は、二つ前の試合で自分が打ち倒した相手、香澄の声だ。


「うん、彼女に譲ったんだ。意外とノリノリだったよ」

「うふふ、大人気ね真樹ちゃん♡」


ヤミトとカグヤが楽しそうに言う。


「くくく…そりゃ、大注目の女子校生ファイターだもんなぁ」

「今をときめく猫耳闘士。どんなもんか楽しみだぜぇ」

「やっぱり見せ物は若い子に限るわよねぇ」


他のペナルティ参加者であろう者達の声も聞こえる。

目隠しをされて相手のことが全く見えていないが、知らない声の中には明らかに『女性』の声が混じっていた。




今から自分は、男女混合の狼たちに弄ばれる。




今まで全く予想していなかった事態に、思わず身震いしてしまう。



「い…!?うひゃあっ!?」


誰かの手が自分の胸を揉んだ。

いきなりのセクハラに、真樹は思わず悲鳴を上げてしまう。


「さて問題です。

今、真樹ちゃんのおっぱいを揉んでいるのは、男の子でしょうか、女の子でしょうか?」

「ふあぁぁっ!?」


カグヤの楽しそうに問いかけに、真樹は喘ぎで返す。

目隠しされていて正直分からないし、それに応える余裕もない。


男も、女も、誰も彼もが自分を味わおうと襲ってくる。

ここに味方なんていない。



そんなシチュエーションだというのに、妙に胸が高鳴っている自分に困惑する。


「うふふ、怖い?

それとも…………楽しみ?」

「ぁ……」


カグヤの質問にドキリとする。


「真樹ちゃん、試合が終わった時、いつもペナルティを最後まで見ていくものねぇ。

とっても興味深そうに、ね」

「ウチがさっきペナルティやられてた時も、裾でずっと見てたでしょ?」

「そ、それは……!」


カグヤと香澄の指摘に、冷や汗が流れる。

確かに、自分はいつも試合後のペナルティも見るようにしている。

だが、それは残心として油断しないよう気合を入れ直すためであって……




「真樹ちゃん、実は貴女って、とってもエッチなのね♡」




カグヤが、ド直球に投げかけてくる。


あまりにも直球な指摘に、ドキドキが止まらない。

違う、と言いたくても頭が完全にフリーズしてしまう。



「見届けるのが戦士としての礼儀、のつもりかしら?

ううん、そんな言い訳じみた気持ちで誤魔化すようじゃ、先には進めないわね」


カグヤが頬を撫でながら、諭すように、心に刺す。


「貴女の中には強大な欲望が潜んでる。

こんなペナルティがあると分かってるのにゲームなのに、自ら飛び込んでしまうくらいだもの。

こうやって大観衆の前で弄ばれること、実は期待していたんじゃないの?」

「ふぁぁ……!」


自分の認めたくない部分を、これでもかと言うほど正確に突いてくる。

全力で否定したいのに、うっすらと自分の中にあったのは確かなのだ。


自分が実は、物凄くエッチな女の子なのではないか。

そんな疑問は、ヴァルキリーゲームズに来てから少しずつ感じるようになっていた。


それでも、出来るだけ目を逸らしていたのだ。

強くなるためには、そんな気持ちに負けてなんていられないと思っていたから。


だが、押さえつけていた衝動は、最強の痴女率いる狼たちによって、無残にも暴かれようとしていた。


「にひひ、怖がることないって。

ヴァルキリーゲームズにいる女の子はみんな、どっか性に関するネジが緩いから☆」


香澄は同志を見つけたと言わんばかりだ。

嬉しそうに言う彼女と、自分はやはり同類なのだろうか…?


「あはは、それじゃあいつまでも喋ってばかりじゃ勿体無いかな。

それっ!」

「きゃあっ!?」


誰かが、恐らく2人の人間が、自分の足を片足ずつ持ち上げていった。

足を上げられて、スカートの中を見せつける格好になってしまう。

その間も、胸は誰かに揉まれっぱなしだ。


「あはは、別にペナルティは初めてじゃないでしょ?

お洋服脱がされたり、裸を見られたりするのも、初めてじゃないでしょ?」

「うぅ……」


香澄の指摘に真樹はうめく。


確かに、ペナルティは初めてじゃない。

ミトで引き分けになった時も、大勢が見ている前で先輩達に服を脱がされた。

ヤクシマの時も水着を外され、カラダを晒してしまった。


そしてどちらも、その時には…


(って、私は何を考えて……!)


