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ステラズ・クロニクル  作者: 森田ラッシー
第三部 セントラル通商連合編
35/60

第34話 獣人の国の使者/伝承文字

「と、まあ以上が我が国ニューブロンズの建国史・・・みたいな?」


 グレゴリーが話終わり、紅茶をグイッと流し込んだ。「たくさん話すと喉がかわくね」と呑気な事を言っている。

 今の話をブロンズ王国政府に話せば、大変な騒ぎになるに違いない。


「あの、この話を知っている人って・・・」


 ルーカスより一足先に正気に戻ったステラが質問した。


「マクルーガーさんと、君たちだけだよ」


 グレゴリーの返答にステラは息を詰まらせた。

 自分の望まない所で、またとんでもない事に巻き込まれたと、ステラは泣きたくなっていた。


「ところで、ステラさん。あなたは伝承文字という物をご存知ですか?」


 話を変えて、今度はグレゴリーが質問してきた。


「伝承文字?」


「ええ、ルーカスくんが身につけていたお守りに、その文字が書かれているのを見ました。あのお守りは貴女が作ったものですよね?」


「そうですけど・・・私、文字の意味まではさっぱり。あれはなんとなく、頭に浮かんできて」


「なるほど・・・」


 グレゴリーが何か考え込んでいる。

 しばらく頭を抱えて悩んだ後、グレゴリーが重たげに口を開いた。


「ニューブロンズ初代国王となった、ブロンズ王国初代国王の弟は、とある獣人と夫婦になりました。そして代々、その血族が王位を継いできました」


 王国建国史の続きかと、ステラが身を乗り出して話を聞こうとしている。


「王と契ったとある獣人とは、聖女、星語りの巫女と呼ばれた獣人の末裔だったのです」


「聖女・・・ステラ・・・」


 ステラの口が自然と動いた。


「そうです。聖女ステラはヒトの男と契り子を成した。そしてその子孫は、サベッジ山脈を超えて、獣人の集落を築いていたのです」


「セイレンの伝承では、聖女ステラはヒトの男との間にヒトの姿をした子を成しているが、私はこれを間違いだと思っている。獣人の女性とヒトの男性の間に生まれた子は、必ず獣人となるのだ。だからこれは、長い時間をかけて聖女ステラの血がヒトにも受け継がれていったことを表しているのだと、私は考えている」


 今までだんまりを決め込んでいたマクルーガー氏も口を開いた。饒舌に持論を展開している。紅茶を口に含み、マクルーガー氏は畳み掛けるように続けた。


「聖女の子孫は獣人とヒトに溶け込み、サベッジ山脈を挟んで北と南に別れた。北がセイレン王国で、南がニューブロンズだ」


 続けてグレゴリーが、


「子孫たちの血は大半が薄まっていると思われますが、ニューブロンズの王族に流れる血は違う。あれは定期的に子孫の一族の血を取り入れて、この200年あまり繋ぎ続けている。そして50年前に、その血が外に持ち出された」


 グレゴリーがステラを見つめている。


「50年前、ブロンズ王国から調査隊がきました。彼らを歓迎した当時の王は、それまで同様にブロンズを追放された彼らを懐柔し、味方につけた。その中に、とある獣人がいたのです。二人がいつ、どうやって知り合ったのかは分かりません。しかし、その獣人はあろうことか、当時の王女様を連れて駆け落ちしたのです」


「~~~~!」


 まさかの展開にステラが悶絶した。


「そして二人は山を超えて消えた・・・。ステラさん、おそらく貴方はその二人の、孫にあたるのではないでしょうか?」


「~~~~~!!」


 ステラが更に悶絶している。もうまともな言葉を発するのは難しそうだ。


「お守りに書かれていた文字は、伝承文字と言って、ステラの血族しか知らない文字です。しかもその文字は今となっては王族しか知らない代物。その文字を、貴女が書けるということは、貴方は家族からその文字を習っていた可能性が高い」


 混乱しているステラにお構いなく、グレゴリーは続ける。


「ステラさん、貴方はニューブロンズ王国の王族なのです」



ステラの出自、更に判明。

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