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子猫と

作者: ぬかづけ

予想外な出来事って良い事もあるんだなって思いました

目を開けると、目の前に子猫がじゃれついてきていた

・・・

いや、いきなり何を言ってるんだと思ったかもしれない

でも今の状況を説明すると、本当に言った通りなのだ


私は今日、とある里親募集の猫小屋に来ていた

猫とのふれあいがメインの場所でないので、なでたり触ったりはあまりできない

もとが野良猫だったかのだから仕方がないだろう

それでも6~8畳ほどの一室で猫と一緒の空間を楽しめるこの場所を

私はとても気に入っていた


今日もいつも通り部屋に入ると、いつも座っている広いソファーに座る

猫たちは入り口を開ける音に反応するが、すぐに興味をなくしていった

そうして猫たちは、それぞれの行動に戻っていった


屋根柱に上ってくつろいでいる猫

猫用ベッドに3匹くらいでまとまってじゃれている子猫

猫用アスレチックを縦横無尽に動き回っている猫

色も様々だ

真っ白、真っ黒、ぶち、縞模様・・・


あぁ・・・

私はここに理想郷を見た!

・・・コホン、ごめんなさい。気持ち悪かったですよね


猫たちのくつろぐ姿を見て私もなんだか眠たくなってきた

幸いこのソファーは横長で、私がまっすぐ伸びて寝ても十分余力のある広さだ

日々の仕事の疲れもあって私は気づけば意識を失っていた


で、冒頭に戻るわけだが・・・

胸元に小さな圧迫感を感じて目を開けると、1匹の小さな子猫が私の胸の上に乗っかっていたのだ

いや、それだけではない

なんとその子猫、私の口元を一生懸命にペロペロと舐めているのだ

え?何で?どうしてこんな素敵なシチュエーションに!?

私が起きても子猫は私の口元をなめるのを辞めない

と言うか逃げていかないのだ


私は恐る恐るその子猫の頭をやさしく撫でてみる

一瞬ピクっと動きが止まるが、子猫はそのままされるがままの状態で私の胸に乗っていた。

感動だ!

これまで何度かこの猫小屋に来ていたけれど、

こんなにも猫と触れ合えた時があっただろうか?いやない!!!

最初は頭をやさしく撫でていた手を、今度は背中のあたりをかくように動かしてみる

目の前の子猫はキュッと目を閉じた状態になり、同じくされるがままの状態になっている

目をつぶった子猫の顔可愛い!!!


しばらくそうして子猫の顔を堪能した後、子猫が私の胸元から降りていく

あぁ、やっぱり必要以上にかまいすぎてしまったのかな?

子猫を不快にさせてしまって申し訳ない・・・

降りて行ったほうにゴロンと向き直り、せめて歩いていく様子を眺めようとして、

その子猫が、私の顔のそば、ソファーの上で丸くなってくつろぎ始めた

!?

今、子猫と私の顔の距離はゼロに等しかった

胸元からはよけていったけれど、それでも私のそばを必要以上に離れるということは無かった

私のことを害ある存在とは思わなかったようだ

そんな些細なことがすごく嬉しい


もう私から子猫を撫でることはしなかった

ただ、そばに一緒に居て、一緒に寝ているだけでとても嬉しくなった

今日はもう、このままこの子猫と一緒に眠ってしまおう


私は、今日のこの出来事をずっと忘れないだろう。


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