0-3:ペナルティ
「ぐへへ……」
観客の男達の顔が、下品に笑う。
まぁ当然だ。
さっきまで戦いに熱狂していた彼らにしてみれば、本当のお楽しみはこれからなのだから。
「さて……それでは、敗者:レイア。どうぞ、リング中央へ!」
「くっ……」
悔しさと屈辱…それらが混じった顔をして司会者を睨みながら、それでもレイアは言われた通り中央に来る。
その表情はカメラを通して、闘技場内の壁にかかった大型スクリーンにしっかりと映されていた。
この場にいる全員に、しっかりと顔を見られている。
「では、係の者が案内しますので少々お待ちください。
ちなみに今回のレイアへのBETは、合計28億燕!
ほうほう、こっちも1番賭けた人は10億を賭けている!
いやぁ、1回10億ってのはなかなか無いもんだぜ!
さすがウチのナンバー2、今回は負けちまったがまだまだ頑張ってもらうぜ!」
司会者が盛り上げる中、黒づくめの男達に連れられて、観客だった男達が10人入ってくる。
今回、レイアの方に賭けていた者達。
その中でも、賭けた金額が多い10人だ。
レイアとて、ここでは人気選手。
あの観客たちも、1億以上賭けている人がほとんどだろう。
金持ちに気に入られるだけの実績と美貌が、彼女にはある。
「くっ……このアタシを好きにしようとしたって、そうはいかないわよ!
絶対、アンタらに屈したりしないんだから!」
「むっほっほ、いいですなぁ、分かっておる」
せめてもの抵抗として睨みつけるレイアだが、それさえも男達にとっては喜ばしい物。
悔しさに満ちた表情というのは、これから始めることについて程よいスパイスになる。
最も金額を賭けていた、身なりの良い紳士は満足そうに哂う。
「とはいえ、ペナルティタイムはそうありませんからな。では、さっそく……」
10億もの大金を賭けた紳士が、レイアの背後に回る。
そして……
「うひゃああっ!!」
思いっきり胸を揉んだ。
あまりにも堂々とした鷲掴みだった。
びっくりして思わず尻もちをついてしまうレイア。
「くっ……はな……ひゃあ!!」
そんな彼女へ、リングに上がった男達の手が伸びていく。
胸へ、腕へ、脚へ、尻へ。
ためらいのなく伸びる男達の手。
「はうっ、あぁっ!!」
男達に身体を触られるたび、レイアは甘い声を上げる。
そんな彼女の様子を楽しむように、徐々にヒートアップしていく男達。
今度はその手が、彼女のコスチュームに掛かった。
まるで獲物から素材を剥ぎ取るかのように、コスチュームも徐々に剥き取られていく。
「うあああっ!」
己の肉体が晒されていく恥辱に、たまらず声を上げるレイア。
だが、抵抗は許されない。
ここは、そういうゲームの場所だから。
「わ……わたしは……屈しな……あああっ!!!」
男達の手がレイアの柔肌に触れ、また声を上げる。
彼女が身体を弄ばれていく様子を、観客達は金網越しに見つめていた。
リング上の光景はスクリーンにもしっかりと映されているから、席の都合で見えにくい者達も文句は言わない。
レイアが乱されていく姿は、闘技場中の者達に見られていくのだった。