27.痛い現実
全然更新できなくて本当に申し訳ございません…( ´・‿・`)
あの後すぐにお父様と合流してすぐに屋敷に戻った。
帰りの馬車でお父様に陛下とどんな話をしたのか聞いたけど難しい顔をするばかりで教えてくれなかった。
どうせロクな話じゃないだろうから、いいけれど破談とかだったらいいのにと願わずにはいられない。
お母様にはそれとなく誤魔化して伝えたけれど、多分私の死んだ目で気付いたと思う。
あのクソゴリ、いや殿下はダメだ。
王太子殿下がまとも過ぎただけに可哀想だとは思うけれど、結婚するなんて絶対に嫌だ。
王太子殿下は、その不敬かもしれないけど安心するくらい普通の人だったな…。
恐らくこの世界ではイケメンと呼ばれる類ではないのだろうけど、私にしてみれば久々の清涼剤で大変に癒された。
なんせキャラの濃い人ばかりだったからな…今まで…。
私よく頑張ったと思うな…。
誰も褒めてくれないので自分で褒めておく。
ふと誕生パーティーで出会った犬耳お兄さんを思い出す。
お兄さん元気でやっているだろうか…?
あの変態おやじには絶対に天誅を下してやりたい。
獣人だからって何なのさ。
この世界は本当に前世とは比べ物にならないくらい美しくないと定義されるものに対して扱いが酷い。
女性なんかは見るだけで具合が悪くなったり失神する人もいるらしい。
国が変わらないと環境は変わらない。
あの王太子殿下ならきっと良いようになさってくれるだろうと思う。
でも、殿下が王になるまで私は我慢できるだろうか。
帰りの馬車で猫耳の可愛い男の子が子供たちに足蹴にされて蹲っているのをみた。
私と同い年くらいだろうに瞳には何も写っていなかった。絶望しているのだ。
思わず窓を開けてこらー!と叫ぶと子供達は散り散りに逃げて行った。
男の子はチラリとこちらを一瞥したが、すぐに走り去ってしまう。
あんなに、将来有望の可愛い少年があんな顔をするのは絶対にいけない事だ。
お父様は私の肩に手を置いて、慰めるように私の頭を撫でると悲しげに微笑んだ。
すぐに解決する事ではないと分かっている。
でも、どうにか何か出来る事はないかと思案する。
お父様によれば陛下もあの変態おやじのやり方には少々思う所があるとの事。
しかし法を侵している訳ではないので断罪などは出来ないという。
それに彼らを奴隷から解放したとしても、彼らには働く場所も住む場所もない。
問題は山積みだ。なまじ力もあるから反旗を翻される事を考えると安安と解放する訳にもいかないとの事だ。
未だ膠着状態で、陛下も手を出しかねている。
せめてあの変態おやじを失脚させる事が出来れば…
絶対あいつは叩けばほこりがもっふもっふと出てくるはず。
どうにかして、何らかの情報を掴めないだろうか…。
コンコンッ
『お嬢様、そろそろご就寝のお時間ですので寝衣の準備をしに参りました。入ってよろしいですか?』
ジルがノックをする音でハッと顔をあげ時計を確認するともう寝る時間になっていた。
「えぇ!大丈夫よ、ジル」
急いで返事をするとジルがカップののったワゴンを押して入ってくる。
「今日は何だかお疲れのご様子でしたので、ホットミルクもお持ちしました!あまりに静かだったのでもうお眠りになられたのかと思いましたわ」
そう言ってジルは少し心配そうにこちらを伺っている。
「そうね、初めてお城に行ったから疲れてしまって。少し考え事をしていたらこんな時間になってしまったわ」
「また難しい顔をなさって!せっかくの天使のようなかんばせが曇ってしまっておりますわ。今日はもうこれを飲んでお眠りになられて下さいね」
ジルにパジャマに着替えさせて貰ってマグカップに口をつけると、ほんのりとハチミツの香りがしてほっと顔が緩む。
「ありがとう、ジル。なんだか緊張しちゃってたみたい」
「屋敷の皆も心配しておりましたよ。明日は元気なお顔を見せてくださいましね」
「もちろんよ!何だか気が抜けたら眠たくなってきたわ…おやすみなさい、ジル」
ジルが布団をかけてくれ、おやすみなさいませお嬢様、と明かりを消して部屋を出て行った。
まだ考えたい事が沢山あるのに眠気には勝てなくて、私のおこちゃま目蓋は開かなくなりすぐに眠りについてしまった。
全然、全然進まないやないか!!!自分!!!




