11 そうなりますか。
「あーもー!マッチャちゃん全然理解してくれないー!」
「わかんないものはわかんないんです!」
「ならさ、今度の休みの日に一緒にどっか行こう?」
「え?」
「よーし決めた!次の休みの日に、2人でショッピングモールに行こう!転生者のマッチャちゃんに学校以外の世界も教えてあげるし、中にある科学館とかで身をもって勉強すれば分かるかもよ」
身をもって勉強………………。
なんか怖い……………。
でも理解できるに越したことはないな。
「よくわかんないけど、いいよ」
「うん!じゃあ楽しみにしてるねー!そろそろ昼休みだし俺教室戻るわー」
「そうなの?頑張って!」
「マッチャちゃんこそ頑張ってねー!特に明日!」
「明日……?」
「あはっ。じゃーねー!また来るかもー」
「はーい」
明日何かあるのか……?
あっ!そうだ、明日から学校!!
うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁどうしようぅ!!!
間違いなく魔法も学力も最下位だ………!!
と、とりあえず!さっきの数のやつ以外なら何とかなるかもしれない!
他の教科書も読んでみるか。
………………………………………………………。
………さっぱりわからん。
困った。
✳ ✳ ✳
「いやっほうマッチャー!って、えぇ!?」
「まっちゃん大丈夫ー?目が死んでるよぉ」
「マッチャ……?どした?」
あ、レイシアとシェリーとキャメリ。
てことは、昼休み?抹茶はもしかして勉強がわからなすぎてしばらく気絶してたのか?
「みんな助けて。勉強がわからない」
切実なピンチ!
「あははっ、大丈夫!私も中3あたりから勉強全くわかんないよ!」
「自慢気に言わないの!」
「キャメリにはわかんないよ、バカな私の気持ち!」
「わかったら逆にまずいでしょ」
「そーだぞー、レイちゃんはもっと勉強を頑張るべきだよぉ」
「シェリーまでやめてよぉぉぉぉ」
…………え?
みんなレイシアはバカってことが前提だけど、抹茶の方がよっぽど危機状態なんですけど。
抹茶はしょうがくいちねんせい?の問題も分からないらしいんですけど。
もしかして抹茶は異次元の頭の悪さなのか……。
「そういえばマッチャ、明日は月に一度の定期学力試験と定期魔法試験だから一応この辺予習しておいてね。まあ魔法は本格的に学んでないから多分免除だと思うけどね。」
「そうなんだ」
「うん。でも学力の方はそのままやると思うから頑張って」
「…………うん……。」
ウルさんが言ってた頑張ってって試験のことか…!
抹茶、0点確実。
開き直って適当にやるか。
「教科は数学、言語、地理、歴史、政治、経済、化学、物理、地学、生物、天文学、工学の中から六教科。実施教科は明日にならないとわからないから十二教科全部やっておくと確実だよ。あと、これ、明日のスケジュール。先生からマッチャに渡してって言われてたんだ」
「あ、ありがとう」
いくならんでも多すぎないか?
プリントの内容を読むだけで倒れそう。
「各教科100点満点中50点以下だったら次のテストの日まで全授業終了後さらに1時間居残り授業だから気をつけて。全部赤点だと週6日授業あるから毎日居残りになるってことね」
「私前回全部居残りだったんだよね、あははっ!ダメだったら一緒に残ろう!」
「マッチャを連れ込まないの!もっと反省して勉強しなよー。」
「無理です!」
「レイシア、抹茶はすごくレイシアの気持ちわかる。」
「おお、同士発見!嬉しいっ!」
「マッチャもレイシアも頑張ってよ、ほんとに。」
「応援するよぉ」
「「たぶん無理」」
本当に無理です。
自覚してるし。
レイシアと一緒に居残りとやらを頑張ってやる!




