表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/18

12 学校生活が始まりました。前編

「マッチャー、おっきてー! 」

「マッチャ、初日から遅刻はまずいわ」

「もう6時半だよぉ、準備しなきゃだぁ」


………………んんん。


あれ? 外が明るい……………。さっきまで暗かったのに。


もしかして、いわゆる二度寝と言うやつか?


誰も起きてなかったから寝てしまったのか……!


「おはよー、さっきマッチャのクラスがわかったよー! 1ーHだって! 」

「私Eだよぉ、別々だねぇ……」

「私もEよ、残念ね……。」

「マッチャのクラスって誰がいたっけ? ちなみに私Gだけど」

「うーん、覚えてないなぁ」

「それよりも準備しましょう、誰も制服を着てないわよ」

「そうだねぇ」


抹茶のクラスは1ーHらしい。


……結局どこなんだろう?


「今日はマッチャの教室とか必要なところを改めて案内するね! そのためにちょっと早めに登校しよう」

「賛成だよぉ。」

「そうね、それがいいわ」

「ありがとう! 」


とってもありがたいが、今日は試験だった気が。


いいのか?


「そういえばみんな試験は大丈夫なの? 」


抹茶の問に、ルームメイトの反応は三者三様。


レイシアは顔面蒼白だし、シェリーは笑顔で頷いてるし、キャメリは微妙な顔をしている。


「試験なんていらないよ……ていうか、マッチャは大丈夫なの?」

「さっぱり」

「だよね。期待を裏切らない」


それから、制服に着替えて、バックに筆箱とかノートを入れて、学校の案内図に目を通して、いろいろしているうちに部屋のインターホンが鳴った。


なんだろう?


…………ん? なんかいい匂いが!


これってもしかして……!


「朝ごはんだよぉ」


やっぱり!!


「うちの学校はねぇ、朝ごはんは部屋に届けてくれてぇ、昼ごはんは買ったりして、夜ご飯はビュッフェスタイルなんだよぉ」

「そうなんだ! 今日の朝ごはんはなに? 」

「マッチャって結構食欲旺盛よね……」


本日の朝ごはん。

白米、ワカメ……とかいううねうねした海藻の味噌汁、サラダ、よく分からない食べ物、りんご。


抹茶は食べられないものが多いから他の人とは内容が違う。ちょっと悲しい。


「ではでは早速……」

「「「「いただきまーす! 」」」」


んんっ! 美味しい!


りんごとサラダ以外食べたことの無い味だけど、どれも違った味で美味しい。


…………他の人の朝ごはんも、美味しそうだな……。


抹茶は朝ごはんを食べながら、超属性習得を改めて誓った。



✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳



「ここが1ーH! ここまでの道、覚えた? 」

「えーと、寮の七階から一階に下りて、中庭通って正面玄関から入って、うーんと……」

「右に曲がって階段で2階に行って、まっすぐ進んだ2番目! 」

「なんか、れいちゃんスパルタだねぇ」

「だってさ、覚えないとマッチャが迷っちゃうじゃん? 」

「まあそうね、この学校は広いから」

「でしょー? 」


ここまでの順序は、寮のどこかから一階におりて、どこかを通って左に曲がって下がって上がって……んん?


全然違う気がする。


気のせいか。


「講堂とかはさっき案内した通りよ。じゃあここで私達はそれぞれの教室に行くわね」

「試験頑張ってねぇ」

「うん、ありがとう! 」


目の前の教室が1ーHなことを確認して、中に入る。


………………………………。


…………知ってる人がいない。


と言っても抹茶が知ってる人はアーザース、レイシア、キャメリ、シェリー、ウルしかいない。

それに対してクラスは12クラスあるから、いなくて当然なんだがな……。


なんかたくさんの視線を感じる。怖い。


ひええ、抹茶の席はどこだ……?


「おはよう! もしかして噂のかわいい編入生? 」

「は? 」


あなたは誰ですか?


そして抹茶は噂のかわいい編入生なのか?


人間の感覚はイマイチわからないな。


「驚かせてごめんね、私はアリア! 編入生ちゃんは名前なんて言うの? 」

「抹茶です」

「マッチャちゃんか、よろしくねー! 」

「よろしくお願いします」

「席はね、私の隣だよ! こっちー」

「あ、はい」


抹茶の席は窓際の一番後ろ。


いかにも編入生というイメージの席だな。


「マッチャちゃんは何属性? 私は火属性なんだー、ありきたりだけど便利だよ」

「属性はないけど、抹茶は水属性を頑張ってます。まだ一つしか使えないけど……。」

「? てことはマッチャちゃん転生者?」

「はい。前世はうさぎでした」

「うさぎ? ……よくわからないけど、転生者って私はじめてみた! 確かかなり長い間人間の転生者っていなかったんでしょ? 」

「前そう言われたかも……。」


転生者がどうとか、抹茶がどうとか、色々話してもらっているうちに、先生(?)らしき人が教室に入ってきた。


「皆さんおはよう。朝礼を始めます。礼。」

『お願いします! 』

「今日は大事な知らせが二つあります。一つ目は、新たに編入生が加わりました。編入生のマッチャさん、その場で簡単な自己紹介をお願いします。」

「は、はいっ」


自己紹介って、何を話せばいいんだ!?


と、とりあえず、適当に……!


「え、えっと、編入生の抹茶です。よろしくお願いします。」


何とか乗りきった! 我ながら雑だ。


朝礼ってなんだか大変だな。


「二つ目は試験のことです。今から実施教科を発表します。一限目数学、二限目天文学、三限目歴史、四限目物理、五限目経済、六限目地学、七限目魔法です。各教科試験時間は50分です。私からは以上。連絡のある方はいますか?」


クラスメイトがざわつく。


試験の実施教科は12教科中6教科をランダムで実施、当日まで教科は知らされないシステムだって言ってたな。


「朝礼は以上です。礼。」

『ありがとうございました! 』


教科は何をするんだっけ?


もう忘れた……。


別に忘れたところで支障はないが。


「マッチャちゃん? 魂抜けてるよ? 」

「アリアさん……。試験って得意ですか? 」

「中の中かなー。というかテストあと10分で始まるよ、予習とかトイレとか平気?」

「大丈夫」


悪い意味で大丈夫。


慌ただしいクラスメイトをよそに、あっという間に試験開始時間がきた。


「一限目数学、チャイムがなったら開始してください。問題と解答用紙を配ります。」


前の人から二枚の紙が裏返しで回されてきた。


後ろに回しそうになるが、後ろに人がいないことに気づいた。


ちょっとして、チャイムがなる。


周りから紙を裏返す音が聞こえてきた。


抹茶も問題用紙を見るが……うん。


式が長すぎて、見るのも疲れる。


そして何一つ理解できない。


もういいや、寝ちゃえ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