3 魔法学校に来ました。
シルドニア国立魔法専門第一学園。
シルドニア王国を代表する名門校。
国立魔法専門学園は第一~第五まであるが、数が小さいほど名門校である。
つまり、シルドニア国立魔法専門第一学園、略して魔一は魔法学校エリート中のエリート。
そんなところに、なぜ魔法能力皆無の抹茶が入学することになったのか?
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「え、アーザースって第三学園1年生なんだ」
「うん。でも魔三って雑魚だよ」
「魔法使えない抹茶よりは凄いかもよ」
「お前魔一推薦編入じゃん」
「そうだけど…」
なんで抹茶はこんな凄いところに行くんだろう。
電車、という名の乗り物に揺られながら思う。
というか電車の揺れで吐きそう………。
キャリーケースの揺れもとっても嫌いだったなぁ。うさぎの時のことを思い出す。
「詳しいことは学長のディアさんが教えてくれるってよ」
「もういっそのことアーザースも編入すれば?」
「出来たらしたいわ」
そんなこんなで着いた。駅名は国立魔法専門第一学園前。
駅から出て、目の前…………。
「さっきの町と全然違くない?」
全然違う。
さっきの町は石造りでこぢんまりした感じの歴史がありそうな古都って感じだけど、ここの街は光を反射するビルや光り輝くスクリーンでとにかくギラギラしてて、近未来都市って感じ。
「ここは大都市だからね。さっきのとこは田舎だし、上質な石が沢山取れるとこだから」
「ふーん」
観光ガイドみたいな感じでドヤ顔のアーザース。
駅の目の前にとにかく大きい施設がある。
魔法学校だ。
シルドニア国立魔法専門第一学園ってどんなとこだろう。
門の中に一歩足を踏み入れた。
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「そういうことなので、よろしくお願いします」
若いけどオーラが凄い学長、ディアさん。
そういうことと言われても…………。属性とか簡単な歴史とか、話してもらったけどさっぱり理解できなかった。
「じゃあ次に施設内の案内をしましょう。あと、この学校は全寮制です。入学したら5年間寮生活なので、覚悟を決めてくださいね」
「はーい」
寮生活らしいが、今日この世界に来たばっかりで家がない抹茶にとっては願ったり叶ったり。
簡単に言ってラッキー。
「あの、ひとついいですか?」
ん?アーザース、どうしたんだろ?
「僕もこの学校に通えませんか?」
「無理です」
「ですよねー」
アーザース撃沈。瞬殺。ちょっと可哀想。
「アーザースだったな、実力的には魔三で十分なはずだ。」
「そうですね…」
「抹茶からもお願いです、アーザースがこの学校にいないと……」
「いないと、何なんだ」
「抹茶は暴走します。ここのこと何も知らないし、知らない人に囲まれるのはちょっと……」
「「…………は?」」
2人とも揃ってフリーズ。
だって…なんかアーザースが可哀想だったから言ってみたけど、理由が思いつかなかった。
我ながら微妙な言い訳…。
「暴走って……何をするんだ…………?」
「……世界を壊します」
いやいやいやこれは絶対にできないでしょ!なんで言ったんだろう。まず何より物騒。
「…………アーザースの入学を許可する」
「「え?????」」
世界を壊すって、本当なら怖すぎるけど脅しの域にも達しない冗談だよ?
本気にされた!?
「だから世界は絶対に壊すな」
「承知!」
謎が多すぎるけどとりあえず二人(一人と一羽?)で入学できた。
「じゃあ改めて校内を案内します」