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先生って呼ばないでくださいっ!  作者: 矢崎慎也
第2章 ライバルは増える?
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Ep.5 夏休みはリゾートで⑧ そして……

短い分量で申し訳ありません。第5話のエピローグです。

 初日の夜のことは、正直あんまり覚えていない。移動とか勉強とかで蓄積された疲労は、豊富なメニューが見目麗しく並べられたブッフェディナーと、ほとんど貸し切り状態だった露天風呂を堪能したことで回復したが、翌日のことを考えて早めにベッドに潜った。



 二日目。快適な睡眠から目覚めると、部屋の中に何故か瑠美と桜が入ってきている(なぜそんなことができたのか、未だに理由は分かっていない)という事件はあったものの、朝食を食べて午前は勉強に専念。昼ご飯はルームサービスのサンドウィッチで済ませ、持ってきたセンター試験の過去問を終わらせるべく、必死で問題を解き進めた。



 夕方になると集中力も途切れ、また持ってきた参考書も終わる目途がついたため、同じく集中力の限界が来ていた瑠美たちを誘ってホテル前のビーチで散歩をした。来た当初からはしゃぐのを抑えきれてなかった様子の瑠美は、「見てください! ヤドカリさんですっ!」「先輩! 海の水が冷たくて気持ちいいです! ほら、ほら!」とそれはもうテンションが大変なことになっていた。子どものような瑠美を、俺と桜が苦笑を交えつつ見守るという普段とは違った構図になっていたのが印象的だ。



 そして翌日、いつもより遅い時間に起床した俺たちはのんびりと身支度を整え、ホテルの売店でお土産を買うなどしてからチェックアウトの手続きをした。その際、桜が「デパートの人も、まさかリゾート旅行がこんな風に使われるなんて思ってなかっただろうね」と苦笑いを浮かべていたが、全くその通りだ。年頃の高校生3人で、リゾート地に来てやったことの8割が勉強だなんて、ドラマやライトノベルだったらつまらな過ぎて物語として成立しないだろう。



 でも、俺たちは――少なくとも、俺は満足していた。夏休みっぽいことができて、勉強もはかどって。これ以上望むものはない。受験生らしい、高校生活最後にして最高の夏休みを過ごせたんだ。そう思ってた。



 ――夏休み明け最初の模試で、再び志望校全てでE判定という結果を目にするその瞬間まで。


さて、お気づきの方もいますでしょうが、物語はいよいよ起承転結の「転」に入ります。第6話、そして第7話でこの物語は完結となります。話数にしておよそ15話、時間にしたら2か月弱、お付き合いいただければ幸いです。

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