大都会のド真ん中だろうが農民グMyWay!
文化放送「下野紘、巽悠衣子の小説家になろうラジオ」の
第二回「小説家になろうラジオ大賞」に参加するために
再投稿させてもらいました。
6月5日第88回の放送の「タイトルは面白そう」で
採用されました。
キーワードは「農民」
詳細はYouTubeのアーカイブで!
農場の跡取りの高校生《野村タミオ》は学校に通いながら、身体を悪くした父親に代わって、ひいお爺ちゃんの代から続く農場を切り盛りしていた。
ところが土地開発計画のあおりを受けて、農場を手放すこととなった。
その後も生活は苦しく、クラスメイトの遊びの誘いも全て断わり、学費を支払うために毎日バイトの日々。
そのバイトでさえも農業ばかりやってきたためにそれ以外のスキルが全くなく長続きしない毎日。
そんなある日、とある財閥からのメールが届く。送り主は農業経営会社最大手《デメテル社》。タミオは全く新しい農業ビジネスへの協力を持ちかけられたのだ。
(……これはチャンスだ!)
タミオは一路の希望を胸に、デメテル社の経営する農場を訪ねることにする。
しかし、メールに記された場所は東京のオフィス街だった。
「農場……何かの間違いだよな」
メールに農場と本社ビルを間違えて記載したのかと思いつつ、たどり着いたのは高層ビルだった。
「タミオちゃん!」
「おっちゃん達、何でここに⁉」
そこにはタミオと同じ農場で働いていた従業員も招かれていた。
使用人に導かれるままにエレベーターでビルの屋上に上がる。
「お集りの皆様、ごきげんよう」
英国淑女のようなドレスに身を包んだ少女が屋白いエレガントなカフェスペースでティータイムを楽しんでいた。
少女の名は《北条サカエ》。デメテル社の社長令嬢であり、ちまたで話題の女子高生実業家である。
「これから皆様にはここで、農業を営んでいただきます」
「はあ?ここって……ここ⁉」
サカエの発案でタミオは高層ビルの屋上で農場を開くことになった。
――――革新的過ぎる農民ライフが今始まる。