つい頭によぎってしまう。

金髪ウェーブの姉妹弟子にして、ライバルであるあの子と、キスを交わしてしまったこと。


それだけじゃない。

裸を見られるだけでは済まされず、男達の手で一緒に弄ばれたことが脳裏に蘇ってしまう。


「んあっ……!?」


誰かの手がスカートの中へと伸びていく。

そして、スパッツに手をかけられたのが感覚で分かる。


(あぁ……また、エッチな目に遭うんだ)


するするとスパッツが脱がされていくのを、大人しく受け入れてしまう。

自分の下着が露わにされていく。

きっと今、みんながじっくりと覗いているのだろう。


同様に、上着のボタンにも誰かの手がかけられた。

シャツを開かされ、下とお揃いのブラも見られてしまっているのだろう。


これから自分は弄ばれる。

今度は、1人きりで……


「そうそう、この後すぐに大山ちゃんも連れて来られるからね♡」


カグヤが突如、思い出したように言い出した。


「ふぇっ!?な、なんで……?」


だって、この試合は……

大山を守るために受けた試合だったはずなのに……


「『お預けの権利』で発生した、真樹ちゃんのペナルティへの追加参加。

これはあくまでも、お預けを食らったことに対する『追加された権利』だからね。

大山ちゃんを弄ぶ権利自体が消滅したわけじゃないのよ」


見えていないのに、楽しそうに嗤うカグヤの顔が浮かぶようだ。


「それならいっそ、一緒に楽しんだ方が面白そうじゃない♡」

「ま、まさか……!」


よく思い出せ、カグヤは大山のお預けの権利について、最終的に何と宣言した?




『うふふ、運営からも許可が出たわ。

今回の大山ちゃんのペナルティについて、お預けの権利を発動。

内容は、次の試合のペナルティへの追加参加、ね』



もしも『次の試合のペナルティへの追加参加』の部分が…

『大山()追加参加する』という意味も含まれていたのだとしたら…!



とんだ理不尽、とんだ屁理屈。

だが、自分はよく分かっているはずだ。


このゲームでは、女戦士ヴァルキリーを辱めるために、どんな理不尽なことも起きると。



「まさか…最初から……」


イヤな予感が頭をよぎる。


この遠征が提案された時から、全部仕組まれていたのだろうか。

自分と大山、2人の新人を潰し合わせて、どちらもペナルティを受けるように、あらかじめ根回しされたのだろうか。


「それこそまさかよ。

神に誓って言うけれど、くじは一切不正なし。

まぁ、お互いが戦う可能性があったのを黙ってたのは悪かったけどね。

それを引いたのは、間違いなく貴女自身よ」


目隠しされた表情からも真樹の考えを的確に読み取り、くすくすと嗤うカグヤ。


「うふふ、大山ちゃんを引き当てたことといい、私を引き当てたことといい…

こんな展開になるのは正直予想外だったわ」

「あはは、やっぱり持ってるねぇ真樹ちゃん」


カグヤの言葉に続いて、ここまで静かにしてたヤミトが口を出す。


「まぁ、お友達を守ることも出来ず、戦いで暴走までしても全く歯が立たず。

自分の未熟さを痛感しながら、2人仲良く弄ばれる。

それが君達の天命だった、ってコトかな☆」

「あぁ……あぁぁ……」


端的に、今回の遠征の結果を告げられる。

未熟さを、絶望を突きつけられる。


「うふふ、ホントは期待してるんじゃないの?

大山ちゃんと一緒に、色々されちゃうのが」


香澄の指摘にドキリと胸が鳴る。

自分だけでなく、大山もこの場に……


「貴女はもう、沼にハマっている。

せいぜい足掻いている姿を見せることね。

でないと、沈んでいっちゃうだけよ♡」


カグヤの言葉を聞いて、自分の中で何かが疼き始めているのを感じる。

それを解放したらもう戻れないような、妙な予感がある。

だけど、もう止められない。


「さぁ、そろそろお楽しみを始めましょう♡」


何人もの人間が、じりじりと迫ってくるのが分かる。

服がはだけたまま、手を吊り上げられ、足を持ち上げられている自分は、抵抗することは許されない。


「たっぷりと調教してあげるからね♡」

「い……いやああああああっ!!」


カグヤの宣言と共に、男女問わず、欲望に満ちた者たちの手が自分のカラダを襲う。

その事実に、真樹はただ叫ぶことしか出来なかったのだった。







……その後のことは、正直に言ってあまり覚えていない。

ただ、拷問体験と言われたイズモ式ペナルティで、大山共々散々に弄ばれた。


そして、これだけはハッキリと心に刻み込まれた。

今日、自分は完敗を喫したのだ、と。


数か月ぶりの伏線回収!

ホントは数週間で回収するはずだったのだけどね…


ここらで一回主人公を叩き落しておこうというのは前々から決めてましたが、なかなか筆が進まず難儀しました。

一応はエロ小説だし、定期的にエロい目に遭わせないとね。


【追記】

いつもお読みいただきありがとうございます。


最近また調子よく書けておりましたが、次はまだ書ききれておりません。

もう少しお時間をいただきます。

いつものことながら、気長にお待ちください。

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