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ステラズ・クロニクル  作者: 森田ラッシー
第一部 ブロンズ王国編
1/60

プロローグ

物語の序章。

 夜の帳が下りる頃、周囲を森に囲まれたサベッジ村の住民たちは、早々に床に就く。

人口300人程の小さな集落であるサベッジ村は、ブロンズ王国の南にそびえるサベッジ山脈の山間にある。200年程前はサベッジ銅山として栄えた記録があり、ブロンズ王国建国の礎を築いたと言われている。しかし栄光の時代も過ぎ去れば、いつかは人々に忘れられてしまうもの。銅山が閉鎖した今、サベッジ村は農業と狩猟、山菜採りでなんとか生計を立てている状態であった。


 ルーカス・ウェイカーの家も例に漏れず、農業と狩猟、山菜採りで生計を立てていた。

 父ベーンは先祖代々の土地を守りながら畑仕事に精を出し、母シェミーは家事をしつつ山菜採りに出かける日々を送っていた。10歳のルーカスは、5歳になる妹のリーナの子守りをしたり、父と一緒に畑仕事をしたりしていた。


 村の北に伸びる街道を下って行けば、海に面した王都があるが、ルーカスは生まれてこのかた一度も王都に行ったことがなかった。

 隣の家に住むサラは、父親が定期的に王都で行商をしているので、それに同行しては王都で見聞を広めている。ルーカスはサラからいつも王都の様子を聞かされていたが、サラから王都の楽しげな様子(大道芸の一座がいるだとか、毎日露天がならんでいるだとか)を聞かされても、いまいち王都に興味が持てなかった。

 2歳年上のジョルジュはよく、「こんな田舎さっさと出て行って、俺も王都で一旗揚げたいぜ」と言っている。一旗揚げるとはどういうことなのだろうか。それはこの村ではできないことなのだろうか。ルーカスには、ジョルジュが王都に憧れる理由がいまいち分からなかった。

 ルーカス・ウェイカーは両親と妹と一緒に暮らしている、今の村での生活に十分満足していた。

 朝起きれば、笑顔の父と母が食卓にいる。眠い目をこすりながら起きてきた妹を、父が抱きかかえる。家族4人で朝食の時間を過ごしたあとは、それぞれの仕事に向かう。父は畑へ、母は家の事を済ませたら山へ、ルーカスと妹は留守番である。時々、父が畑に連れて行ってくれて、色々な事を教えてくれる。

 ルーカスは、ゆくゆくは父の跡を継ぎ、自分が先祖代々の土地を守るのだと、子どもながらに心に思っていた。いつかは父に代わり、自分が家族を守るのだと。この穏やかな生活を、続けていくのだと。

 ルーカス・ウェイカーは良くも悪くも世界を知らなかった。小さな村で生まれ育った彼の、それは美徳でもあり、愚かな点でもあった。



 妹のリーナが母親に寝る前のお話をせがみ、父親はいびきをかいてもう眠っている。母親が苦笑しながら、村に伝わる民話を妹に聞かせている。ルーカスも心地よい母の語りに耳を傾けながら、次第に意識がまどろむ。ウェイカー家の、よくある、いつもの、そして最後の、光景であった。





 その夜、サベッジ村は炎に包まれた。





初投稿。処女作です。まずは完結目指して頑張ります。

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