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07.ジルの独白

 《ジルside》


 お嬢様は幼い頃から大人びていらっしゃいました。

 体の弱い奥様を気遣って甘えたい盛りのはずのお嬢様はいつも遠慮したように聞き分けが良かったのです。


 旦那様も奥様も大変お嬢様を可愛いがられていらっしゃるのですが、お嬢様のそんな様子に少し寂しさを覚えていらっしゃるようでした。


 しかし、3歳の時奥様のお部屋に飾るお花を取りに行った帰りにお嬢様がお怪我をなさいました。

 私がついていながらバナナの皮如きでお怪我をさせてしまうなど!

 旦那様が駆けつけた時にはお嬢様は熱が出てしまったようで意識が朦朧としていておかしな事を口走っていました。

 お医者様によればただのタンコブで普通なら熱が出たりするような怪我ではないとの事でしたが、大変お辛そうで私は気が気ではありませんでした。


 旦那様に事情を説明し屋敷を追い出される覚悟でしたが、お咎めはありませんでした。

 本当にお優しい方々です…!

 他の屋敷であれば私はすぐにでも屋敷を追い出されていたでしょう。

 私は3日間つきっきりで看病を致しました。

 私が目を離している間にお嬢様に何かあったらと思うとおちおち休んでいられなかったのです。

 旦那様や奥様には大丈夫だから休みなさいと言われましたが目をつぶっても眠る事など出来ませんでした。


 4日目の朝お嬢様はやっと熱が下がり落ち着いてお話ができるようになりました。


 その日からお嬢様は少し様子が変わられた様に思います…

 悪い意味ではなく奥様や旦那様に素直に甘えられるようになり、知識欲が出てきたのか私や使用人達ともよくコミュニケーションをとるようになったのです。


 元々天使の様に愛らしかったお嬢様は日に日に美しさを増していきました。


 宝石の様な瞳がキラキラと輝くのを見るのが私の幸せです!


 そしてお嬢様は5歳におなりになりました。

 やっと魔法を使える年になったのです。

 お嬢様は魔法に対してかなり興味がある様でいつも私の生活魔法を食い入る様に見つめていらっしゃるので、相当今日を楽しみにしていたみたいですね。


 ああ!お嬢様の成長をこんなに近くで見守ることの出来る私はなんて幸せ者なんでしょう!


 お嬢様はどんな魔法の適正をお持ちなのかしら?

 楽しみですわ!!









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