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イマジネーションオブソート  作者: 斗紙 砦史
2/2

非対称な双子2

ピピピピピという音が定時を知らせてくる。

懐里はその音で目を覚ました。

「今日から学校か…」

めんどくさそうに言いながら入学した高校の制服に着替えを始めた。懐里は朝に強い一度起きれば二度寝はしない。一通だけ来ていたメールをみながらパンを食べて学校に向かった。

「お~す、懐里」

学校に行く途中、聞き覚えのある声だと懐里は思った。だが無視をした。

「なんで無視すんねん!」

と懐里の隣に並びながら突っ込んだ。

「はいはい、おっす、ストーカー」

「ストーカーちゃうわ!」

無駄に声を上げ否定した。

「俺にはなぁ、大岸真治って名前があるんじゃ!」

「分かった、分かったから大声出すな」

真治の大声で周りの注目を集めていることに気づいていた懐里はもう大声を真治に出させないようにした。

「分かったんやったらそれでええわ、どうせ同じ高校なんやし同じクラスやったらええな」

なぜか上からの真治に懐里は少しイラッとしたが心の中でなんで上からなんだよ!とつっこんでイラつきを無くした。

「それだけは遠慮したい、いちいちうるせぇから」

そんなたわいもない会話をしながら学校に行った。

案の定同じクラスになった。

「残念やったなぁ~懐里というわけで一年間よろしくな~、後は担任の先生やな、可愛い女性やったら満足やわ」

真治は嫌味をいいつつ淡い期待をしていた。懐里は答えなかった。担任の教師が誰なのか知っていたからだ。

ガラッというドアのあく音が教室中に響いた。クラス全員の視線がそちらに向かった。

出て来たのは銀髪の女性吸血鬼の魔女と呼ばれるミレットだった。

男も女も歓喜した。ただ一人懐里を除いて。

「早く席につけ」

ミレットの一言でみんな素早く着席した。

「今日からお前らを一年見ることになったレイラ・ミレットだ。教科は英語以上だ。質問はあるか?」

自己紹介が簡潔過ぎてクラス全員固まったしまった。

「無しか、まぁいい、じゃあ一番から簡単に自己紹介をしろ。」

そういい一番の名前の人を呼んだ。

「じゃあ、8番大岸真治」

「はい!」

真治は返事をした。

「大岸真治です。好みのタイプは年上の女性です!一年間よろしくお願いします!」

普段関西弁の真治が標準語を使った理由は一つミレットがドストライクだったからである。

「残念だが私は結婚しているぞ?子供だっている、なぁ坊や?」

ミレットは真治の告白を遠まわしに断った。

「嘘やろ…」

真治は絶句した。

「てか坊やってことはこの中におるんか?」

「いるぞ?」

といいながらミレットは懐里のほうを見た。その目の動きを見ていたクラス全員も懐里を見た。

「懐里お前一人暮らしちゃうんか!?」

真治は物凄い勢いで懐里に迫った。

「一人だ。ミィは親代わりだ。」

「そんなん聞いてへんぞ!」

「言う必要ないだろ…」

「俺ら友達やん?」

「そこまでだ、これ以上続けるなら廊下に立たせるぞ?」

二人の会話を制止したのはミレットだった。

「すんまへん、みんなもすまんかったな」

真治だけ謝った。

「それじゃ、次だ」

そういうとミレットは9番の人を見た。

「明日から授業が始まるちゃんと来いよ以上だ。解散」

そう告げるとミレットはドアに向かった。

「そうだ坊や、渡すものがあるから一緒に来い」

「はいはい」

懐里はミレットの後を追った。

「やっと来たな」

そういったのは玄関口で待っていた。真治だった。

「別に待ってくれなんて言ってないぞ」

「そう言うなや、どっか行こうと思っててん一緒にいこや~」

「嫌だ」

懐里は真治を抜かし歩いていった

「まぁまぁ、昼飯おごったるから」

「なにやってんだ、早くいくぞ」

懐里はさっきバイト代を貰ったが金を使わずに飯を食べれるならなんだってする奴なのだ。

「前見つけたええ感じの店でええ?デートの時に使えるか知りたいねん」

「どこでもいいぞ」

二人は肩を並べてお店に向かった。


「なかなかうまかったな~」

「悪くなかったな」

「雰囲気もええ感じやしとりあえず候補にしとこ」

真治はポケットからメモ帳を取り出し書き始めた。

「それじゃ俺帰るぞ」

懐里はそう言って席を立った。

「了解、金は払っとくわ~ほなまた明日な」

「おう」

そう言い店を出た。

「さて、帰るか」

懐里は自分の家のある方向に歩いた。途中甘い匂いがしたのでそちらの方向を見た。シュークリーム屋だ。

懐里はシュークリーム屋に向かった。シュークリーム屋の前にいる懐里の体の半分もない黒い髪の前髪が目にかかっている黒いワンピース姿の女の子が一人で居たからだ。

「どうしたんだ?」

懐里はかがんで女の子に聞いた。

「!?」

女の子は驚いた表情をした。

「もしかしてシュークリーム食べたいのか?」

「しゅー…?」

「シュークリームな、ここで売ってる食べ物のことだ。食べたいか?」

懐里は苦笑しながら再度聞いた。

「食べたい…」

その言葉を聞いた懐里は

「すみませんシュークリーム二つください」

「かしこまりました。500円になります。」

「はいはい」

そういいながら500円を出した。

「ちょうどお預かりします。レシートはどうなさいますか?」

「いりません」

そう答えシュークリームを受け取り、女の子に渡した。

「立ったまま食べるのはあんまりよくねぇからあそこに座ろうぜ」

指をさしながら言った。

「うん…」

女の子は大きく開けた口を閉じて答えた。

イスに座り二人は食べ始めた。

「そういやお前親は?」

懐里は女の子を横目で見ながら聞いた。女の子から返事が返ってくることはなかった。食べることに集中していたからだ。まぁたべてからでもいいかそう思い最後の一口を食べた。

「何か飲み物買ってくるからここにいろよ」

そう言い残すと懐里は自動販売機に向かった。

戻ってくるとそこには誰もいなかった。

親が連れて帰ったのかなら俺も帰るかそう思いながらスマホをポケットから取り出し時間を確認した。ちょうどその時ミレットからの電話が来た。

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