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ステラズ・クロニクル  作者: 森田ラッシー
第四部 サベッジ編
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第49話 戦争/出陣

 ブロンズ王国国王とセイレンの聖女ルーナシア・エルメスターの結婚宣言の場に、ニューブロンズ女王を名乗る獣人の女が現れた事件からしばらく経ち、ようやく平穏を取り戻しつつあったブロンズ王国王都に、再び大きな衝撃が走った。

 ブロンズ王国政府から正式に、ブロンズ王国とニューブロンズ王国が戦闘状態であるという宣言がされたのだ。

 ブロンズ王国成立から幾百年、国が戦時下に置かれたのは実はこれが初めてだった。

 王国政府は、これまでの騎士団のみの運用では獣人との戦闘に大きく遅れを取ると判断し、新たに軍を設立した。

 騎士が矜持と誇りを持って国に忠誠を尽くして戦う存在であるのに対し、軍に属することになる兵士は見返りとなる報酬の為に戦う存在になる。

 兵士募集に王国民の多くは戸惑ったが、見返りに得られる報酬がなかなかの額だったので、それなりの人数が集まっているようだった。

 兵士志願者で溢れかえる王城前広場を横切り、王城へと入っていく男が一人いた。

 眼帯の騎士ルーカス・ウェイカーである。

 ニューブロンズ女王ステラを取り逃がしたルーカスは、王国政府直属の騎士団から除名され、現在は独立した部隊の長を任されている。

 王城に入ったルーカスは慣れた足取りで城内を進み、ある部屋の前に立った。


「失礼いたします。ルーカス・ウェイカーであります」


 扉の前で大声で名乗り、ルーカスは部屋に入っていった。


「あら、早かったわね」


 部屋の主、ルーナシア女王が優雅に紅茶を飲んでいた。

 ルーカスに気付いたお付きのメイドが、スススと部屋から退散していく。


「相変わらず、よく教育されたメイドですね」


「ふふ、みなセイレンにいる頃からの付き合いよ。あなたもお紅茶飲む?」


「ありがたく頂戴たします女王陛下」


 そう言ってルーナシアの対面に座ったルーカス、彼女のいれた紅茶を一口飲んだ。


「さて、では大事な話をしましょうか」


 紅茶を飲み終えたルーナシアが言った。





 話を終えたルーカスは王城を後にして、未だに兵士志願者でごった返す王城前広場を横切っていった。

 そのまま王都を出て、ルーカスはかつての聖ヴァナルガンド教会孤児院に来ていた。

 今では廃墟と化しているこの孤児院で、ルーカスは育った。

 故郷を獣人に滅ぼされ、家族を失い、いつか獣人に復讐することを誓い、生きてきた。

 そんな彼の前に現れたのがステラだった。記憶を失い森をさまよっていたステラをルーカスが助け出し、短い間だったが一緒に孤児院で生活をした。

 セイレンでステラの故郷を見つけ、彼女が森でさまよっていた理由を知った。

 セントラルでステラの出自を知り、お互いに違う道に進むことになった。

 そして、再び現れたステラは、ニューブロンズの女王として、ブロンズ王国を敵視していた。

 考えふけっていると、いつの間にか夜になっており、ルーカスはそのまま孤児院でよを明かした。





 朝方、馬の鳴き声で目を覚ましたルーカスは孤児院の外に出る。

 そこには馬に乗った騎士たちが集まっており、みな一様に立派な鎧に身を固めていた。


「諸君、揃っているな!」


「「はい!!!!」」


 ルーカスの言葉に騎士たちが声を揃えて答える。


「これより我々はサベッジ村に行き、そこからサベッジ山脈へと進む。森の中には馬と鎧は持ち込めない。これからサベッジ村に向かうまでの間だけ、諸君らは騎士としての正装でいられる!そのあとは、地獄が待っている!だが臆する事はない!諸君らは私が認めた力ある騎士たちだ!森を抜け、獣人の巣窟にたどり着き、必ず敵を一掃すると信じている!」


 大きく息継ぎをして、ルーカスは集まった騎士たちを見渡した。

 ここにいる騎士達はこの間騎士になったばかりの、騎士見習い上がりの若者ばかりだ。

 ルーカスは彼らを率いて、サベッジ山脈を超えてニューブロンズ王国への潜入を王から命じられていた。


「さあ行こう!勝利の栄光と武勲は我らの物だ!」


「「「おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」」」


 騎馬隊が進み始めた。


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