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ステラズ・クロニクル  作者: 森田ラッシー
最終章
56/60

最終話その5

区切りのいい所で切ったので短くなりました。

玉座の上でうたた寝を始めていたステラは、近付いてくるヒトの気配を感じて目を覚ました。

待望のブロンズ王国からの使者か刺客が来たのだろうと、胸が高まるのを感じる。

こんな真夜中に城に忍び込んで来るのだから、使者等という生易しいものではない。恐らくは自分を狙った刺客であろうと、ステラは目を閉じたまま考える。

コツコツと、玉座の間に足音が響いた。

ステラの頭上に生えた獣の耳が、足音に合わせてくるくると反応を示す。

足音に混じって、ポタポタと何か水滴の様なものが滴る音も聞こえてくる。

しばらくして足音が止まる。

ステラがゆっくりと目を開けると、月明かりに照らされたルーカスがそこにいた。

いつの間にか雲がはれ、月が顔を出していたらしい。

ステラの背後、玉座の後ろには豪奢なステンドグラスが設えてあった。そのステンドグラスから漏れ出る月光が、ルーカスの顔を優しく照らし出す。

あの日、セントラルで別れてから6年。

ついこの間、ブロンズで対面してから数日。

昔と変わらず、優しい顔のルーカスがそこにいた。



「ブロンズ王国騎士団所属ルーカス・ウェイカー。ニューブロンズ王国女王ステラ・ニューブロンズ陛下とお見受けする」

畏まった口調で名乗るルーカスに対し、ステラは眉根を寄せる。

そんなことお構い無しにと、ルーカスは更に言葉を続ける。

「ブロンズ王国からの使者として参りました。先日の我が国への宣戦布告に対し、我が王より此の国への兵の派遣が決まりました。私は先んじて王からの密命を受け参上した次第です」

「密命…」

噛み締めるようにステラが呟く。

「私が受けた任務は、先遣隊としてブロンズ王国から此の国までの道を切り開くこと」

ブロンズ王国から先遣隊が派遣される事は、ステラも予想していた。むしろ、ブロンズ王国からの兵が、ここニューブロンズ王国まで円滑に辿り着けるよう、わざとリリーナをおいていったのだ。

「そしてもうひとつ。私は貴女の暗殺任務を請け負っています」

付け加えるように言葉を並べたルーカスの顔は、どこか憂いを帯びた表情をしていた。



置き去りにされたリリーナは本当に置き去りにされていた事が発覚。

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